僕はあれから眠っている
目をつむっている時も
目をあけている時も
僕はずっと眠っている
くちずさむ時も
手足をぶらぶらしている時も
僕は眠り続けている
いつだったか
夢の中を手探りながら
起きていた季節を探している
眠りながらお酒を飲んで
酔いの眠りの中
足どりもおぼつかない
安眠とはほど遠い眠りの中
眠っている
眠り姫じゃあるまいし
くちづけをまっているじゃあるまいし
期限のない睡眠を
いつまで続けるのだろう
もうそろそろ起きないといけない
でも眠りは安心だ
危険な香りのする誘惑を
僕は眠りにみつけてしまった
夢の中に姿をみせるのは
起きていた頃の温もり
眠り顔はほほえむ
まるで子犬だよ
ああ
僕は晴天の真昼で
ねむっている