この世界を覆う闇は
事実 僕の世界であり
覆う闇は傷痕の紅
流れ流れるユートピア
ユートピアに美しさはなかった
桃源郷は望郷に似ていよう
心通う月の満ち欠け
途惑いのある波の満ち引き
山々の尊さに立体感はあやふやの感覚
空気感が美しいのか
遥かなる幸福
一個体を見詰めれば
あでやかな美しさ
そう美の豪華さは
内から光り息をつむ
また一方の一個体
自らを傷つけ罰しているが
傍目から見ればいとおかし
うずくまりあかをこぼし
求めるもの
そして一方の個体では悪魔に魅入られもし
悪魔も神ではあったのだ
この一個体をルシフェルと名づけようか
そうして美を修得する
二人のつながりは誰も知らない
それでも美しきこの想い
美しさでありたいと願う