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余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

蝶々の纏足

2025-03-16 00:08:26 | マイブック(や~わ)
「蝶々の纏足・風葬の教室」
      山田詠美 著

纏足、中国にあった風習。
女性の小さい足が好まれる中で無理やりに足をきつく縛り、
成長を止めようとする行為。そのために歩くことすら困難となる。
このような残酷さは何も足だけとは限らない。
現代にも探せばこのような縛りはあるのだろう。
例えば心、たとえば精神、たとえば、と。
自我の芽生えから生まれる世界。
その世界は風によってまた自身の動きによって吹かれていく。

いっせいに

2025-03-11 23:12:50 | トムトムキキル(短歌)
いっせいに
目覚め始める
春よ ねえ
肌に触れてて
風の謳歌

歌う声

2025-03-11 23:11:10 | トムトムキキル(短歌)
歌う声
心もとない
短歌の時間
美しきさがは
取り零さずに

ニッポンの小説

2025-03-11 23:09:36 | マイブック(た)
「ニッポンの小説」
      高橋源一郎 著

小説とは何なのだろうか。
様々な芸術があるなかで小説とはなんなのだろうか。
詩があり、俳句があり短歌があり、エッセイがあり等々。
なにを表現しているのだろうか。なにが表現されているのだろうか。
死と恋愛が多数を占める小説。
それなら恋愛とはなんだろう。そして死とはなんであろうか。
絡み合うことの政治や世界。
文学とは、そして言葉とは。
考えること、そこから見える対話の遍歴。
詩や小説からみた日本というもの。

老神介護

2025-03-11 22:42:42 | マイブック(や~わ)
「老神介護」
      劉慈欣 著

いやー、楽しかったあ。
読み終わったあとの感想である。
初めてふれた中国の作家で、しかもSF。
SFにふれるのもなかなかなかったが、それが面白くって。
なんてったって最初の短編が、突然現れた大量の宇宙船から
老人たちが下りてくるなんだから。
老人ばかりが下りてきて各家に住むんだから。
SFのたのしさに呑み込まれてしまった。
ほかの四編のストーリーもまた格別である。
暗殺者の主人公も、恐竜対アリも、他人の視界と旅をする話も、
地球のトンネルもどれもである。