カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

宮台真司*飯田哲也 『原発社会からの離脱』

2012-05-28 19:31:51 | 本日の抜粋

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飯田 結局、二年に一回異動する官僚たちが、適当な評価で補助金を配り、受ける地方自冶体側もやはり二年で異動する「素人」の担当者が、適当な提案書を作る。そこへ、受注して報告書やモノを納めてしまえば「あとは野となれ」というメーカーやコンサルが食い逃げする。「これでいいんじゃないか?」「ちょっと進んだ技術だ」と、無責任のトライアングルで日本中にガラクタが作られていくわけです。
 今評価すると本当にガラクタです。「地域に借金しか残らない」「税金の無駄遣い」と総務省の行政評価に見事に載っています。それのアンチテーゼとして飯田市の「おひさま進歩エネルギー株式会社」がある。
 メーカーとしてはモノさえ売れればいいから「事業は失敗してもあなたの責任でしょ。私たちは言われた通りモノを納めましたよ」という理屈です。
 まさに共同体自冶をしようとしたら、地域の側にしっかりとした受け皿となる知恵と経験と信用、そうした社会的関係資本を重ねていける「中心」がないといけない。地域に行けば、二年で担当が変わるド素人の地方官僚ばかりで、何となく「飯田市は成功しているかもしれないな」と、担当者が変わるたびに視察にきて、なにかを始めたいと思うけれど、また人事異動で担当者が変わる。その度にゼロクリアです。

 宮台真司*飯田哲也 『原発社会からの離脱』より 講談社現代新書

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地震・津波は天災で、原発事故は人災だ、との表現を巡って論争があるようだが、少しずつ明らかになってくる実態調査結果によれば、原発事故における人の関与、人災とするのが正しいようで、、、。

ただ、今回の場合、人災と一言で片付けられないものがある。
誰かのうっかりミス、思い込み、判断ミス、経験の無さなどのレベルを超えている。
むしろ、現場の一人一人は最善を尽くしたのだと思う。
我々は、現在進行形の無名の人々の現場での努力にはもっと敬意を払わなければいけない。

問題は、現在に至るまでの社会システムの在り様だ。

そのシステムは我々の身近にもある。

宮台真司の指摘する、「失敗の研究」の不在。
所属する共同体での、人間関係、自分の立ち位置だけを優先する振る舞い。
彼はそれを<悪い共同体>における<悪い心の習慣>と名付けている。

身近というより、自らの内部にある話だ。

やっぱり、今回の震災を経て、自分たちが根っ子の所から変わらねば、、、、。


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