中島みゆきの曲の中でかなり好きな曲です。
ねばねばとまといつくような執着ではなく淡々と独り語りをしている歌詞が返って哀切感を増幅させます。
声を上げて泣き叫ぶのは感情表現として効果大ですが、あるかなしかの微笑を浮かべながらうっすらと涙をたたえているのは見た目以上に胸に迫ってきます。
具体的なことはほとんど描写されていないので、どのようにも解釈される歌詞です。
分かっているのは過去に愛し合った男と女がいて、男の親が女のところに来てなかったことにしてくださいと頭を下げているという事。
どんな風に出会ったとか、いくつくらいの時だったのか、なぜ別れることになったのか、どうして男本人ではなく親が出てきたのか何も分かりません。
最初にこの曲を聴いたときは神田川とか赤ちょうちんシチュエーションを思い浮かべました。
だけどこの曲を唄う中島みゆきの歌声が、いつもと違ってやたら幼い感じです。
本当に世間知らずの子供子供した声なのは、二人が愛し合っていた時の年齢を表現してるのだと思います。
中学生…あるいは高校生くらいかな?
大学生でこの幼さはないと思うので14歳~17歳くらいの間だと思います。
神田川の世界ならもう大人の世界ですが、14~17歳ならまだ子供の世界です。
たとえ過去の問題であってもその時代の出来事、約束事の後始末に親が出張ってくるのは不自然ではないと思います。
これまでにいろいろなシチュエーションを考えてみましたが今現在の設定は以下の通りです。
10年ほど前、男16歳、女15歳の時に恋愛関係になった。
後先も考えずただ好きだというだけでがむしゃらに突っ走った。
さすがにその年齢では家を飛び出すことも同棲することもなかったが、そのうちに少女の方が妊娠をした。
妊娠によってお互いの両親に二人の関係が明るみになり、少女の親はこの先娘が背負うリスクを考え、少年の親は息子の将来を考え中絶を強要。
そして二人は引き裂かれた。
泣く泣く中絶に同意した少女は少年に
「10年経って自分が立派な社会人になったらきっと君を迎えに来る。
そして結婚して今度こそ二人の子供を作って産もう」と言われた。
これがあんな昔の約束ではないか?
少年は少女との約束を果たすために一所懸命勉強をして一流大学に入り一流の会社に入社した。
充実した毎日を送るうちに段々と自分がいったい何のために頑張ってきたのかということすら忘れていった。
16歳だった少年は26歳になり上司からの紹介で縁談が持ち込まれるようになった。
男にとってこの縁談は出世の足ががりになるものだったから、両親は大歓迎だったし本人も心が動いた。
だけど10年前の約束がふと心をよぎった。
彼女はこれを知ったらどう思うだろうか…
男にとって彼女との思い出は甘酸っぱい青春の一こまであるとともに、ぬぐいきれない汚点でもあった。
もし今でもあの約束を信じて待っているのだったら、この縁談を受けたら何をされる分からないと言う恐怖が男を襲った。
部長のお嬢さんの目に現れて「わたし、彼の子供を中絶したことがあるんです」と爆弾発言なんかされたら、もう縁談どころか会社での立場も失う。
思い悩む息子の様子を見かねた親が事情を尋ねる。
思い出すのも腹立たしい過去だが、捨てておくわけには行かない。
本人に始末に行かせたら心優しい息子の事だから焼けぼっくいに火がつく恐れもある。
男の親にとっては大事な息子を誘惑した性悪女にしか他ならないのだろう。
「子供のころの過ちなんだから親がちゃんと始末をつけてきます。
あなたは私たちに全部任せて大船に乗ったつもりでいなさい」とでも諭して多分母親が後始末に行ったのでしょう。
>アナタと同じ目元が潤んだように安らぐ
男親というより女親っぽい感じがします。
男の子は母親に似るといいますし。
同じ女としてアナタの辛かった気持ちはよくわかります。
分かった上でこうして頭を下げてお願いします。
昔の事はなかったことにしてください。
お互いに子供過ぎたんです。
アナタにも将来があります。
息子が若さに任せてしてきたこと、あなたと交わした約束全部水に流してください。
そのほうがアナタも幸せになるんじゃないかと思います。
本人ではなく親が出てきたというところで女は男の心変わりを悟ったのでしょう。
もう…いい…
悲しい諦観をするしかない。
10年という歳月は愛情を保ち続けるのには長すぎた。
いつの間にか遠く隔たってしまった互いの気持ち。
今でも変わらぬ愛情を抱いているのは自分だけ。
愚かにも迎えに来てくれるのを待ち続けた自分があまりにも惨めで馬鹿げている。
「そんな約束しましたっけ?
もうスッカリ忘れていました。
あの人って変に律儀なところあるから(笑)
私来年結婚するんです。
小さな会社の営業マンですけど、とっても私の事大切にしてくれる優しい人です。
昔かかった病気で子供が出来ない身体になったと打ち明けても、そんなことは問題じゃないって言ってくれました。
だから…あの人にも余計な心配しなくていいと伝えておいて下さい」
嘘でも何でもかまわない。
こう言う事が一番互いが傷つかなくて済む。
結婚なんて嘘、優しい彼がいるというのも嘘、だけど子供が出来ない身体になったというのは本当。
あからさまにほっとした表情を浮かべる彼の母親を見て笑うべきか軽蔑すべきか泣くべきか迷う女。
曖昧な笑みを浮かべながら、少しうるんだ瞳でガラスの向こうの景色を眺めるしかできない。
早く帰って欲しい。
そしてもう私の事も忘れて欲しい。
私も忘れます。
それが一番幸せになる方法…
無言でそう語りかけているような女の遠い視線に、母親は持ってきたいくばくかのお金の入った封筒をそっと置いて立ち去る。
…叩き返さないほうがいい。
返したらまだ未練あるように思われる。
黙って受取れば金で片がついたと向こうも安心するだろう。
蒼い時代の事やから忘れてやってください…か。
そんな理屈が厭でも納得できてしまうくらい自分も大人になったんだな…
10年前なら、いや5年前でも半狂乱になっただろうに。
ねばねばとまといつくような執着ではなく淡々と独り語りをしている歌詞が返って哀切感を増幅させます。
声を上げて泣き叫ぶのは感情表現として効果大ですが、あるかなしかの微笑を浮かべながらうっすらと涙をたたえているのは見た目以上に胸に迫ってきます。
具体的なことはほとんど描写されていないので、どのようにも解釈される歌詞です。
分かっているのは過去に愛し合った男と女がいて、男の親が女のところに来てなかったことにしてくださいと頭を下げているという事。
どんな風に出会ったとか、いくつくらいの時だったのか、なぜ別れることになったのか、どうして男本人ではなく親が出てきたのか何も分かりません。
最初にこの曲を聴いたときは神田川とか赤ちょうちんシチュエーションを思い浮かべました。
だけどこの曲を唄う中島みゆきの歌声が、いつもと違ってやたら幼い感じです。
本当に世間知らずの子供子供した声なのは、二人が愛し合っていた時の年齢を表現してるのだと思います。
中学生…あるいは高校生くらいかな?
大学生でこの幼さはないと思うので14歳~17歳くらいの間だと思います。
神田川の世界ならもう大人の世界ですが、14~17歳ならまだ子供の世界です。
たとえ過去の問題であってもその時代の出来事、約束事の後始末に親が出張ってくるのは不自然ではないと思います。
これまでにいろいろなシチュエーションを考えてみましたが今現在の設定は以下の通りです。
10年ほど前、男16歳、女15歳の時に恋愛関係になった。
後先も考えずただ好きだというだけでがむしゃらに突っ走った。
さすがにその年齢では家を飛び出すことも同棲することもなかったが、そのうちに少女の方が妊娠をした。
妊娠によってお互いの両親に二人の関係が明るみになり、少女の親はこの先娘が背負うリスクを考え、少年の親は息子の将来を考え中絶を強要。
そして二人は引き裂かれた。
泣く泣く中絶に同意した少女は少年に
「10年経って自分が立派な社会人になったらきっと君を迎えに来る。
そして結婚して今度こそ二人の子供を作って産もう」と言われた。
これがあんな昔の約束ではないか?
少年は少女との約束を果たすために一所懸命勉強をして一流大学に入り一流の会社に入社した。
充実した毎日を送るうちに段々と自分がいったい何のために頑張ってきたのかということすら忘れていった。
16歳だった少年は26歳になり上司からの紹介で縁談が持ち込まれるようになった。
男にとってこの縁談は出世の足ががりになるものだったから、両親は大歓迎だったし本人も心が動いた。
だけど10年前の約束がふと心をよぎった。
彼女はこれを知ったらどう思うだろうか…
男にとって彼女との思い出は甘酸っぱい青春の一こまであるとともに、ぬぐいきれない汚点でもあった。
もし今でもあの約束を信じて待っているのだったら、この縁談を受けたら何をされる分からないと言う恐怖が男を襲った。
部長のお嬢さんの目に現れて「わたし、彼の子供を中絶したことがあるんです」と爆弾発言なんかされたら、もう縁談どころか会社での立場も失う。
思い悩む息子の様子を見かねた親が事情を尋ねる。
思い出すのも腹立たしい過去だが、捨てておくわけには行かない。
本人に始末に行かせたら心優しい息子の事だから焼けぼっくいに火がつく恐れもある。
男の親にとっては大事な息子を誘惑した性悪女にしか他ならないのだろう。
「子供のころの過ちなんだから親がちゃんと始末をつけてきます。
あなたは私たちに全部任せて大船に乗ったつもりでいなさい」とでも諭して多分母親が後始末に行ったのでしょう。
>アナタと同じ目元が潤んだように安らぐ
男親というより女親っぽい感じがします。
男の子は母親に似るといいますし。
同じ女としてアナタの辛かった気持ちはよくわかります。
分かった上でこうして頭を下げてお願いします。
昔の事はなかったことにしてください。
お互いに子供過ぎたんです。
アナタにも将来があります。
息子が若さに任せてしてきたこと、あなたと交わした約束全部水に流してください。
そのほうがアナタも幸せになるんじゃないかと思います。
本人ではなく親が出てきたというところで女は男の心変わりを悟ったのでしょう。
もう…いい…
悲しい諦観をするしかない。
10年という歳月は愛情を保ち続けるのには長すぎた。
いつの間にか遠く隔たってしまった互いの気持ち。
今でも変わらぬ愛情を抱いているのは自分だけ。
愚かにも迎えに来てくれるのを待ち続けた自分があまりにも惨めで馬鹿げている。
「そんな約束しましたっけ?
もうスッカリ忘れていました。
あの人って変に律儀なところあるから(笑)
私来年結婚するんです。
小さな会社の営業マンですけど、とっても私の事大切にしてくれる優しい人です。
昔かかった病気で子供が出来ない身体になったと打ち明けても、そんなことは問題じゃないって言ってくれました。
だから…あの人にも余計な心配しなくていいと伝えておいて下さい」
嘘でも何でもかまわない。
こう言う事が一番互いが傷つかなくて済む。
結婚なんて嘘、優しい彼がいるというのも嘘、だけど子供が出来ない身体になったというのは本当。
あからさまにほっとした表情を浮かべる彼の母親を見て笑うべきか軽蔑すべきか泣くべきか迷う女。
曖昧な笑みを浮かべながら、少しうるんだ瞳でガラスの向こうの景色を眺めるしかできない。
早く帰って欲しい。
そしてもう私の事も忘れて欲しい。
私も忘れます。
それが一番幸せになる方法…
無言でそう語りかけているような女の遠い視線に、母親は持ってきたいくばくかのお金の入った封筒をそっと置いて立ち去る。
…叩き返さないほうがいい。
返したらまだ未練あるように思われる。
黙って受取れば金で片がついたと向こうも安心するだろう。
蒼い時代の事やから忘れてやってください…か。
そんな理屈が厭でも納得できてしまうくらい自分も大人になったんだな…
10年前なら、いや5年前でも半狂乱になっただろうに。
「アナタと同じ目元が潤んだように安らぐ」は、女性が子供を産んだと解釈しています。
なので、親が頭を下げに来たのは2人が別れたとき、その後、女性は誰にもいわずに子供を産んで育てた。
子供が成長したところに男性が約束を守って会いに来たけど、「そんな約束忘れたわ」と言って男性を帰し、男性に似ている子供の目元を見ている、という描写でしょうか。
コバルトさんの〈「アナタと同じ目元が潤んだように安らぐ」は、女性が子供を産んだと解釈しています〉に同感です。中島みゆき
さんの歌い方がこの曲だけ違うように感じたのは私だけでは無かったのですね。このような話は、世の中に一杯あって、それを摘発するかのように歌にされたのか。これを聞いていて、同じ男性として頭に来ました。たとえ約束を反故にするにしろ、自分の口で伝えろよ!って。