鎌倉の隠者

日本画家、詩人、鎌倉の鬼門守護職、甲士三郎の隠者生活

136 上級引篭り術

2020-04-09 14:33:00 | 日記

上級隠者の隠棲は、どんな世界に引篭るかが重要な選択になる。

己が内面に楽園を持つ者は、例えどんなに現実世界が過酷であろうと安息できる。

芭蕉の言う「虚に居て実を行え」の「虚」は内面世界の事だ。

我が夢幻界の楽園は清澄で荘厳な所にしたいものだ。


己れの楽園を建立するのに最初に為すべきは、精神の拠所として自室の一角に小さな聖域を築く事だ。

宗教を捨ててしまった現代人は、昔の神仏聖像の替わりになるようなアーティファクトを探して安置しよう。

そこが自分だけの楽園への入口だと思えば、折々の花などを飾るにも気持が籠る。


(歌仙図 待賢門院堀川 狩野派 江戸時代)

詩人歌人なら歌仙の画像が聖域守護にうってつけだ。

西洋ならミューズ(ムーセ)の楽園を思い浮かべると良い。

花の楽園でミューズ達と茶会を開き、詩を語りあうのは古の知識人達の夢だった。


御本尊には最近のフィギュアの女神像も良いが、我家の古仏を忘れると怒りそうなので一応お出まし願おう。


(金銅観音像 元〜明時代)

昔ながらの観音像だが、脇侍をMHのリオレウスとリオレイアにしてみた。

これなら若いゲーム世代にも親しみ易いと思う。

ハンター諸君の武運長久を祈る。


古経にある「楽土建立」とは、精神世界での理想のライフスタイルの確立とも言える。

皆嫌でも引篭り生活を強いられる今、自室での理想の楽園ライフを考える良い機会だろう。


©️甲士三郎


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