カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

谷川雁 『賢治初期童話考』② 潮出版社

2015-06-21 19:12:42 | 本日の無惨
この本を読んで、かなり精神的ショックを受けている。
しかも、これが再読なので、己れの成長の無さに呆れ果てんばかりである。

たとえば『狼森と笊森、盗森』。

徳さんの読書などは、その表面をざっとなぞって満足しているだけ。
せいぜい、厳しい環境下での開拓農民の苦労と喜びが描かれている童話、としか思わない。

しかし、宮沢賢治がさりげなく描いている表現の一つ一つを丁寧に追っていくと、こんな事が分かるんだぜ。
と、毎行毎行教え諭らされる。

この題の付け方には、こんな工夫が読み取れるぜ。

この童話に出てくる登場人物の人数と構成にはこんな意味が考えられるんだぜ。

この物語は、開拓民と神とのやり取りを表現したもので、それはこんな記述の中に秘められてるぜ。
それは、現代に引き継がれている祭りの原型にもなっているんだぜ。

この物語は、彼らがエゾと呼ばれていた頃を時代背景としているぜ、それが分かるのはこんな記述があるからだ。

彼らが開拓した土地はこんなにも厳しく、それに対して彼らはこんなふうに工夫をしたんだぜ。

彼らを開拓民として送り出した本村はどんな協力をしたか?

彼らが本村の総意として開拓民になった理由は?


そこには、共同体の原型がある。
今、世界はとんでもない所まで来てしまったけど、繰り返し立ち帰る場所の一つとして、宮沢賢治の童話があるとだけは言える。




カイロジジイのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿