ニューサム知事が共和党州で打ち出した広告板(ビルボード)。「テキサスはあなたの体を所有していない。あなたのものだ」、「妊娠中絶が必要ですか? カリフォルニアは喜んで手助けします」などと訴える。ニューサム知事は自身のツイッターで、テキサス州のアボット州知事に宛てて、「今日からあなたの州でこの広告が始まる」とツイートした(画像はいずれも、ニューサム知事のツイッターより)。

 

《ニュース》

11月に中間選挙を控える中、アメリカでは民主党陣営が「妊娠中絶問題」に焦点を当てています。

 

11月に再選を控えるカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏(民主党)は15日、自身の選挙予算を使って複数の共和党州で広告板を掲示し、カリフォルニア州を人工妊娠中絶の"聖域"として打ち出しました。

 

《詳細》

広告板が設置されるのは、テキサス、インディアナ、ミシシッピ、オハイオ、サウスカロライナ、サウスダコタ、オクラホマの7州。いずれも共和党議員が州知事を務めています。

 

ニューサム知事は自身のツイートで、「たとえどこに住んでいようが、女性が(中絶)治療を受けられる方法を説明した広告板を、最も反中絶的な7つの州で始めた」「これらの反中絶州に住む、中絶を求めるあらゆる女性に対し、カリフォルニアはあなたが自分自身の健康に関して決断を下す権利を守ります」と語っています。

 

中絶を求める女性の"聖域"になるというニューサム知事の公約の一部として、カリフォルニア州は妊娠中絶を支援するウェブサイトも開設。同州で中絶を受ける方法について説明しています。

 

今年6月に米連邦最高裁判所が、「人工妊娠中絶を憲法上の権利」と認めた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆して以降、中絶に厳しい規制を行う州が増えており、11月に控える中間選挙の争点の一つになっています。

 

カリフォルニア州の広告板に先立ち、13日には共和党上院議員のリンジー・グラハム氏が、妊娠15週目以降の中絶を禁じる法案を提出しました。