こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『エンタングル:ガール』高島雄哉

2020-01-18 19:41:26 | 読書感想
 
本書は2006年のTVアニメ『ゼーガペイン』から13年ぶり、2016年に劇場公開された『ゼーガペインADP』から3年ぶりのスピンオフ小説だそうです。

TVの『ゼーガペイン』は見ましたが、劇場アニメの方は見ていなかったので、ほとんど内容を忘れていました。
そんな訳で、私も未見の方々とほとんど同じような状態で読ませていただきました。

主に物語は、高校1年生の森凪了子が映研に入り、映画撮影する夏休みの終わりまでが描かれています。
初めに河能先輩からひどい事を言われ、どうなる事かと思いましたが、あれが伏線だったのですね。
また、千帆と天音の関係性について、現代だから知識としてありますが、2006年に読んだら私も戸惑ったと思います。

『ゼーガペイン』の世界観は、SF好きでも「これをやるか?」と思うある意味難しい設定でしたが、SF慣れしていない方にはかなり重く、理解し難い内容だったと思います。
しかし、現実や自己について見つめ直すには最適な物語だと思いますので、ぜひ、読んでいただき、気に入ったらアニメも見ていただくと、いっそう楽しめるのではないかと思います。
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『ぶたぶたのシェアハウス』矢崎存美

2020-01-15 19:51:32 | 読書感想
実は、大家が一番ワケアリっぽい「シェアハウス&キッチンY」
 

毒親から逃げてシェアハウスに入った門倉実里。
熟年離婚を申し渡されて、日常生活もままならない岸川宗昭。
仕事中心で子どもにかまわない両親の元で育った岩谷舞彩。
二十四歳の時に両親を亡くした上に、半年前には飼い猫ウニまで亡くした飯尾まひる。
そして、辻本親子も大変苦労を重ねた上に、このシェアハウスに住み始めることとなったようだ。

この中のどれとは言いませんが、私も一部、似たような立場を経験しましたので、とても感情移入しました。
あと、今回明かされたぶたぶたさんの事情には、少し寂しさを感じる事となりました。
まあ、それを言うと那須雪絵さんの「ここはグリーンウッド」の池田光流くんの寂しそうな表情も思い出すので、複雑ではあります。
今までで一番、考えさせられたのかもしれません。
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『分かれ道ノストラダムス』深緑野分

2020-01-12 19:47:03 | 読書感想
 
高校一年生の日高浅葱は、1999年6月6日、中学時代に仲良しだったのに早逝してしまった男友達の基の三回忌に行き、彼の祖母から日記らしきノート3冊を渡された。
基は、事故で両親を亡くしていた為、当時、小説で知った並行世界の概念を、ノートでシミュレーションしていたようだった。

三回忌の帰りのファミレスで、同行していた友人たちと話していた時に会ったのが、高校のクラスメイトの八女くん。
ちょっとオカルト系に詳しそうだったので、ノートの分かりにくいところを相談してみると、実は、浅葱が中学時代に暮らしていた町では、ノストラダムスの大予言にからんだ新興宗教が台頭しており、何と!八女くんの年長の友人が、その教祖らしいのだ。

浅葱や、その友人たち、家族までも巻き込んで、きな臭い状況になっていき、宗教がらみで使者も発生していく。

中高生じゃなくても、人は誰でも何を判断基準にすればいいか迷う時ってありますよね?
特に、心が弱っている時は、その能力が鈍るもの。
今回は特に、人は肩書では分からない、という面を強調していますね。
ホント、分からないものですよ。
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日本の切り絵 5人のミューズ(北九州市立美術館分館)

2020-01-10 20:06:55 | 美術館・博物館
展覧会のチラシからして、繊細さと緻密さを感じさせる切り絵作品に惹かれて、行ってきました。

チラシの表を飾っていたのは、蒼山日菜さんの「枯れない蓮 スコア― 2010」
スコア―なだけあって、音符も4分音符だけでなく、8分音符、2分音符も切り出されて表現されています。「ヴォルテール」も、文字が美しく表現されていて、素晴らしかったです。

ちなみに、唯一撮影可能なのが、これですね。

次を飾るのは、アールヌーボー風?の動物と花の柔らかい色合いの切り絵。筑紫ゆうなさん。
大抵、無題なので、どれが好きとは言えませんが、カラーながら穏やかな絵になっています。

3番目は、光に透かし出されて2倍以上の楽しみを味わせていただける酒井敦美さんの絵。
暗室で拝見したのですが、光の当たり具合で、絵柄が変わってくるという面白い作品で、可愛らしいものでした。

続いては、スタンダード素朴な切り絵を表現されている柳沢京子さん。
チラシに載っている「安曇野の声」が印象的ですが、「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」も素敵でした。

最後は、松原真紀さんの透明感のある作品群。
これもチラシに載っている「team BLUE」が、素晴らしいものでした。

とても、堪能させていただきました。
明日、明後日、トークショーとサイン会があるようですよ。
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『あの日に帰りたい 駐在日記』小路幸也

2020-01-08 19:54:34 | 読書感想
 
冬には、子どもたちが校庭で作った雪だるまの1つが、跡形も無く消え失せた。

春になると、自殺の名所とも呼ばれた事のある権現滝で、指名手配犯が投身自殺をした。

夏は、神社に生まれ、都会でキャリアを積んでいたはずの女性が、霊能者になって帰って来た。

秋には、とうとう農家の兄弟が、相続争いをした挙句、兄の方が猟銃を持ち出す騒ぎとなった。

まず、雪だるまは、子どもたちによる、ほんの出来心で済んだから良かったようなものの、万が一、破談になって当人が自殺でもしたらどうするつもりだったのか、大人も考えて欲しいです。

指名手配犯については、今後、何事も起こさなければ、美しい友情で済みます。起こさなければ!ね?

霊能者の件は、この中では一番まともな方でしょう。姉弟愛ですね。

最後が一番自分勝手ですよね?
駐在さんが有能で、バチ被ってくれたから良かったようなものの、自分が撃ち殺される覚悟も無く、騒ぎを起こさないで欲しいものです。

多分、いい話として受け止める方が多いであろうこの物語。
少し、斜めから見てみました。ごめんなさい。
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