珍方録

バイクと酒とジンギスカンをこよなく愛するブログ

オイル漏れ修理

2013-06-06 | BMWmotorrad

先日のGWツーリングで自走が危ういほどオイルが漏れていた
元々ボクは走ってナンボのタイプなので、オイル滲み程度ならそんなに気にしていない
よってエンジンの下回りは常に汚い(笑)
結論から先に言うと”滲み”ではなく、今回は”噴射”に近い状態だった
オイル漏れといえば昔目撃したショベル乗りのツワモノは、停車と同時に持参の銀盆をエンジンの下にあてがって悠然とタバコを燻らせていたものだ
あの辺のバイクに乗ってる人たちはもう「減ったら足せばいいじゃん」とジタバタしてない気がする

それにしてもリアタイヤがオイルまみれという状態は頂けない・・・
かなり前に乗っていたZX-11(C2)も同じ状態になったことがあった
T田君にバイクを売りつけようとして支笏湖で試乗会を行った際、入りPに戻って来たバイクのリアタイヤがオイルでべっとりだったという事件
原因はエキパイ横を通っているオイルクーラーのホースの劣化による亀裂
今思えばよく無事だったなぁと思う
まぁそのままお買い上げでしたけど(爆)
ZZRといえばもう一人有名な方がいらっしゃいましたねw
C型は古いのでオイルラインには気をつけましょう

今回のMysticのオイルの出所はオイルフィルターカバーだった
エンジンの右側、ホームベースを横にしたような形のパーツがオイルフィルターカバーで、オイルクーラーへの配管も兼ねている
エンジンを回した時の油圧でここの五角形のカバーの隙間からオイルが噴射するような状態だった

本来は五角形のガスケットが内側に入っているのだが開けてびっくり、ガスケットが見当たらない!
前回オイルフィルター交換時に付けるのを忘れていた模様
逆に言うと、ひとシーズンガスケットなしでオイルが漏れなかったことになる
さっそく手稲のディーラーまでセローで走りオイルフィルターを購入
このオイルフィルターセットにはOリング2種類と五角形ガスケット1つ、使い道がわからないガスケットが何個か同梱されている
R100シリーズは年式によって色んな仕様があるのでこんな事になっているらしい
今度はガスケットを忘れずにしっかり組み付けた
試走して一晩放置した結果、見事にオイル漏れは止まった
疑っていたオイルパンのガスケットはまだ大丈夫と判明
細かく見ればプッシュロッドのシールとニュートラルスイッチの樹脂部分からほんの少しオイル滲みがあるが、ここはショベル乗りを見習って、気にしない事にする(笑)

P1160746.JPG

さて、ウチにはお漏らしバイクがもう一台ある
そうセローもお漏らしマシンなのです
どれぐらいひどいかと言えば、会社のビルの管理人から苦情が来たほどの量(笑)
3分に1滴ペースで盛大に漏れていた
原因はクランクケースのガスケットの劣化
これはセローではごく普通の事らしい
古いガスケットをリムーバーで綺麗に剥ぎ取りオイルストーンで面出し

前オーナーはここのオイル漏れを液体ガスケットで誤魔化していたようで、補修の跡が何ヶ所かあった
セローの規定オイル量は1L
点検窓の位置を見ると、ホントにちょこっとしかオイルが溜まらないのが分かる

▲これがヤマハ純正ガスケット、1050円
ヤマハのサイトから検索できるパーツリストは一応1990年以降のモデルが対象となっているが、この89セローは載っている
セローに関してはこの先もしばらくは大丈夫でしょう

ガスケット交換後、クランクケースのオイル漏れはピタっと止まった
しかし一晩置くと地面に何滴かのオイルが落ちていた
出所を探ると、ドライブスプロケット下にあるニュートラルスイッチの樹脂部分から微量ながらオイルが滲んでいることが判明
偶然にもMysticと同じところから滲んでいる
ちなみにニュートラルSWの新品価格はBMWが2500円くらい、セローが1200円くらいと単純な構造のクセにけっこう高い

今回はエポキシ系接着材で固めてしまうことにした
ダイソーで2液性のエポキシ接着剤が売っていたので使ってみた ⇒
試走後に1日放置して確認したところ、見事に漏れが止まった
修理費は105円
こうしてガレージの床にはオイル染みがなくなり、精神衛生上とても好ましい結果となったのでした


―END―

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心霊イグニッション?

2013-05-11 | BMWmotorrad

昨年の夏、小樽方面にツーリングに出掛けた時のこと
コンビニで休憩した後、いつものようにイグニッションキーをONにすると、点灯するはずのニュートラルランプ・OILランプ・GEN(ジェネレーター)ランプの3つが光らない
いや全く光らないワケではなく”ぼんやり”と点灯している
R100オーナーならツーリング先でGENランプが点灯しなかったらかなり焦る
ローター断線により充電機能が失われたことを意味するからだ
しかしこの時は他のランプも同時に点かなかった
よく見るとETCランプも消えている
もしやバッテリーが逝ったか・・・
恐る恐るセルボタンを押したところ、セルは普通に回りエンジンも掛かった
何かの接触不良(?)ということにしてコンビニを出発した
数分後、ひとつ目の交差点でウインカーを出したところウインカーが点かない!!
右折なのでけっこう焦る(汗、、)
そのあと通ったトンネルではヘッドライトが点かないことも解った
完全に点かないかと思えば、何かの拍子でウインカー・ヘッドライトとも点灯するときがある。 
明らかに電装系の異常だ

 

 自宅まで何とか自走し、まずイグニッションキーのシリンダーを分解してみた
テスターで調べてみると接触不良はなく、正常に12V掛かっていた
次にタンクを外してハーネスの断線をチェックしたが問題ない
R100はアナログな回路なので、CPUなどブラックボックスは存在しない
あとはリレーくらいか?
いちばん怪しいと思われるのがイグニッションリレー
パラレバーの世代からイグニッション・キーをONにした時にLoad Shedding Relay(負荷制限リレー)が作動するようになった
テスターでチェックできる項目はコイルの並列抵抗値くらいだが、計っても異常はないようだった
ちなみに隣合っているホーンリレーと同じ品番のリレーなので入れ替えてみたが、症状は変わらず
どっちのリレーでもホーン鳴るし・・・
トラブルシュートできないままタンクを元に戻した
エンジン系には全く支障がなく、何かの拍子で電装系がダメになり、また何かの拍子で正常に戻るという法則がわかってきた
ただ、どの拍子なのかがわからない・・・

結局だましだましワンシーズンを過ごし、原因が解らないまま冬を越した 
過去記事に「心霊ウインカー」というのがあったが、今回のトラブルも原因が掴めない
今年に入ってからネットで色々調べてみたが、同じ症状が出ている人は世界中探しても誰もいないようだった(笑)
やはり怪しいのはイグニッションリレーではないだろうか?との結論に達し、物は試しにリレー交換を行う事にした
純正リレーはHella製で部品代はけっこう高い
そこで社外品を探していたところ、日本のOMRON製のリレーがほぼ同一スペックだと解ったので通販で即注文した
サージ吸収用の抵抗値が若干違うが、そこは気にしなくても良い  

▲左がBMW純正(品番:6131-1459677)で右がオムロン製の互換品。
オムロン品番はG8HLで、1個500円という純正の1/3の価格
Made In Japanの印字が安心の証しか!?

▲3日ほどで部品が届いたので、さっそくタンクを外して取付準備にかかる
R100はタンクの取り外しに工具が要らないので気軽に何回でもタンクを外せる(笑)

▲純正リレーを撤去して新しいオムロン製リレーを取り付けた
そして祈るような気持ちでイグニッションキーをON・・・
3つのランプが眩しいほどにピカッと光った!
何度スイッチを入れ直しても正常
一発で直ってしまった(涙)

後から解った事は、ホーンの鳴り方(音量)が全く違う点
このことからホーンリレー、イグニッションリレーともにリレー内部に何らかのトラブルが起きていて、正常な電流が流れていなかったのが原因と解った
この純正リレーは、多湿な環境で長期間使用すると稀に接点トラブルが発生するとのこと
古いGuzziで使われていたシーメンス製のリレーと同じ弱点を持っている

まぁ結論としてはリレーが壊れてただけ、というハナシでした

 

―END―

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ミスティックLED化

2013-05-04 | BMWmotorrad

▲今年のゴールデンウイークは雨と寒さでどこにも出掛けられないので、ガレージの中でウイスキーをちびりちびりやりながら、バイクのメンテに没頭している。
前後タイヤ交換とオイル交換は早めに済ませたので、今日は電球のLED化を行った。

▲まずはメーター球から
とりあえずスピード、タコ、ブレーキ、テール、ポジションの5ヶ所を交換予定。
ノーマル電球に比べ、トータル電力で30W節減できる事になっている。
R100シリーズのメーターはドイツのMotoMeter製で、メーターパネルは間接照明ながら配光が良く見やすい。

▲純正の電球照明の色はこのバイクのレトロ感にマッチしていたが、白色LED球に交換すると写真のようにクールなイメージになる。 消費電力は1個あたり0.36W。

▲次はポジション球。
こちらも蒼白の光りで、消費電力は約1,2W。
ミスティックのイグニッションキーは、【OFF】→【P】→【ON】という3段階になっている。
【P】というポジションではスモールランプとテールランプだけが点灯してキーが抜けるようになっているが、果たしてこのパーキングランプを使う人はいるんだろうか!?
長時間点灯する機会があればバッテリの負担は減るかもしれない

▲次はストップランプとテールランプ。
シングル球を2個使っていて、上段がストップランプで赤色LED。
下段がテールランプ兼ナンバー灯で白色LED。

▲それぞれ3.5Wの消費電力で、明るさは27W電球と同等
ストップランプは電力が大きいので交換のメリットが大きいかもしれない
ナンバープレートの照明色がLEXUS風!?



メーター交換した際にビキニカウルを外したところフロント回りがスッキリしたので、ついでにナックルガードも外し、パニアステーも外して完全にネイキッドバイクにしてみた
軽く試走してみたところ、初乗りということもあってバイクが信じられないくらい軽くて速い
たぶん気のせいですけどね(笑)
カウルやスクリーン付きのバイクに馴れていると、何もない軽快感はハンパないです
しばらくはこのスタイルで風を感じたいと思います

ところで明日のツーリングは晴れるのだろうか… 

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BMWを変えた2人のデザイナー

2008-12-10 | BMWmotorrad

近年、矢継ぎ早にBMWがニューモデルを発表する背景には、世界的不況の中でバイクメーカーとして生き残るための戦略が見てとれる
それは新しいマーケット・ユーザーの開拓に他ならない
往年のBMWユーザーで、どんどん日本車化していく今のBMWの状況に危惧を感じている人は少なくないと思う
最初のOHVボクサー(R32)が生まれてから今年で85年になるが、ボクのR100Rミスティックはその系譜の最終モデルにあたる
ひとつのモデルを長い間リファインし続け、良いものは変えないというスタンスは
、かつてドイツの自動車メーカーに共通する考え方だった

しかし同じものを長く売っていればマーケティングの限界は見えてくる
これまでのBMWはどちらかというと保守的なユーザー層に好まれる、簡単に言えば若者が買わないバイクだった
そこでBMWが行った改革は"伝統"を捨てる事だった
1993年にデヴィッド・ロブがデザイン部門のチーフに就任してから2輪部門の舵取りは大きく変わった
彼の最初の作品はR1100GS
当時は奇怪なデザインとされたが、その後に発表された斬新なFシリーズや新しいKシリーズ、Rシリーズの登場によって2007年には全世界で過去最高の売り上げ(10万2467台)を記録した
ちなみに2007年の売り上げ台数の43%はGSシリーズで占められている

同時期にBMWに入社したクリス・バングルは、のちに4輪部門チーフデザイナーとなり、デヴィッド・ロブと同じくBMWデザインにイノベーションをもたらした鬼才の一人だ
彼の最初の作品は2001年発売の7シリーズ(E65)
あまりに前衛的なデザインだったため、当時は賛否がはっきり分かれた
しかしこの7シリーズから始まったデザイン路線は、以降のBMW全車種で継承され、これまでのコンサバティブなBMWのデザインイメージを一新した

この2人の偉大なデザイナーのリーダーシップが保守的思考を断ち切り、現在のBMWのアグレッシブなブランドイメージを築き上げたのは間違いない

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新型K1300シリーズと排ガス規制問題

2008-12-08 | BMWmotorrad

BMWの2009年モデル、K1300Sが発表された
排気量が1293ccに拡大され、パワートルクがそれぞれ175PS/140Nmとなり、出力ピークが1200エンジンより1000回転下がっている
K1200シリーズのオーナーにとってはあまり喜ばしくないスペックアップか!?
個人的にはこのバイクは待ち望んでいたもの
なんといってもパワー・トルクが初代ハヤブサと同じ
BMWもここまできたか・・・という感じがしている。

話はガラっと変わるが、昨年日本の二輪車の排出ガス基準が大幅に強化された
現在の排ガス規制は「平成18年規制」といわれるもので、『平成18年10月1日以降生産の新型車に対し、排ガス中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を従来より約85%削減、窒素酸化物(NOx)を50%削減する』というもの

 ・小排気量車(50cc~250cc)

・国産新型車は平成18年10月から適用
・輸入車、継続生産車は19年9月からに適用

 ・大排気量車(251cc~)

・国産新型車は平成19年10月から適用
・輸入車、継続生産車は20年9月から適用

この規制により2スト車が絶滅しただけでなく、多くの国産車がカタログから消えた
BMW・ドカ・ハーレーなどの輸入車、そして日本製フルパワー逆車も今年9月からは、世界で最も厳しい排ガス基準をクリアしなければ国内登録は不可能となる
正規物では既にプレストが09YZF-R1の輸入を見送り、モトマップでも09GSX-R1000がWEBのカタログから密かに消えている(750・600・隼は継続)
一方ホンダは今回の排ガス規制が導入される少し前(19年7月)に国内馬力自主規制が撤廃されたのを受け、118馬力の国内仕様ホンダCBR1000RRを登場させている
BMWに話を戻すと、すでに2010年モデルK1300Sにおいても175馬力表記(フルパワー)で国内登録が可能となっている
早くからインジェクションとキャタライザーに取り組んできた成果と見るべきか?

次に、ネイキッド版のK1300Rも細部が変更された
新色の鮮やかなオレンジがなかなかイイ
K1300Rの最高出力は173PSと若干デチューン
S同様、メーターのデザインが変わった
フルスケールはS、Rともに300km/h
ウインカーとテールランプがクリアレンズになりLED化、特にテールランプはポジション球とストップ球が別体式となり複数のLED発光式になっている
サイレンサーの形状も変更

最後にK1300GT
斜め後ろからの角度がすごくいいかも
やはりパニアは同色の方がまとまり感があるように感じる
ツアラーのGTは最高出力が160PSに抑えられ、こちらもカウルデザイン、カラーリング、メーターパネルの意匠を変更
メーターのスケールは260km/h

3モデルともにオプション設定の電子制御可変サスがESA-Ⅱに進化
ASC(トラクションコントロール)のON/OFFスイッチも設定
そして新たにギヤシフトアシスタンス(クイックシフター)が選べるようになった
シフトアップ時にクラッチ操作がいらない
言い方を変えればセミオートマなので、ロングツーリングでは疲労が減るのかもしれない

我々BMWオーナーにとっていちばんショッキングな変更は、やはりウインカースイッチの変更かもしれない
ついに日本車と同じになってしまった・・・
たしかにハンドル回りは見るからにシンプルに軽くなった感じがする
これまでの左右独立式ウインカースイッチは追い越し時やハザードなど、慣れれば便利なものだった
これをあっさりやめてしまうあたり、柔軟なメーカーと言わざるを得ない


さて、厳しくなる排ガス規制の中、将来的に空冷ボクサーエンジンが生き残れなくなるというハナシがある。
そのエミッション対策としては水冷化がひとつの方法だが、そうなるともう"牧歌的"というエンジンでは完全になくなってしまうだろう
少なくとも水平対向というレイアウトだけは未来永劫残して欲しいと思う
まぁかなり先の話になるだろうとは思いますがネ・・・

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BMW F800S 試乗記 Part1

2008-09-21 | BMWmotorrad

F800シリーズが日本で発売開始されてからもうすぐ2年が経過しようとしていますが、ようやくF800Sを試乗する機会を得ました 
世界的に販売が好調のようで、ここしばらくは「品薄」だったようです
派手な黄色の外装にはちょっと照れますが、造形はなかなかカッコイイです
このバイク、真後ろから見ると張り出したテールカウルといい180サイズのリアタイヤといい、国産SSマシンとまったく区別が付きません
乗る前は前傾ポジションでキツイかな・・・という先入観がありましたが、ハンドルは思っていたほど低くはなく、ロングツーリングでもさほど苦にはならなさそうです

F800のエンジンは新開発の30度前傾水冷並列2気筒で、歴代Fシリーズ同様にロータックスが生産を行っています。
もちろんクランクケースにはBMWの刻印があります
エンジンをかけてみると、パラツインでありながらエンジン音がボクサーツインにそっくり
クランク構造や点火順序など、BMWが設計段階から意図的に似せたようです
ボクサーっぽいフィーリングなのは一定速のアクセル開度で巡行しているときだけで、ひとたびブリッピングをくれてやれば、フリクションが感じられないほど吹け上がりが軽いです
回転落ちも速く、2気筒というよりは4気筒エンジンのような反応をします
最高出力は
85ps / 8,000rpm、最大トルクは86Nm / 5,800rpmで、レッドゾーンは8,500rpmから。
リッターあたり出力106,24PSと、バイクとしては控えめ?
乾燥重量は182kg(ガソリン満タンで204kg)と軽量なので、馬力荷重は2,14kg/psとなります
メーカー発表の0~100km/h加速は3,5秒、
最高速は200km/h以上ということに一応なってます
ちなみに各ギヤ8,500rpm時の速度(メーター読み)は以下の通りです
1速→
 90km/h
2速→120km/h
3速→160km/h
4速→190km/h
5速→210km/h
6速→230km/h
加速はなかなか
鋭く、ギアの繋がりも良いので200km/hまでは軽々と到達します
しかしそこから先は伏せた状態でもかなりの時間と根性が必要です
最高速を出すには果てしない直線が必要です
このエンジンは高回転まで回してもどこにもピークがないので、例えば国産600SSのような突き抜けるような伸びがありません
ここが100馬力超のバイクとの決定的な差です 
コンセプトからいうと200km/hまでを楽しく、というバイクだと思います
スコンスコン決まる6速クロスミッションを駆使して峠を走ってる時の「使いきり感」はハンパじゃなく気持ちイイです

大人しく走ってみると、このバイクの良さがジワリと分かってきます
まずフラットトルクのおかげで、街中では殆んど回す必要がありません
知らずにスピードが出てしまうので、押さえるのに苦労します
6速ギヤでの100km/h巡行は約3,700rpm
エンジンはブ~~ンというボクサーそっくりサウンドでユルユルと回ってるに過ぎませんが、そこからアクセルを開けるだけでクルマを置き去りにするほどの加速を見せます

▲ポジションはごく軽い前傾姿勢

▲フルスケール240km/h

F800のエンジンは実用燃費がすこぶる良く、90~100km/hの定速巡行では30km/L近くまで燃費が伸びます
燃料タンクは16Lと小さいですが、その気になれば400km以上の航続は可能かもしれません
平均でも25km/L以上、死ぬほど全開を繰り返しても18km/L程度までしか燃費は落ちないので、なかなか財布にやさしいエンジンです

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BMW F800S 試乗記 Part2

2008-09-21 | BMWmotorrad

▲ベルトドライブ採用

▲ブレンボ4ポットWディスク+ABS

F800の大きな特徴のひとつが巨大なプーリーを持つベルトドライブです
スカーバー(F650CS)よりも更にベルトの幅が広く、見た目のインパクトがあります
チェーンのようなノイズもなく注油も不要、シャフトドライブよりはるかに軽量でトルクリアクションなしと、個人的にはベルト駆動はイイと思っています
10,000kmごとの点検以外はメンテナンスフリーで、BMWの社内テストでは少なくとも50,000km以上は交換不要のようです
ちなみにこの駆動ベルトはかなりのテンションで張ってあり、指で押してもビクともしません
チェーンでいうところの遊びは一切ないので、フィーリング的にはベルトドライブというよりもシャフトドライブのようなダイレクト感があります

▲マフラーは左1本出し

▲燃料タンクはシート下

タイヤサイズはフロント120/70ZR17、リア180/55ZR17という一般的なサイズなので、あらゆる銘柄が選べると思います。 試乗車にはメッツラーのSPORTEC M1が装着されていました
工場オプションのボッシュ製ABSはシステム全体で1,5kgと軽量で、インテグラル(前後連動)機能は省かれています
今回のドライ路面での試乗ではABSのお世話になることはありませんでしたが、1度だけ下りの減速帯コーナー進入時のハードブレーキングで油圧が突然リリースされてビビリました!
リカバリが早かったのですぐに制動力が立ち上がってリーンのタイミングを逃すことはありませんでしたが、そのまま制動が戻ってこなかったら・・・
最新ABSは制御がかなり緻密になってるのでしょうか?(コレけっこう重要かも)

純正マフラーはドカ・Guzziでおなじみのイタリアのラフランコーニ製
排気音自体は色気のない音なのですが、回していくとだんだんイイ音に変わります
これは排気音というより主に吸気レゾネーターから発する音で、カワサキの9R(B型)のような吠えるようなサウンドがします(ちょっと官能を刺激されます)
燃料タンクはシートの下にあり、16Lの容量でリザーブが4L
ダミータンク部分のカバー類はすべてABS樹脂製
手で叩くと、どこもかしこもプラスチッキーな音がしてちょっと安っぽいかナ!?
走行中に時々エンジン振動で共振してしまってますし・・・
 リアサスは肩持ちスイングアーム式で、ピポットはエンジンに固定されています。
ダンパーは日本のショーワ製で、調整はかんたんなダイヤル式を採用
こうやって見ると、Fシリーズは昔から日独伊のパーツが満遍なく使われていますネ

▲SHOWA製リアダンパー。これはプリロード用ダイヤル

▲こちらのダイヤルはリバウンドダンピング調整用

最後になりますが、F800Sの乗りやすさはやはりパワーによる脅迫感がないことに尽きます
「もっとパワーを・・・」と思う瞬間もありますが、それよりも征服感を味わえることの方が大きい思います

BMWとしては「リターンライダー」にぜひ乗ってもらいたいとのことですが、現役ライダーでも充分に楽しめます
たぶんいつものコーナーがスローモーションで見えるハズです!

近々これのGS版が出るとか・・・気になる・・・

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心霊ウインカー

2008-07-24 | BMWmotorrad

兜沼ツーリングから帰ってきてから、ナニやらウインカーの調子がおかしいのでディーラーへ
症状は、"左ウインカーだけが勝手にキャンセルされる"というものです。 BMWのウインカーはハンドルの左右それぞれにウインカースイッチがあり、右に曲がるときは右の、左に曲がるときは左のスイッチを押します
左右同時に押すとハザードランプとして機能するというなかなか合理的な設計です。 ウインカーのキャンセルは右ハンドルにあるキャンセルスイッチで行います
モデルによっては車速センサーで働くオートキャンセル機構が付きます
R100シリーズにはオートキャンセルは付いていませんので、勝手にウインカーが消えることはないハズなのですが・・・
右写真中央の四角い箱がウインカーリレー(フラッシャーユニット)です
すぐ隣りにレギュレーターレクチファイアがあり、稀に電磁波?の影響で誤作動する車両があるとのことです。 
対策としては写真のようにアルミテープでユニットを包むだけ。この方法はフラットの柳沢さん伝授によるもの。

これで誤作動はほぼ回避できるらしいのですが、ボクのMysticはこれでも不調になりました
奇遇にも同じ日に"旅人"WくんもR100GSのウインカートラブルで、ディーラーに修理に来ていました。 カレの100GSはさらに症状が進んでおり、勝手にキャンセルされるならまだしも、「勝手にウインカーが点く!」という新たなステージに入っていました
まさに心霊ウインカーですね(笑)
キツネにつままれたようなトラブルなので、工場としても簡単にトラブルシュートできません
2台とも、とりあえずアルミテープの厚みを増やしてみて、もう一度様子を見ることになりました

ボクのバイクの修理が終わったころ、ちょうど夕立が降ってきました
店の外で雨に濡れるW号のテールランプがぼんやり点灯してるように見えました
気のせい・・・?  いや、ほんのり点灯しています
どうやらイグニッションキーの穴から雨水が浸入してパーキングランプにリークしたようです
あぁバッテリーが・・・
Wくんはもう死にたくなってました・・・

さて、500㌔ほど試走した結果左ウインカーは正常に戻りましたが、今度は右ウインカーが勝手にキャンセルされる症状に変わりました。
頻度は1日走って数回程度とそれほどでもないのですが、改善されなかったことに軽いショック・・・
後日、報告の為ふたたびディーラーへ
いつものように工具なしで簡単に燃料タンクを外すと、「もしかするとプラズマブースターが悪さしてるかもしれませんネ・・・」と工場長
プラズマブースターはそもそもパルスを生成する機械なので一理あるかもしれません
設置場所をタンク下からフロントカウル横へ移設
せっかくなのでパイロットランプを運転中にも視認できる位置を選び、工場長自らワンオフのブラケットをアルミで製作してくれました
ステーの裏に「BMWmotorrad」の刻印入りというスペシャルな逸品です
念の為フラッシャーユニット本体も他車のユニットと付け替え、アルミテープを入念に巻きなおして装着。

ふたたび500㌔ほど走り様子を見ました。今度は具合がイイようです
勝手にキャンセルされるという兆候は今のところ一度も出ていません
どうやらカンペキに直ったみたいですが、どれが当たったのかよく分からないというのが実に困ったところではあります・・・
ちなみにW君のその後はまだ聞いておりません・・・

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OHVボクサーとの邂逅

2008-07-23 | BMWmotorrad

この写真を見てパソコンの前でニンマリした人が何人いることでしょうか?
このたび、バイク乗り替えました
兜沼ツーリングでご一緒した皆さんはもうご存知ですが、写真のBMWになりました
ボクにとって初めての赤いバイクです
とつぜんGuzziが嫌いになったワケでも、飽きたワケでもありません
もっと旅のできるバイクが欲しかったのです・・・
1100sportを手離すのは心苦しかったのですが、元気があれば将来またGuzziに戻ることは大いにありえるかも!?

このバイクの車名は、R100ロードスターMYSTIC(ミスティック)といいます。
なぜ今R100なのか?という疑問にまずお答えしなくてはいけません
今から8年前のことですが、ボクが人生で初めて乗ったBMWが、このOHVボクサーのR100ロードスターでした。
同じ1,000ccのバイクから比べれば比較しようもないほどスピードは出ないわけですが、乗るとなぜかホッとして、遠くに行きたくなるという不思議なバイクでした。

そのころのボクの年齢は30代前半
当時はレーサーレプリカばかり乗り継ぎ、"ステダンが付いてなかったら死ぬ"とかマジで思ってた頃でした
R100ロードスターにはステダンはおろか、細いバイアスタイヤしか付いてないのに、どんな走り方をしてもコワくない
初めて走る峠も楽に曲がりポジションも楽、タンクもデカい、パニアケースもつけられる・・・
これイイいかも、と思ってしまったのです

その後ボクサーエンジンは新型となりインジェクション化され、1,100cc→1,150cc→1,200ccへと目まぐるしく進化してます
究極のボクサー、HP2sportまで登場
ここまでくると旧OHVボクサーはもう過去の遺物ですが、ボクのR100への気持ちは揺るぎないものでした
なぜならば雪道を走れちゃうバイクだからです(笑)
このバイク、R100GSをベースに作られたので基本はオフ車なのです!
オールシーズン1台を目指すならこのバイクしかありません

そんなワケでたまたま福田モータースに程度のいいMYSTICがあったので、迷わず即決してしまったという次第です
MYSTICはR100シリーズの最終モデルで、ボクのは95年式になります(最終は96年式)
OHVシリーズの完成形といっていいと思います
福田モータースの担当者からは、「直すところは特にありません」と太鼓判を押されました
納車整備は札幌のディーラーが担当
すぐにプラグコードとタイヤを新品に交換
リアサスは初めからWPに交換されており作動は良好
油脂類の交換、ゴム製のホース・ジョイント類を総交換、キャブの洗浄と同調、バルブクリアランス調整、フロントフォークオイル交換、ブレーキフルード交換と、ちょっとやり過ぎの感すらありますが、おかげで新車のようなコンディションで乗り始めることが出来ました

ビキニカウルが付いていますがこのバイクのオリジナルはネイキッドです
メーカー不明でしたが、カタチが気に入ったのでこのカウルを装着しました
こう見えて風防効果はけっこうあります
ちなみに塗装はプライドユニットに依頼。 社長にはかなり無理を言いましたが、出来上がったカウルはさすがの仕上がりでした(感謝!)

他には、純正パニアケースとシティケース(写真の小振りなケース)を1セットづつ注文
シートがモコモコしてますが、オーストラリア産シープスキン(羊毛)のシートカバーを装着
ロードスター用アップハンドルと純正グリップヒーターをセットで装着(MYSTICオリジナルハンドルは低すぎて前傾ポジションのため)
オカダプロジェクトのプラズマブースターで点火強化
マフラーをステンチューンに交換
そして最後にETCを装着
納車から2週間で、すでに3,000キロ走ってしまいました
調子はいまのところ最高です
もっかの不安はセンタースタンドがずいぶん削れるなぁ・・・という点と、ETCのせいで高速に乗りすぎてしまいそうなことでしょうか・・・・・・・

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キャブOH

2008-04-26 | BMWmotorrad

長らく快調を保ってきたF650のエンジンですが、今シーズンの乗り始めからナニやら低域の息つき症状が出始めました
しばらくキャブを開けてなかったので、ここらでオーバーホールしてみることにしました
単気筒エンジンですが、上の写真のようにキャブが二つ付いてます(エキマニも二つ)
ちなみにプラグも二つ付いてますが、これはベースエンジンであるアプリリア・ぺガソ用のエンジンが5バルブヘッドだったため、4バルブのF650では余ったポートをプラグホールにしたようです
後のインジェクションモデルではホンダフィットのように、二つのプラグを位相点火させて30km/Lという燃費を稼いでいますが、初期型は同時点火のようです(燃費は20~25km/L)

スライドバルブガイド

フロート内の状態

キャブレターはミクニBST33の2連装
スズキのDR800やグース/ジェベル/DRの250、バンディット400にも使われている負圧キャブです
エアクリーナーを外す時点で、エレメントにかなりの汚れを発見!
吹き返しの蓄積物も多く、ブローバイのドレンからは得体の知れない液体がタラ~っと出てきました
キャブもかなり汚れてるハズ・・・

まずコールドスタート用のプランジャーがサビで固着寸前でした
フロート内は思ってたよりもキレイで、スライドバルブ/ガイドの摩耗も許容範囲、ジェットニードルも偏摩耗はなしでした
強力なキャブクリーナーで入念に洗浄
パイロットスクリュー(以下PS)の穴がなんとなく汚れていたので、もしかすると不調の原因はココかもしれません
余談ですが、最初期型モデルは抜けのいい純正マフラーが付いているので、メインジェットが#140と大きめで、PSも4,5回転戻しと多め。
後のモデルではマフラーとエアクリが絞られ、MJ→#132/PS→2,5回転戻しとなり、メーターを振り切るパフォーマンスが得られるのは最初期型だけと言われてます
で、PSを確認すると3回転戻しになっていました
もう少し濃い目には振れそうです
フロートのゴムパッキンと、諸々のOリングは再使用不可でしたので、これから注文します
GWの連休はロッパンはお休みですネ・・・

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BMW HP2 sport

2007-11-23 | BMWmotorrad

各メディアで既出のHP2sportですが、個人的な視点であらためて検証してみたいと思います
HP2[High.Performance.2Cylinder]シリーズでは初のロードモデル
予定価格400万というだけあって、他の生産モデルとは違うスペシャルな匂いがプンプンします
殆んどの部品がHP2sportのためだけに新規開発されたようです
先日乗せていただいたR1200Sも相当にアグレッシブなマシンでしたが、HP2sportでは1200Sより更に10馬力以上パワーアップされ、10㌔以上軽量化されています
ベースとなる1200Sのエンジンマウント位置は他のボクサーモデルよりも高くバンク角にはかなり余裕がありましたが、HP2sportでは上の写真のようにエキパイをオイルパンの真下に通すことでさらなるバンク角を確保しています
また、サーキット走行時にヘッドカバーが接地して削れても簡単に交換できるように、ポリアミド製のスリップ・パッドが装着されています
ちなみにヘッドカバーはドライカーボン製で15mm

精度が出てるためスタッドボルトはなんと2本だけ
価格およそ14万(片側)

いちばん大きく進化してるのがエンジンです
新設計のDOHC4バルブヘッドとなり、上のイラストのように4本のバルブを放射状に配置する"ラジアルバルブ"が採用されました
ラジアルバルブ化するため、カムは特殊な円錐形状をしており、軽量なロッカー・アームを介してチェーン駆動されます
ラジアルバルブというと、F-1などのコンペティション系エンジンの技術と思われがちですが、ホンダが昔から"RFVC"(Radial Four Valve Combustion Chamber)と言う名前でやっており、古くはCBX125FやXLX250、現行のXR250にも採用されています
他ではドカのデスモセディチやMVアグスタの4気筒エンジンに採用されてます
DOHCヘッドに加え、軽量なアルミ鍛造ピストンや新開発の強化コンロッドなどを採用した結果、最高許容回転数はボクサー史上最高の9,500rpmに到達しました
最高出力はR1200Sの122ps/8,250rpmから133ps/8,750rpmに上昇し、最大トルクは112Nm/6,800rpmから115Nm/6,000 rpmと、発生回転数が下がりました
BMWとしては、この複雑なヘッド機構も含めて、エンジンの耐久性は充分としています  果たして・・・

上の写真、シートレールは存在しません
シートから後ろすべてドライカーボンのサブフレームとなっています
ちなみにAssyで70万!!

マフラーはセンター出しの"アクティブ・エグゾースト・ガス・フラップ"を装備したステンマフラーを採用
これはヤマハのEXUPのような排気デバイスで、サイレンサーの手前にサーボモーターからケーブルで駆動されるフラップがあり、電子制御で全回転域で太く滑らかなトルク曲線が得られるようです
オプションで、アクラポヴィッチサイレンサーが用意されています

6段ギアボックスはR1200Sとは違って1速と2速のギア比が高く、全体にクロス化されています
ギアボックスには市販車初のクイックシフターが装備されています
BMWでは"ギアシフト・アシスタント"と呼んでおり、アクセルを開けたままクラッチを切らずに変速を可能にしています
ギアペダルを操作するとECUが点火角度を絞り、燃料噴射を抑制することでクラッチを使用しなくてもシフト可能としています
プレッシャー・センサーを交換することで、逆シフト(1Up5Down)にも対応。
ライダーがクラッチを操作すると、ギアシフトアシスタントは直ちにキャンセルされ、普通のミッションとして作動します

ブルーに塗られた鋼管フレームのレイアウトは新設計のリアセクションに合わせてディメンションが変更されています
ホイールは軽量な鍛造アルミで、リアタイヤは190/55ZR17という55%扁平サイズが採用されました

サスペンションは前後オーリンズが標準装備
フロントのテレレバーはスライダー・クランプ付近にアジャスターが用意されており、フロントの車高の微調整ができます
リアのEVOパラレバーももちろん車高調整式で、前後のシャシージオメトリーは付属の専用ツールで自由に変更が可能
HP2sportはサーキットユースも考えて開発されたマシンですが、ABSをオプションで選ぶことができます
このHP2sport専用ABSは、フロントのブレーキ回路に圧力センサーが追加され、リア・ホィールの加重がホッピングなどで激減した場合でもフロント・ブレーキの油圧を開放するタイミングが早くなり過ぎないようにコントロール・ユニットが調整します
もちろん不要な場合は、ハンドルスイッチでいつでもABSをオフにすることができます

個人的にそそられるのは上の写真の2Dシステムズ社製のメーターです
このメーターはMotoGPマシンや4輪フォーミュラーマシン、GTマシンなどにも採用されてきた実績があります
HP2sport用はBMWと2Dシステムズ社で共同開発したもの
イグニッションキーをONにすると液晶パネル全体が白色のELバックライトに浮かび上がり、各種インジケーターランプがチェック動作を始めます
この動作の美しさはもう芸術的といっていいと思います

操作には左側のハンドルバーに用意された2つのスイッチを使用します。
公道モードの場合、ライダーはエンジン回転数、車速、時刻、走行距離、残走行距離、走行時間などの一般的な情報を見ることができます
また、エンジンの暖機中には、それに関する情報が表示されます。
これは簡素化された1200Sのメーターよりはるかに情報が多いです
レース・モードの場合、ディスプレイにはラップ・タイム、最高回転数、最高速度、ギア・シフト回数などのデータが表示されます
また、パソコンに接続して保存されたデータを読み出すことも可能
さらにメーター・パネル上部には、高輝度LEDが8個並んでおり、回転数の表示や外部ギアシフト・ライトとして自由にプログラム可能
4輪のMモデルで採用されている可変式エンジン回転数警告システムも搭載されています
これはコールドスタートからいきなり全開にしちゃダメですよという警告で、エンジン油温の上昇に応じて許容回転数の範囲がLEDで次々と変化して表示され、油温の上昇とともに高回転域まで使用できるようになります

正式に発表された車重は乾燥で178kg、ガソリン満タンで199kgとのことです。 空冷のままでここまでやる、ということに長年ボクサーエンジンを育ててきたBMWのこだわりを感じます

販売価格は未定ですが、およそ390万と言われています
デリバリーは2008年から開始される模様
日本への割り当てが何台になるのかは不明

さて、2008年からワールドスーパーバイク選手権(SBK)のレギュレーションが変わり、2気筒は1200ccまで可能となりました
誰もが来シーズンBMWはこのHP2sportのレースバージョンで参戦するものと思っていましたが、SBKにはボクサーマシンでは参戦しないことが解りました
実は参戦は2009年からで、BMWは"1000ccの4気筒マシンを新たに開発する"との表明をしました
賢明なBMWですから、ボクサーエンジンで勝てるほどスーパーバイクは甘くないことくらいは解ってたんですね・・・

このマシン、公道が楽しいと思います

追記:
2009年ワールドスーパーバイク世界選手権参戦体制
◆マシン名:S1000RR
◆ライダー:トロイ・コーサー/ルーベン・ザウス

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R1200S 青山試乗会 PART1

2007-11-08 | BMWmotorrad

北海道のバイクシーズンも終焉を迎えようとしてるこの時期に、バイクを買ってしまった元気な方がいます。 その人の名はK崎クン  マシンはR1200S!
納車後2週間足らずで1000kmを走破し、慣らしも終わってしまったとのこと

先週、何も知らないボクのところに、Hクンから一本の電話がありました
「R1200Sに乗ってみませんかぁ~?」「メチャメチャ面白いバイクですヨ!」
これは嬉しさを隠せないときのHクンの感じ・・・
「KじゃなくてR?」
「はい、R1200Sです!」
試乗車に下ろした話は聞いてないゾ・・・と思っていたところ、前述のK崎クンのサプライズを聞かされたというワケです
「どうでしょう、青山あたりで試してみませんか?」
願ってもない嬉しいオファーです
「行きます!行きます!」 

11月6日(火)AM9:00、待ち合わせ場所に行くと、真新しいナイトブラックのR1200Sがボクを待ってました。 このレーシーな外観、特にリアからの眺めはとてもBMWには見えません
スポルトと並べてみると、全体に低くまとまった雰囲気が似てなくもない??
30分待ってもHクンが現れる気配がないので、置き手紙をして2台だけで出発!
当別の街を抜け、青山をめざしました

峠の上り口のT字路で竜巻Rサンを発見! なにやらヒザに異様なモノを装着しています。  正体はハンドメイド・ヒザ擦りパッドでした!! 

200万のバイクにガムテープ巻きのニー・スライダー! さすがは竜巻Rサン、ナイスなセンスです(笑)  パニアケースを外してこないところもイイですね

肩慣らしに3台で山頂のPまで走りました
ここで1200Sをうしろから観察。 んー、やけに軽く曲がってるナ・・・どこにもチカラが入ってない。   このバイクは期待できそうな予感

 

R1200SとオーナーのK崎クン↑
派手なブルーのBMWコンフォートシェルスーツと、コミネの革パンはこのバイクのために誂えたモノ(気合がちがいます!)
それにしても、やけにウエストがくびれてるジャケットだなァと思ったら、わざとレディース用を買ったんだそうですネ
スリムなK崎さんだからできるワザです

上Pに着くとHクンがいつの間にか到着していました
やっぱり来てくれました!

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R1200S 青山試乗会 PART2

2007-11-08 | BMWmotorrad
この日は、我々のほかに写真のGSX-R1000クンが坦々と走行を重ねていました一見、普通っぽく見えますが、カレなかなかやります

 

↑Kさんの走り

当別側からウイリーでスタートするR1000クンをまずはスポルトで追走
パワーで70馬力少なく、車重で50kg重いので、離されないで付いていくのは至難の業。 全性能を使い切って攻めまくる楽しみはなかなか他では得られません

↑K崎クンの走り

↑竜巻Rサンの走り

↑GSX-R1000

↑1100SPORT

1往復の区間、R1000クンの後ろと前とで絡ませてもらいましたが、思わず顔がニヤけるほど楽しいバトルでした

↑Pに戻る2台

↑R1200Sのステップ裏のバンクセンサーが邪魔なのでここで撤去

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R1200S 青山試乗会 PART3

2007-11-08 | BMWmotorrad

ここからはR1200Sのインプレです
ボクが想像していた以上のマシンでした
Guzziから乗り換えると、もうパワーの次元が違います!
下ろしたての新車のため、回転にまだ硬さがあることを差し引いても非常にパワー感のあるエンジンです
122馬力という・・・空冷のツインでもここまで出来るんですね
このエンジンは、同じ1200ボクサーのSTやGSと違い、高回転側の吹け上がりがかなり鋭いです
5,000rpmを越え、6,000rpmに差し掛かったところでエンジン音が硬質な音色に変わり、そこからレヴリミッターの作動する8,800rpmまで強烈なパワーが炸裂します

パワーバンドに入ると低いギヤではフロントタイヤの接地が保証されないので、時にフロントが暴れます
チカラでねじ伏せて走るこのカンジ、完全にレプリカマシンの挙動そのものです!
空車のシート高は830mmあり、1Gでもバレリーナ状態です
走り出して一つ目のコーナーに入ったとき思わず「軽い!」と感じました
高いシート高と相まって、ヒラヒラ感は抜群
テレレバーということもあり、コーナーに突っ込んでしまってからでもラインの修正が効き、リスク回避能力もかなり高いと見ました
これはイイ!

OEMのメッツラーSPORTEC・M1は個人的にはとても好きなタイヤのひとつですが、路面温度が低いのと強烈な立ち上がりトルクのおかげでリアが逃げ気味・・・
そこは人のバイクなので(笑)、慎重にコーナーを立ち上がります
タイトな区間では、パワーバンドに入ったところでフロントがスーっと軽くなり、次のコーナーまで飛ぶように加速
フルブレーキングでも大きなピッチングは起きず、そのまま52度まで許容する深いバンク角でリーンを開始
当別側のストレートでは6速まで入り、メーター読み250km/h弱まで到達、しかもまだ加速途中という・・・
これがBMWの走り??


青山線は平均してフラットな路面ですが、思わぬところにギャップがあったりします
テレスコのGuzziで通過すると、とんでもない挙動が起きたりしますが、同じ場所をR1200Sで通過しても何も起きません
この辺はBMWならではの安心感があります

↓熱い走りのあと、HクンとR1000クンがなにやら話し込んでます
STの商談?

Hクンが昼から仕事なので、ボクと竜巻RサンとK崎クンと3人でジンギスカン屋に寄りました。 清水ジンギスカンです

いつになく楽しい走りだったので、ジンギスカンも旨い!
空は青く、どこまでも高い

この日一日ボクらを楽しませてくれたR1200Sですが、最後にスピードメーターが壊れました(爆)  ↑ご覧のように200km/hのところで針が止まっています
みんなで鞭打ちすぎましたかナ・・・・

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BMW K1200R sport

2007-09-19 | BMWmotorrad

先週1週間ほどBMWのK1200R sportに乗ってきました
ふだん空冷OHVツインなどという浮世離れしたバイクに乗ってるせいで、新型バイクにあまり関心のないボクですが、久しぶりにハイパワー4気筒マシンに乗ってみるとやっぱり面白かったです!
今回乗った「R sport」はネイキッド版の「R」(BMW流にいうとロードスター)にハーフカウルが付いたようなモデルです
昔のBMWのカウルは"いかにライダーに風を当てないか"を考えてましたが、「R sport」のハーフカウルは顔にも腕にもビンビン風が来ます(笑)
K1200シリーズには大型カウル付きのツアラー"GT"があるので、この際棲み分けをハッキリさせて、R sportは軽快感を全面に打ち出したようです

「S」に比べハンドル幅が広く絞りが少ない形状が特徴で、腕が開くポジションに最初違和感がありました
これはとっつきやすさとコントロール性を考えたもので、例えばダートなんかもお構いなしに入っていけます
まずは当別ダム建設現場から月形に抜けるダートに入りました
そもそもロードバイクでダートに入る気が起きること自体がスゴイことですが、このバイクは間違いなくダートも守備範囲ですw
ESAをComfort(最もソフト側)にすれば前後サスの追従性が上がり、デュオレバーのセンターストラットがものすごい仕事をしてるのが分かります
構造上ブレーキダイブをしないので滅多なことでは底付きしませんが、オフ車ではありませんので深いギャップは飛びます! あたりまえ(!?)

ダートを抜けアスファルトに戻るとESAボタンをNormal(通常値)に戻し、ここからはダンピングの程よく効いた足回りに早変わり(便利!)
カタログを見ると4,000回転から100Nm以上のトルクが出ており、8,250回転でピークの127Nmに達したあとも11,000回転までフラットに100Nmを維持します
回さなくてもトルクだけで速いというのが印象的で、ソロで走ってるときは余程のことがない限り高回転域を使う必要はありませんでした(回せば当然もっと速いです)
このバイクの中速トルクの強烈さは印象的で、おそらくノーマルマフラーの排圧もこの特性にかなり関与してるものと想像できます

参考までに高回転を多用した場合、燃費は恐ろしく悪化します
一度だけ満タンからわずか170キロでリザーブに入りました
つまり19L-4L(リザーブ)=15Lを使ったことになり、11,33km/Lという燃費です! クルマ並みですが、これはK1200に限ったことではなく、リッターバイクで全開にしたらこんなもんでしょう
これを回さずにほどほどに走れば、確実に20km/L近くまで伸びますので300キロ以上の航続は可能と思われます
このエンジン、上が気持ちいいのでついつい高回転側を使ってしまいます
ボクにはエコランはムリでした・・・(笑)
リザーブに入ると、それまでの燃費をECUが勝手に計算して残燃料での走行可能距離を液晶パネルに表示します
リザーブは4リッターありますので、最大で約80km走行可能です
ツーリングの際に「あと何キロ走れるか?」が正確に分かるので、ムダのない給油計画が立てられるメリットがあります
リザーブランプでドキドキする時代はもう終わったのかもしれませんね・・・

日本製リッターレプリカ群の170kg前後という車重に対し、依然として50kg近く重いわけですが、重心の妙で実際には驚くほど軽く感じます
いろいろ楽しめてABSも付いてグリップヒーターも付いてパニア満載でも速いというのはやっぱりBMWですね

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