小雨の中、下町で管理している建物の一階を借りたいという話があり、借主となる近所の古い自営の周旋屋の親子と会っていた。
いまや法人格で有限会社を名乗っているのは何十年も自営をコツコツと続けている会社ばかりだが、当社もそうだがその会社もそうだった。
ちょうど他の管理しているマンションの部屋の鍵を渡す予定だった内装工事屋の社長も、事務所から近いので顔を出して来ていた。
俺は暇をこいている89歳の婆さんを車に乗せて出掛けた訳だが、現地に着くと内装工事屋の営業車の助手席には引退した85歳のオヤジが乗っていた。
駐車違反監視要員ということで、家で暇こいている高齢者を連れ出す自営もいる。
自営は仕事をやりながらも、常に身内の高齢者たちを孤立させないようにとイロイロと面倒を見ている訳だ。
現場に来ていた周旋屋のオヤジも、去年に90歳の母親を亡くしたみたいで、最期は介護が大変だったと、不動産の話はそっちのけだった。
それから周旋屋のオヤジと息子とほぼ合意した打ち合わせを終えて車に戻ると、昔ながらの大工の棟梁だった爺さんが、雨に濡れながら俺の婆さんと笑い話に花を咲かせていた。
・・・おいおい! もうナンパしてんのかよ!!
跡継ぎ息子に怒鳴られて笑っていたが、
・・・このオヤジは昔から酒と女には手が早ぇんだよ!!
・・・いやいやこっちの婆さんも気の強さでは敵わんだろうよ
大笑いしてやったが、その通りに爺さんも5つ年上の姉御に声の大きさですら負けておって、敵わない!凄い!とヘイヘイの体だった。
・・・もうすぐ90ですと! 怖れいったね~~!
ボケの始まってる年寄りばかりで、愉快なひとときだった。
人を見るとき、その職業や持ち物や財産では見ず、日常の生き方や価値観で足元を見抜いていること、これが一番に大事。
親の跡をつぐとか、師匠や先生の跡をつぐとか、家業をつぐとか、自営にも色々とあるが、ナニにも依らずに群れや組織にも興味なく、伝統や風習なんて無駄なゴミにしか見えず、自営の仕事ですら業界には染まらず距離を置き、借金・負債も持たず貸し借りも無い日常に自分が動いて関り合いを始めた他人との付き合いだけで生きて来て、仲間や親友や先生や先輩も別に必要としない生涯を貫いて来ると、どんどんシンプルな日常しかなくなって来る。
一代で自営を始めて長く続けて居る連中には、そんなのが多い。
もちろん常識や良識、倫理に道徳という洗脳教育など、どこ吹く風だ。
ギャンブル狂だとか、アル中だとか、薬物中毒に性欲暴発だとか、イロイロあるが、自己資金もないのに住宅ローンを借りて見栄を張っている猿の衆も中毒には違いない。
それも生涯を返済という縄で繋がれて生きてゆくマゾ気質。
身体や命までもを賭けに提供して、死んだらチャラにしてもらう合法賭博。
財産だとは言うが、モノの財産は時間が経てば負債に変わってくることを考えれば、完済したとしてもまた担保にして改修や修繕や建て替えと縛られる。
キャピタルゲイン目的でギャンブルに昂じていたって、限られた命の時間の浪費・消耗だけの話で、まわりにはまともな人間は残らないだろう。
車に洋服にアクセサリーに趣味嗜好、常に借金を抱えてクレジットで、勘違いして虚勢を張っているのもおなじこと。
昔の不動産の訪問販売会社では、金に困った連中を高収入・高歩合で呼び寄せて雇用して、簡単にはいかない営業で基本給を取り上げて前借りをさせて雁字搦めに縛り上げ、強引で反社会的な乱暴営業に追い込んでおった。
いま、東南アジアを拠点にして、オレオレ詐欺やナニナニ詐欺で捕まっている連中も、そんな縛られ者ばかりだろう。
すべてはゼニカネに振り回されている猿の衆のお遊戯会でしかない。
俺も20歳半ばの頃に自費出版で抱えた借金返済の為に、そんなことを全国的に派手にやっていた不動産会社に飛び込んで、3か月で借金をチャラにしてやって、その後は営業所の建て直しを担当するまでになっていたが、所詮はレベルの低い一発屋ばかりの集まりで、俺を含めて営業のトップ3人が役員昇進を機に辞めてしまったら半年も持たずに倒産した。
辞めた我々3人の代償は、反社会勢力を使った嫌がらせや恫喝行為だったが、身の危険を感じて先に3人で埼玉の建築会社に3か月間ほど営業として匿ってもらって難を逃れたもんだ。
その当時に社長だったオヤジは、いまは太陽光パネルの投資詐欺でメディアにも書かれて追いかけ回されておって元気に悪さを続けているが、その手の人間は死ぬまで治らないという意味では、これも中毒ではある。
住宅ローンという素敵な響きのただの借金・負債は、そんな話とナニも変わらない自縛拘束でしかない。
個人の見栄張り・虚栄心・自己顕示欲というチンケな欲望を満たす為に、金を借りて生涯奴隷となり、口を封じられて自由自在に生きることを放棄した日常なんて、ただの社会悪でしかないだろう。
いつのまにか、オシャレな美談になってしまってるがな。
甲斐性や信用があるから借金できる? そもそも信用のある者は借金などしないし、ゼニカネに魂を売ってるような企業や個人は最初から信用など出来るもんではないだろう。
巨人・大鵬・卵焼きと、メディアが煽動したイカサマ風潮作りとおんなじさ。
馬鹿タレどもが。
認めてくれて感心してもらい、手を握って褒めてくれる人に牽かれてゆくのが、自信のない弱い現代人の性癖にもなっている。
男でも女でも、老若を問わずにそんな不純な関り合いばかりが社会には溢れかえっていて、胡散臭いことこのうえない。
だから愛や恋やと自惚れて自慰に精を出していても、何時も相手のことより自分のことばかり、自慰の中で相手が自分に都合の良い存在ではなくなれば破綻する繰り返し、進歩の無い後悔ばかりで生きている。
キチンと全てで自立しておれば、もっと永遠なものばかりに囲まれて、良い悪いも越えて笑って生きておれるものを、残念な大人社会には自分自身を変える余裕すらない。
人間は誰しも、素っ裸の手ぶらでオギャ~と生まれて来ている癖に、要らぬモノばかり欲ボケで欲しがる猿に成り下がってゆく。
バイデン大統領僅差でリード、小池都知事かろうじて勝っている・・・な煽動報道は米・英大使館管理の大メディア群から先に流れてくるのは昔からだ。
それに合わせるように、結果は決まっているということだ。
国政選挙の開票予想や当選確実に出口調査という怪しいトリックも、同じような意味合いがある。
真摯な投票をやっていても、集計する段にギリギリのイカサマが用意されている。
昭和の時代に開票集計をドミニオンやらの機械に任せるようになって、楽してインチキが出来るようになってる。
一票の重さだとか言われて煽られて、真面目に投票に行くほうがおかしい。
今朝は真夜中の1時に目が覚めて、そのまんま店に出て仕事を始めている。
あれやこれやと雑用も多く、老いたオツムをフル回転させながら、利益よりも関わり合いの為にと動いているさ。
胃癌で胃の3分の2を削除する為に入院している古い付き合いの、同郷・同世代のIT企業の社長が今日手術だと聞いた。
退院したら奥さんともども良い温泉と良い山歩きに連れてってくれと言われている。
頑張って欲しいね。