漫画『鬼滅の刃』に見る「ヒーローの条件」
2020.02.15(liverty web)
今、飛ぶように売れているものといえば新型肺炎対策のマスク。そして漫画『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴・集英社)だ。
2016年に第1巻が刊行され、アニメ化を経て人気が拡大。去年の暮れごろから社会現象と言えるほどのブームとなり、町の書店では大量に入荷しても即完売という状況が続いている。
時は大正時代。父を亡くし、母と幼い弟妹たちのために必死で働く少年・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)。ある日、彼の家族が人食い鬼に惨殺される。唯一生き残った妹も、人の心を保ってはいるものの、鬼と化してしまった。炭治郎は鬼と戦う使命を帯びた政府非公認の組織「鬼殺隊」の剣士に志願するというストーリーだ。
鬼も元は人間だと知った炭治郎は、さらなる被害者を出さないために鬼を斬るが、倒した鬼の来世での幸福を心から祈る心優しい少年である。
鬼たちは自らを「選ばれた強者」と考え、弱者を理不尽に殺す。しかし炭治郎は、「強い者は弱い者を助け守る そして弱い者は強くなり また自分より弱い者を助け守る」という信念のもと、自らを鍛えながら、「世のため人のため」に戦い続ける。
息もつかせぬバトル漫画でありながら、「炭治郎の優しさに心打たれた」という人も少なくない。本作は意外に、子供たちの健全な道徳心を目覚めさせる効果も持っているのかもしれない。
たいていの漫画では省略されがちな、「主人公がヒーローになるまでの地道な修行期間」を丁寧に描いているのも本作の特徴だ。「普通の人間が突然強くなったりはしない」という作者の考えが背景にあるようだ。
無力な少年が師と出会い、さまざまな試練を受けながら修行を積み重ね、やがて魔を打ち破る剣士となるところに、単なる物語とは一味違うリアリティを感じる人もいるだろう。
ベストセラー『鋼鉄の法』(大川隆法著・幸福の科学出版)に、「物事は何でも、一足飛びにはいかなくて、訓練したら身についてくることが多いし、すぐに衰えて駄目になる場合もあれば、身につけたものがなくならないものもあります」と説かれているとおりだ。
悪に負けない心の奥には、愛と精進の決意が必要なようだ。(賀)
【関連書籍】
大川隆法著 幸福の科学出版
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