こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

地方と経済

2008年01月25日 | つれづれ
郵政民営化が実現することで、
利用者にとっては、
ますます便利なものになっていくんだろうなあ、
という予想とは裏腹に、
片田舎の特定郵便局だったところは、
逆に融通の利かない不便な局になってしまった。
忙しくて郵便物を局まで届けられないときは、
一本の電話ですぐに受け取りにきてくれていたし、
業務時間外であっても、裏口でキッチリ受付の処理をこなしてくれる。
住所の不確実な郵便物があれば、
確認のための問い合わせをしてくれたりと、
片田舎ならではのサービスに、
心から感謝したものだ。
・・・民営化って何なんだろうか?
と思っていたら、
地方都市に住む親戚曰く。
「やっぱり民営化されるとどんどん便利になるよね~」
・・・なるほど、そうなんだ。
これまで融通の利かない親方日の丸だった都市部の郵便局が、
民営化によって利用者の喜ぶ体制を整えていく。
すなわちそれは、利益の少ない地方が切り捨てられる、ということなんだ。
地方の公衆電話が強制的に撤去されていった十数年前を思い出す。
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先祖から受け継いできた家業(事業所)をやむなくたたみ、
都市部へ移転して新しい生計を立てたり、
これからそうしようと考えている家族が、
ぽつりぽつりと多くなりだした。
人口の少ない過疎地域で、
従業員を多数かかえて事業所を運営することは、
さぞかしたいへんなことだろう。
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野球大好き少年。
家族や家計の都合で、
野球道具の購入もままならず、
やむなくチームを去ってしまう少年。
理由がわかって周囲があわてて引き止めても、
深く寂しく落ち込んだ少年の心を引き戻すことは、
そう簡単なことじゃない。
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一極集中の経済社会の有り様は、
地方に住む人々の生活や心の疲弊を、
ますます加速させている。


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