余白のメモ

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指の上で四季はほほえむ

それでも美しさは

2021-09-01 00:02:55 | 十五の詩
この世界を覆う闇は
事実 僕の世界であり
覆う闇は傷痕の紅
流れ流れるユートピア
ユートピアに美しさはなかった
桃源郷は望郷に似ていよう
心通う月の満ち欠け
途惑いのある波の満ち引き
山々の尊さに立体感はあやふやの感覚
空気感が美しいのか
遥かなる幸福
一個体を見詰めれば
あでやかな美しさ
そう美の豪華さは
内から光り息をつむ
また一方の一個体
自らを傷つけ罰しているが
傍目から見ればいとおかし
うずくまりあかをこぼし
求めるもの
そして一方の個体では悪魔に魅入られもし
悪魔も神ではあったのだ
この一個体をルシフェルと名づけようか
そうして美を修得する
二人のつながりは誰も知らない
それでも美しきこの想い
美しさでありたいと願う

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