小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

プロテアの花に寄せて

2015年05月23日 | 日記

 

花の名前はプロテア。この名の由来は、ギリシャ神話のプロテウスからきているという。ホメロスの二大叙事詩は蔵書しているが、まともに読んだことはない。
ギリシャ・ローマ文化を知らずして西欧文化を語るなんざ愚の骨頂だそうである。プロテアの写真をFBにアップしたとき、妻からプロテウスではなくプロメテウスの間違いではないかと指摘された。
即座に来歴などを語り反論できないところが、人間としての私に瑕疵があると素直に認めざるをえない。まことに辛い。

さて、プロテウスは、人間に火をもたらしたとされるプロメテウスと似ているが縁もゆかりもない。(いや、初源を辿れば同祖か)

プロメテウスはギリシャ神話では重要な位置を占め、これに話が及ぶとロングストーリーになるのでふれない。

 

そもそもプロテアは、アフリカ原産で150種から200種ほどあるらしく、南アフリカのものが最も有名である。現在、南アフリカ共和国の国花でもあるという。
推測するに南アフリカを制圧したのは当初オランダ人で、チューリップ栽培でバブル経済を創出した国民性だけにこのプロテアという花の栽培や品種改良も手がけたのではないか・・。
さて、なぜこの花にプロテウスの名を冠した理由は、ブルフィンチの「ギリシャ・ローマ神話」から紐解くとこう書いてあるのみである。

プローテウスもまた、ポセイドンの息子であった。そして、ネーレウスと同じく、賢明で、未来の出来事をあてる能力と知恵を持っていた。彼が特別に持つ能力というのは自分の姿を思うままに変えることが出来るということであった。」(講談社版:佐渡谷重信 訳)

 

 

 

 

 

プロテアの花はまず存在感、その大きさと艶やかさに圧倒される。そして落ち着いて仔細にみると、この大輪の花が様々なカタチ、色で構成されていることが分る。特に雄蕊の密集した部分が凄い。

プロテウスの名がつけられたように、見方によって色々な表情をみせるからだ。まさに「自分の姿を思うがままに変化」させているかのごとく妖艶な花といえよう。

 

           

 

 

かつて求めたプロテアは、ドライフラワーとなって今でも私たちの目を楽しませてくれていた。しかし、いささかその賞味期限も来たかというとき、八丈島産の新しいキングプロテアが参上したのだ。

いま、新しいプロテアも、わが家の二代目ドライ・プロテアになるべく醸成されている。

 

初代のドライ・プロテア

                 

 

 追記:プロテウスの名を冠したものとして映画「ミクロの決死圏」での宇宙船のようなものを「プロテウス号」といった。
     また、実際の病名として「プロテウス症候群」あり、手足の異常な成長などの症状が出る遺伝子疾患をいう。これも映画「エレファントマン」により世界で知られることになった。特に顔や手足などが異様に変化する奇病であるが、ヒトゲノム研究でその実態が究明されるであろう。(以上、蛇足)

 

 

 

 

 


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