ゆるゆる素浪人の「気まぐれ日誌」~ 自己満足とボケ防止に、人生の雑記帳~  

そういう意味で老人の書いた「狼の遠吠え」、いや「犬の遠吠え」と思い、軽い気持で読んで頂けば有り難いです。

冷凍餃子事件と食の安全性確保

2008-03-07 07:12:00 | 時事・雑感
このブログで中国製冷凍餃子事件で犯人までたどり着けるかどうかは、
中国側の検査協力次第だと書いてきた。

しかし今は日本と中国の両警察の威信と国益を背おった事件に発展して、
「食の安全」問題だけでは片付かず政治的要素が加味され、
桜の花咲く頃の胡錦濤国家主席の訪日予定が怪しく成ってきた。

中国の国会では温家宝首相が行なう冒頭演説でも異例の食の安全性確保にふれ、
製品の品質安全対策を省エネや環境保護と共に、
今年の重点目標に打ち出したと毎日新聞は伝えていた。


今回の事件を反省して日本も食品の安全対策機構の法整備や検疫所の検査職員の増員、
地方の県でも輸入加工食品の残留農薬検査の強化、
加工食品製造業者のJAや味の素も自前の農薬検査機関を作り、
検査能力の強化が検討されている。

いずれも検査能力の向上を中心に計画されており、
この種の仕事を地方の検査機関で携わっていた者としては嬉しい限りだが、
遅すぎた感も強い。

とにかく何か不祥事が起こらなければ進展しないというのが、
日本の行政官庁の特徴で、
致し方ない事かもしれない。


今までも食品関係の事件はたびたび起こって来たが、
なかでも黄変米事件、放射能汚染マグロ、残留農薬問題、食品添加物(チクロ、タール色素、AF-2・・・)などは国家間の国益論争にも成り、
当時の弱かった厚生省は対応に苦慮した事だろう。

多くの日本国民が強く食の安全について神経を尖らす様に成ったのは、
戦後から経験した多くの国内不祥事の学習効果によるものだ。


近頃は特に食の安全性の確保が叫ばれ、
多量の試験検査は必須条件であるとの意見も多いが、
まだまだ試験法やコストの点では万全ではない。

特に化学試験のコストは高くつき、
直ちに検査料の価格は食品に反映されるだろうし、
安全性の確保の代償には致し方ない事かもしれない。

ともかく裏方の食品化学試験に一生携わった者として振返れば、
重要で神経を使う遣り甲斐のある仕事で在った事だけは間違いなく、
大きなミスも無く定年退職まで過ごせた事を、
今更ながら喜んでいる。




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