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中国の習近平国家主席はこのほど、約5年ぶりに欧州を歴訪し、独自外交を重視するフランスと、中国と親密な関係にあるセルビアとハンガリーを訪問しました。

 

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中国は今、欧州に外交攻勢をかけています。今年に入り、中国の首相や外相らがドイツやフランス、イタリア、スペインなどを訪れており、3~4月にかけては、オランダ、スペイン、ドイツの首相が訪中して、北京で首脳会談が行われました。

 

そうした中、ハンガリーの首都ブタペストで今月9日に行われた首脳会談では、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を推進するなどして、経済連携を強化することで一致しました。ハンガリーは2015年、欧州連合(EU)加盟国として初めて「一帯一路」構想に参加した国です。

 

ハンガリーのオルバン首相は、会談後の記者会見で、「中国は多様化する世界の柱の一つだ」とし、ハンガリーを中東欧の主導的な国家に成長させていくために、中国との関係を一層強化する考えを示しました。また「昨年のハンガリーへの投資の4分の3が中国からだ」と述べて、中国からの大型支援を通じて、自国の原子力発電所の発電能力を2030年初頭までに現在の60~70%増やすことを表明しました。

 

習氏は、2国間の関係を「新時代における全天候型の包括的戦略パートナーシップ」に格上げすると発表。「一帯一路」構想の一環として、ハンガリーのブタペストとセルビアの首都ベオグラードを結ぶ、中国資本が主導する高速鉄道計画の実現を急ぐとしました。今年2月にはギリシャも同計画への参加を表明し、鉄道の路線はギリシャの首都アテネにまで延びることになっています。