余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

孤独な隠者

2021-04-02 23:45:31 | 天秤の詩
暗い影を体に落とし
(はにかむ顔は子供の頃)
どうにも幻が付いて回る
どこを見ていいのか分からずに
挙動不審に息が上がる
分かっていながら尋ねるのは
ここは何処? 何の意味?
かしげながら尋ねるのは
真実? 本質? 写実? 華?
手に取るのは闇の中から
奥の奥では静かに炎を燃やし
手からは可憐で儚い色が跳ね
鋭く光る喉の辺り
光と影の行き来を急いで
無数のカモメが上下する

息もつかせぬ荒技を
驚嘆の声を我が物として
白い光を目に宿し
無数の指が音楽を鳴らし
頭のてっぺんが火花を散らす
常に変わるものが
常に変わらぬものが
それでいても優しさが
見詰めた中を描き切る

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