何故超高収益企業は無いのか。
おそらくこれは、市場が効率的だから。ここでいう市場と言うのは金融市場では無く、一般的な財市場の事。大抵の事は効率的に供給されており、ある程度の代替性を持って対応出来ている事に起因していると思う。だから、例えば100円で売っているものを追加コスト無しで200円で売る事が出来ない。200円で売れればROA100%以上を達成できるが、そんな事が出来ない。簡単に達成できそうで、全く達成できない。
要因分解すると、二つに分かれそう。
①既存の代替物
②模倣による競争激化
①は市場の先天的な効率性に由来している事。
②に関しては後発的な効率性、新規参入者による価格破壊何かが当たる。
牛丼屋の牛丼が280円で常態化しているけど、本来であれば400円程度でもそこそこ人が集まると思う。牛丼市場を独占的に確保出来れば、多分かなり儲かる。でもそれが出来ない。独占するほどのアドバンテッジを持てない。価格と言う強烈な要因を軸にして敵が戦いに挑んだら、同じ手で対抗しなければならない。そうでなければ客を引き留められない。上記の牛丼屋と同じく、大抵の企業は市場効率の網に引っ掛かり尋常でない利益率(ROA30%以上)を、大規模に、長期的に得るのは不可能ではないだろうか。
とはいえど、この効率の網にさえひっかからなければ高い利益は狙える。例えば、歴史上の出来事で言えば、大航海時代の貿易船の利益率は200%(分母は投資金額、船が無事に帰ってくればの話だが)を超えていたらしい。東インド会社の利益率も対資産ベースで130%だったとか。イギリスによるアメリカへの重課税(紙とか紅茶とか)も、一般企業がやればかなり儲かる。1世紀ほど前に、ロシアがイランとの戦争で煙草の専売権を得たんだけど、あれを一般の企業に管理させたらROA300%位はいけただろうね。中抜きするだけだから、テヘランに事務所をおけばいいだけだし。でも、どれも、もう無いけどね。
結局競争原理の働いた市場主義ベースで投資を行っていくしかない、であれば、この利益率の制約はどうしても外せないんでしょうねぇ。。