**********************
* 如此耳 恋哉将度 秋津野尓 多奈引雲能 過跡者無二
完全な韓国語から始まって(第一句と第二句)、突如完全な日本語に移り変わり(第3句)、日本語・韓国語の二重よみを経て(第4句)、また完全な韓国語で終わる(第5句)、いとも複雑なよみ方の歌なのです。(中略)
最初、韓国語を漢字表記してよまれていた万葉集は、およそこのような過程、つまり▼完全な韓国語よみ→▼固有名詞・代名詞・主語など一部日本語よみ→▼一部韓国語・日本語二重よみ→▼モチーフ・主題も含めた完全な日本語よみの順で、段々と韓国語離れしていき、日本語そのものに独立してきたのでしょう。したがって万葉集における独特な二重よみ部分は、韓国語が日本語に移行する過程の研究に必要な重要資料であるとも思えます。
* それにしても、この万葉歌人たちの韓国語式漢字訓読に対する実力と、韓国古代語に関する語彙の豊富さに、またまたびっくりさせられます。
したがって一つの漢字に、幾通りもの意味を与えてよませている韓国語式訓読法に関する正確な知識なしには、万葉歌の正解は不可能に近いといえます。
李寧煕(い よんひ) 『もう一つの万葉集』より 文春文庫
*********************
古本屋漁りの結果なので、これも古い本。20年前に出版されている。
徳さん、この世界に疎いのでナンも知らんかったけど、この本が発売された直後の日本人万葉集研究家からの反発はすざましいものだったようだ。
インチキ本とレッテルを貼ったり、日本文化を汚すもの、としてヒステリックに罵倒されたようだ。
読了後、ネットで少し検索してみたが、中には正面切って論争を挑んでいる学者もいて、徳さん、一安心。
意表をついた本だが、結構ロマンチックに仕上がっている。
外国から来る情報が中国と韓国に限られていた時代の日本人の憧れと悪戦苦闘が伝わってくる良い本だと徳さんは思うな。
最初の抜粋部のように、一つの歌の中に、韓国語の日本語化の過程をすべてぶち込もうなんてのは、強引だな~、なんて思いもするが、、、。
ともかく、今までにない、新しい見解なのだから、皆おおらかに楽しまなければ、、、。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
そうです。大らかに楽しんでほしいですよね。私は李寧煕説の支持者なんですが、このたびブログと掲示板を作りました。よろしければお立ち寄り下さい。
ブログ
http://manyousyu.cocolog-nifty.com/blog/
掲示板
http://manyousyu.1616bbs.com/bbs/
Shin-ichiroさんのブログと掲示板、拝見させていただきました。
これからも、時々散歩気分で覗かせていただきます。
よろしく。
それにしても、ふるいブログをよく見つけましたね。