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カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

国枝昌樹 『イスラム国の正体』 朝日新書

2015-07-10 17:37:10 | 本日の抜粋
著者は中東の各国に赴任した経歴を持つ元外交官。
2010年退官とあるから、ホッカホカ。
おまけに退官直前はシリア全権大使。
さぞかし、生々しい現場報告かと思いきや、これが冷静な解説書であった。

その生真面目な著者の「イスラム国」成立への理解と、どうしても理解できない部分への困惑の混在が「イスラム国の正体」なのだろう。

まず、理解できない部分について。
「「首切り」の理由」というサブタイトルが付いている箇所がある。
徳さん、意気込んで読んだが、、、

  *****
 大ざっぱな言い方ですが、不信心な人や支配に応じない人を場合によって殺すことは、イスラム教では「ジハード」(聖戦)のひとつとされ、7世紀に成立した聖典コーランで認められている行為とされています。 
 しかし、問題はその殺し方。イスラム国のような残虐でサディスティックな殺し方は本来、コーランやムハマンドの言行録(ハディース)でも禁止されているはずです。それなのに、厳格なイスラム教徒たる彼らは平気で実行している。何を根拠にしているのか、わたしには理解できません。
 こうした異常性がイスラム国の大きな特徴のひとつといえます。
  *****

だって。
この件に関してはお手上げのよう。
完全に、集団心理学の範疇のようだ。


「イスラム国」成立への理解の部分について。
欧米各国の身勝手な振る舞いの結果、ということは周知の事実として、アラブ自身の問題について。

  *****
* アラブとその周辺の油田は、第二次大戦後、急速に開発されました。同時に富の偏在による大きな不平等が生まれました。富の分配によって不平等をなくすことこそ、本来のイスラムの教えにかなうはずなのですが、現実はまったく異なります。指導者層の拝金主義的な態度が人々のモラル低下につながる面もあるでしょうしそれに反発する過激派も絶えることはないのでしょう。

* アラブ世界には「エリート主義」がはびこっています。有力な門閥や派閥が特権階級をつくって大多数の一般民衆から乖離するのみならず、没落する他の門閥・派閥への冷遇は当然という意識が根強くあります。そのような社会では「融和政策」が発揮されにくい事情があります。

* 「ベトウィン」(砂漠の遊牧民)の精神もアラブ世界の底流には存在します。勇敢さや連帯意識はイスラム教の誕生以前からベトウィンによって培われたとも言われています。それは、部族内部の結束を強め、他の部族との緊張感系につながります。
  *****

現状打開に関してはどうも、お手上げのようである。

みんな出来が悪すぎる、、、、。



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