余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

眠っている

2022-03-27 22:39:24 | 水声の詩
僕はあれから眠っている
目をつむっている時も
目をあけている時も
僕はずっと眠っている
くちずさむ時も
手足をぶらぶらしている時も
僕は眠り続けている
いつだったか
夢の中を手探りながら
起きていた季節を探している
眠りながらお酒を飲んで
酔いの眠りの中
足どりもおぼつかない
安眠とはほど遠い眠りの中
眠っている
眠り姫じゃあるまいし
くちづけをまっているじゃあるまいし
期限のない睡眠を
いつまで続けるのだろう
もうそろそろ起きないといけない
でも眠りは安心だ
危険な香りのする誘惑を
僕は眠りにみつけてしまった
夢の中に姿をみせるのは
起きていた頃の温もり
眠り顔はほほえむ
まるで子犬だよ
ああ
僕は晴天の真昼で
ねむっている

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