そして月曜日、またもや打ち合わせの後、新橋へ。もう店を探すのが面倒だからと「鴻運」に行く。自動ドアが開くと、意外なことに満席。なんだ結構な人気店なのか。すると、おばちゃんが、「二階ね〜」という。なんと、このお店、二階にも客席があるのか。
二階に上がると例の円卓があった。ほら、ガチ中華でよくあるあれ。くるくるテーブル上部が回る奴。5,6人が座れそうな、その円卓に一人座り、まずは「ホッピー」(350円)白から口火を切る。
実は2階には、もう一組お客がいた。部長タイプとその部下といったあんばいの2人組。この部長がいけすかなかった。どうも最近、出向で入ってきたらしく、その部下に「オレが来て良かったろ」などと仕切りに言っている。そして、今いる会社の上層部をやたらと名指しで批判。いや、批判はいいが、自画自賛はするなよと言いたい。どうやら、部長タイプは、この部下を完全に派閥に取り込みたく、様々な工作を仕掛けている。部下ははじめ、警戒していたが、酔いが進むにつれ、この部長タイプに取り込まれるようになった。
さて、「ホッピー」がきたところで、前週と同じ「ハチノス」をオーダー。だが、今回の「ハチノス」はあまり素材がよくなかった。多分、冷凍パックのブロイラー風のものが出てきた。先週いただいたのとはちょっと違う。トッピングされているパクチーもしなしなだ。同じ店でもこんなに違うものかと驚いた。
部長タイプはその舌鋒がおさまらず、とうとうホッピーセットをお代わりした。
「今度は黒ね」。そして「春巻き」をオーダーしたところで、お店のおばちゃんと軽く会話をした。
「先週金曜日も来たけど覚えてる?」
部長タイプがそう尋ねると、おばちゃんは、「あぁ、あぁ」と言った。覚えているとも忘れたとも言わない。なのに部長は、「覚えていてもらうと嬉しいよね」と呟く。多分、おばちゃんは覚えてないのだろう。
「中」をお代わりした際、「ねぎチャーシュー」を追加した。
580円のつまみはちょっと勇気がいったが、とりあえず一番魅力的なつまみに見えた。
その「ねぎチャーシュー」が運ばれ、一口いただくとその期待は脆くも崩れ去った。ん? 辛いか。もう一口口に運ぶ。やっぱり辛い。これ、ねぎを水に晒してないな。はじめは大した辛さではなかったものの、時間が経つにつれて辛さはヒートアップした。なにしろ、ほとんど食べ残さない自分が、最終的に残してしまったのだから。
これは想定外だった。580円、余計なお金を使ってしまった。
さて、部長タイプを囲む会は俄然盛り上がりを見せた。とうとう若手まで酔いが隠せない状況になった。
「春巻き」をもう一度頼む際に、部長タイプは「また春巻き頂戴」とおばちゃんに言うと、それまで割と平静を装っていた若手は急に大きな声で、「ワンモア!」と言った。何故、「ワンモア」なのか。店のおばちゃんは確かに外国籍だと思うのだが、「ワンモア!」はないだろう。それとも、若手が得意とするギャグの一つなのか。
自分は最後の「中」をお代わりする際、もう一品オーダーするかで悩んでいた。「炒飯」で〆るか。それとも違うつまみか。或いはもう食べないか。ただ「炒飯」は700円台で、ちょっと散財気味の今回は厳しい。ただ食べないというのも辛い。それならば、前回頼んだ「ピータン」なら380円で手頃だ。ここは「ピータン」でラストを飾るか。
例の2人組、若手がとうとう暴走し始めた。口数がやたらと多くなったのだ。多分、この部長タイプの術中にはまり、取り込まれてしまったのだろう。
最後の、「中」を「ピータン」で飲りながら、最後は綺麗に食べ終わった。会計すると2,500円ちょっと。確かに「ねぎチャーシュー」の分、先週より高い。
からめとられた若手の顔は自分の方からは見えない。部長タイプがやや勝ち誇ったような顔で「ホッピー」を煽るのが、ちょっと不気味だった。
大陸系の店でネギチャーシューは自分も良い思い出が無いので頼まなくなりました。炒め物が大きくは外れないよね。でもチャーハンは結構外れる確率が高いと思う。
「食べログ」の点数もまぁまぁ高めだね。でも、なんで人気なんだろうか、ちょっと腑に落ちない。酒が安いからかな。
「ねぎチャーシュー」は厳しかった。翌日までねぎの辛みが口の中に残っていたし。
「炒飯」は確かに分からない。だから、自分も二の足を踏んだんだけど。
良かった。
一緒に行こうとなったとき、正直もう再訪したくないというのが本音だったので。
仕入れの素材もあまりよくないなと思いながら、その人気にやはり違和感を感じるよ~。