引き続きブックハンティングの話。
古書良書を集めるにもその対象を極力絞らないと、またすぐに整理出来ずにゴミの山となろう。
よって私は地元鎌倉の文士達を中心に、ジャンルは文芸に絞る事にする。
ただ美術関係は仕事上絞れない物も多いので別扱いだ。
俳句短歌の本は昔から結構あるので、新たに探したのは主に小説だ。
無闇に増やさないために、初版本以外は買ってはいけない。
勿論自分が気に入って何度も読める作品でなければならない。
鎌倉文士と言えばまずは芥川龍之介だろう。
(芥川龍之介 影燈篭 傀儡師 羅生門復刻版)
羅生門は初版本が無くて復刻版だが、復刻版はぼろぼろの初版本が手に入った時の修復素材にもなる。
私が好きな彼の短編はほとんど鎌倉在住時に書かれている。
彼の短い生涯では鎌倉に居た頃が最も幸福だったのかも知れない。
次は大正から戦後作品取り混ぜて。
(川端康成 三島由紀夫 澁澤龍彦 各初版本)
この3人は今読むと緩やかな師弟関係のようで面白い。
内容はすでに知っているが、読み返してそれぞれの作家の文体の工夫などを見るのも楽しい。
菊池寛、里見弴ほか古い文芸誌もあるが、今回は温存しておく。
戦前戦後の頃の鎌倉は今よりずっと狭い街で、彼等が喧嘩しながら仲良く行き来していた様子が目に浮かぶ。
保養地なので病気がちの人も多かったろうが、そんな時代の若き文士達の暮らしを想いつつ、古書を持って今日の散歩に出るとしよう。
詩俳句短歌類はまだ整理していないので次回に。
©️甲士三郎