仕事で成功するにも、プライベートを充実させるにも、不可欠なのが「人脈」だ。自分一人では難しくても、さまざまな人の協力があればできることがたくさんある。口下手でマメでもなく、人間関係を作るのが苦手な人は、どうしたらよいのだろうか。人見知りを克服してトップ営業になった達人に話を聞いた(2015年5月号記事より再掲。内容や肩書きなどは当時のもの)。

 

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本当に人を大事にする人に人脈ができます

 

作家・営業コンサルタント

和田 裕美


(わだ・ひろみ)京都府生まれ。外資系教育会社での営業時代、日本でトップ、世界142カ国中2位の成績を収めた女性営業のカリスマ。独立後は、営業・コミュニケーション・モチベーションアップのための講演、セミナーを国内外で展開。『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』(ダイヤモンド社)は、女性ビジネス本の先駆けとなった。『「私は私」で人間関係はうまくいく』(KADOKAWA /中経出版)など著書多数。

人脈をつなげるのが上手な方は、こまめに人を誘ったり連絡したりと、すごく「マメ」だと思います。でも、私はそんなに「マメ」なタイプではないんです。

 

以前は、人見知りを克服しようと思って、パーティに出るようにしていたこともありました。けれども、お互いに興味が持てない者同士が会っても、楽しくないですよね。「この人は人をいっぱい知っている」とか、「有力者だ」という情報があったとしてもです。

 

いろいろと考えた結果、無理な付き合いを増やすのはやめて、一緒にいて心地よい人との付き合いを充実させるようにしました。

 

言いかえれば、相手との関係を、「アウェー」から「ホーム」に変えていくイメージです。3回くらい会えば冗談も言い合えるようになるし、社交辞令が消えて仲良くなり、本当の人脈と呼べるものになってきます。

 

 

まずは自分から何かをしてあげよう

人間関係をつくるために一番大切だと思うのは、まず自分から何かしてあげることです。例えば、人に紹介をお願いする前に、知り合いを紹介するべきでしょう。仕事を探している人と社員を探している人、あるいは恋人を探している男女同士がいたら、マッチングすることもできます。

 

難しく考えることはありません。自分には何も提供できるものがないという人も、褒めることはできるはずです。褒めるだけで相手をハッピーにできますから。相手の素晴らしいところを探すだけで、人間関係は良くなります。

 

 

自分にはできないという思い込みは捨てよう

人間関係をつくるのが苦手、という人もあきらめることはありません。人間、「自分を変えたい」と本気になった時には変われるものです。そのカギは、素直に「変われる」と思うことでしょう。

 

人と親しくなったら傷つくんじゃないか、自分は人から好かれない、人脈をつくるなんて自分には難しい、などと思い込むのはやめましょう。

 

断られるのが怖くて人を誘えないという人は、「来なくてもいい」というくらいの軽い気持ちで声をかけるといいかもしれません。自分が断る時も、「予定がある」という程度のことが多いはずです。

 

 

自分の明るい心が相手の明るい部分を引き出す

先日、お付き合いのある経営者の方々をお呼びしてパーティを開いた時、広い人間関係をつくれる人には共通点があると強く感じました。10人ほどをお店に呼んで食事会をしたところ、予想以上に盛り上がりました。終わってみて、お声がけをした方は、みな、人の話を聞く謙虚さがあり、自分の自慢ばかりせず、他の人を立てられる人だったと気づいたのです。

 

人間関係が豊かな方は、相手を大事にしていると思います。

 

逆に人を利用しようとする人は、知り合いは多くても、仲の良い人は意外に少ないようです。名刺をくれ、○○してくれと、奪う感じがする人は、うっとうしくなってしまいます(笑)。そういう人には、みな近づきたくない。けれども、この人と一緒にいて楽しかったと思える人とはまた会いたくなります。

 

相手に会うときの心の状態も大切だと思います。こちらの心が暗いと、相手の暗い部分を引き出しやすくなります。逆に、明るい心で会うと、明るい部分を引き出せるので、結果的に良い出会いが増えていくはずです。

 

 

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2015年5月号 口下手な私のための人脈力

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