『短篇ベスト１０ スタニスワフ・レム・コレクション』スタニスワフ・レム

あらゆる太陽から遠く離れた惑星に、ある偉大な発明建設者が美しく賢い結晶体の生物を造り、住まわせていた。
彼ら氷晶人の造り出す宝石があまりにも美しいため、様々な冒険家が氷晶星を目指したが・・・。

冒頭の「三人の電騎士」からしてとても面白く、『泰平ヨンの航星日記』の「第二十一回の旅」では、万能の生物にとっての宗教について、かなり深く掘り下げつつ、ほのかなおかしみも盛り込んでいるなど、多様な楽しみがあります。

私がその他特に気に入っているのは「洗濯機の悲劇」「ムルダス王のお伽話」「自励也エルグが青瓢箪を打ち破りし事」でしょうか？
何においても過剰なことが、悲喜劇を生み出している気がします。

面白いけど濃厚な短篇集なので、じっくり読まれることをお勧めします。