こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『夏目漱石、読んじゃえば?』奥泉光

2016-12-23 19:33:21 | 読書感想
とかく文豪と言われ、小難しいイメージを持たれがちな夏目漱石を、とっつきやすくするために、楽しみ方を教える指南書というと大げさでしょうか?

まず、漱石の小説のあらすじは、だいたい書いてあります。
私自身、『吾輩は猫である』『夢十夜』しか読んでいませんので、とても参考になりました。

私が一番に読んだのが『夢十夜』でして、奥泉さんもホラーやSFなどの好きな人にお薦めと仰っています。
面白く読めましたが、確かに感想文には向いていないかもしれません。

この本を読む限りでは、次に私が読む可能性があるのは、短編集か『坊っちゃん』だと思います。
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『よっつ屋根の下』大崎梢

2016-12-22 19:30:35 | 読書感想
平山史彰は、小学六年生。
医者である父親が、勤務する病院に意見書を提出したことから千葉の病院に左遷となり、お嬢様育ちの母親と転校したくない妹を東京に残して、千葉の安アパートに引っ越してきた。

父母兄妹それぞれが、それまでの生い立ちや近親者からの精神的束縛から影響を受けて、家族が一緒にいられない状況になった。
果たしてこの四人は、どのような人生を歩むのか?

四人四様に、それぞれの立場で悩み迷いますが、バラバラのようで繋がっている絶妙な状態でいます。
ラスト、母親の行動で今後の祖父母がどう反応するのか?
意地悪な想像をしてしまうのは、四人家族を悩ませ困らせたから。
それを知ることができないのは、残念ですね。
せめて、想像の中で、楽しませていただきます。
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『居酒屋ぶたぶた』矢崎存美

2016-12-21 19:30:37 | 読書感想
表題作の「居酒屋やまざき」にある『お夕飯セット』は、いいですねえ。
私も、こんな店があったら行きつけにしたいです。
私はほとんど下戸なので、食べるのがメインですけどね。

おでんの店「桜屋」もいいな。
ぶたぶたさんの、おでんをいっぱい食べたいです。

本のバー「本棚」も素敵ですが、ぶたぶたさんが語る実録版ホラーは、かなり怖そうなので行けないかもしれません。

ワインバーはアルコール度数が高そうなので 、ぶたぶたさんが許してくださるなら食べ物メインで行きたいです。

やっぱり私は、基本的に食いしん坊なんですね。
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『遠い唇』北村薫

2016-12-20 19:26:54 | 読書感想
ミステリサークルの先輩に渡された謎の暗号を、長い時を経て解読した表題作。
作家である主人公の編集者の、今は亡きご主人が残した妙な俳句「しりとり」
美術館の広報担当の主人公が一緒に暮らしている彼の、怪しい行動「パトラッシュ」
その他も、日常のミステリがメインの短編集となっています。

あ、でも「解釈」や「続・二銭銅貨」は、非日常ですね。
しかも、私好みです。
もちろん、表題作や「しりとり」「ゴースト」などの切ない物語も、大好きなんですけどね。

とても面白く、あっと言う間に読み終えました。
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『陰陽師 玉兎ノ巻』夢枕獏

2016-12-19 19:30:03 | 読書感想
あまりにも狷介な人物だったため、死霊に祟られてしまった渡辺元網。
奇異な兎を捕らえたところ、清明を呼べと言われた藤原兼家。
両親が亡くなり、通う者もいなくなった綾子の元に、観音菩薩さまが来るようになったという稲生。

今回も様々に変わった問題が、清明と博雅の元にやってきます。
中でも、この兎の話と観音菩薩さまの話、「魃の雨」「木犀月」「水化粧」が好きです。

また珍しく依頼人を助けられなったり、依頼人のその後が分からなかったりと、多分、今までとはちょっと違う面が現れてきていますよね。
その辺りも、好もしく感じています。

相変わらず、博雅が心のままに動くことで、思いもよらず怨霊まで救ってしまうところも、好ましいですね。

このシリーズは、人の心に寄りそういい物語だと思います。
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