ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

満男の青春

2014-09-06 | 映画
今日は仕事はお休みでした。

このところ自炊にハマりつつあります。
今日はキャベツを使って何かを作ろうとネット検索すると、「キャベツと厚揚げの炒め物」というのが良さそうに思えました。
そこで、スーパー買い物をしてから改めてネットでページを開くと、そこには「キャベツとさつま揚げの炒め物」と書いてあります。
どうも私は「さつま揚げ」を「厚揚げ」と誤読してしまったようなのです。
どうする?…と一瞬思いましたが、「キャベツ」「厚揚げ」と入力して検索し直すと、何百というレシピが改めて出てきます。
本当に便利な時代ですねエ。
その中から「キャベツと厚揚げの煮物」を選んで作りました。
なかなか美味しかったです。
全ては痛風発作から始まったことですが、当分、休日の料理が楽しみになりそうです。


夜は、BS放送で毎週土曜日にやっている『男はつらいよシリーズ』を観ました。
今夜は、48作中の46作目である『男はつらいよ・寅次郎の縁談』でした。

このところ『男はつらいよシリーズ』を見続けて初めて知ったのですが、42作目からは映画の中心は車寅次郎の色恋沙汰ではなくなるのです。
妹・諏訪さくらの息子、つまり寅さんにとっては甥に当たる諏訪満男(吉岡秀隆が演じています)が高校を卒業して以降の青春の悩みをじっくりと描き、作品によっては満男と恋人の泉(後藤久美子)を主演と言ってもいいほどです。
42作目を撮っていた昭和の最期ころから、渥美清さんが病で体調を崩して長い撮影が出来なくなったことによる苦肉の策だったらしいのですが、それはそれで絶妙な味があります。

満男は勉強もスポーツも特に得意ではなく、父親も小さな印刷会社の社員というごく庶民的で繊細な青年です。
吉岡秀隆はそういった青年像をとても良く演じているし、倍賞千恵子を始めとした周りの役者も上手なので、観ていて胸を打たれるときがあります。
今日の『寅次郎の縁談』の冒頭は、大学4年生の満男が40社以上面接試験を受けても上がり症もあって受からない…という家族の苦悩の様子をじっくりと描いているのですが、胸迫るものがありました。
でも、『男はつらいよ』という大看板がなければ、特に派手な事件が起こるわけでもない一家の悩みを映画作品で描いておおぜい人たちに観続けてもらうなんて、とても出来なかったでしょう。
そう思うと、最終期の『男はつらいよ』で山田洋次監督が描いた諏訪家の情景は、平成期の日本家族映画でも記念すべきもので、『男はつらいよ』以降の山田洋次作品の準備となったのではないでしょうか。

そして、後藤久美子嬢の美しさ。
役柄からしていつも地味な服装で演じているのですが、その目鼻立ちの完璧な造形は、1950年代のハリウッド女優を思わせるのです。