こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

四諦八正道と医科学

2010年07月02日 | 仏教
お釈迦さまの思考スタイルは、
お医者さんのお仕事にもよく似ているように思います。

ダンマパダ(法句経)191
「仏と法とサンガに帰依する人は、正しい智慧をもって四つの尊い真理を見る。
すなわち、1.苦しみと、2.苦しみの成り立ちと、3.苦しみの超克と、4.苦しみの終滅、
におもむく八つの正しい道を見る。」

四つの真理とは、苦しみを産出してしまう心のメカニズム、と言ったところでしょうか。
1.人生は自分の思うようにいかない苦しみである、という真理。
  思い通りにならないという結果ですね。             ・・・・・・<苦諦>
2.きちんとものごとの本質がわからずに、こだわってばかりいるから、
  その事が集積されて苦しみの原因になります。        ・・・・・<集諦>
3.苦しみがなくなった身心はとても安らかです。
  苦を取り除き滅し尽くした結果です。               ・・・・・<滅諦>
4.正しい生活をして、身心を整えることで滅することができます。
  苦しみを取り除くための原因です。
  それが、八正道といわれる実践プログラムです。       ・・・・・<道諦>
*「諦」は、真理です。明らかな事実です。

胃痛をうったえてお医者様のもとへ。
・まず、問診や検査をへて、潰瘍などの病状を明らかに見極めます。(苦諦)
・その結果、仕事のストレスや日々の暴飲暴食が続いたことが
 原因であることが分かりました。(集諦)
・胃酸の分泌抑制や潰瘍部の組織再生により、
 胃痛はすっかり取れて健康になることがわかりました。(滅諦)
・この病気は、少しの投薬と生活習慣の工夫により改善することがわかりました。(道諦)

どうでしょう。お医者様の手順に似てますよね。
どちらも因果律の構造です。
病理学と予防医学がうまいこと融合していますよね。

そんなこんなで、さてさて、どんなお薬を服用したら、
病気の苦しみから脱出できるのか?
次は、実践の道であります「八正道(はっしょうどう)」について確認してみたいと思います。
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