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台湾総統選直前 台湾の識者は、日本に何を期待しているか

2020年01月07日 06時22分15秒 | 日記

台湾総統選直前 台湾の識者は、日本に何を期待しているか
2020.01.06(liverty web)

 
台湾総統選の投票日が1月11日に迫っている。
 
再選を目指す民主進歩党の蔡英文(さい・えいぶん)総統と、最大野党・中国国民党の韓国瑜(かん・こくゆ)高雄市長の、事実上の一騎討ち。昨年末、台湾の大手テレビ局が調査、発表した支持率は、蔡氏45%、韓氏29%で、「蔡氏優勢」を伝えている。
 
しかし台湾には、「一国二制度」に名を借りた中国による侵略の危機が迫っている。2日には、軍幹部13人を乗せたヘリコプターが墜落し、軍ナンバー2で制服組トップの沈一鳴・参謀総長ら8人が死亡。原因は不明だが、年明けから不穏な空気が漂う。
 
香港、台湾を支配下に置くことを目指す中国が、近くにある沖縄・尖閣諸島の占領を視野に入れていることは間違いない。日本は、台湾・アメリカと共に、「自由・民主・信仰」を大切にする国家として、「神を信じない国・中国」を封じ込める必要がある。
 
本欄で紹介するのは、前回2016年の総統選後に行った、台湾の現地取材の一部。台湾の民主化と日台交流に尽力した元駐日代表のインタビューだ。
 
※2016年6月号本誌記事を再掲。内容や肩書きなどは当時のもの。
 
◆            ◆            ◆
 
インタビュー 
 
日本人には台湾との関係を大切にしてもらいたい
 
日本をはじめ各国の要人との人脈を築き上げ、世界を舞台に活躍しながら
台湾の自由と民主主義を守り続けている羅福全氏に、話を聞いた。
 
元駐日台湾代表

羅福全
(ら・ふくぜん)1935年、台湾嘉義市栄町生まれ。経済学者。台湾安保協会名誉理事長。元国際連合大学高等研究所副所長。
 
『台湾と日本のはざまを生きて』

羅福全 著
藤原書店刊
――台湾の民主化運動に目覚めたきっかけを教えてください。
羅氏(以下、羅): 台湾大学を卒業後、日本とアメリカに留学し、自由と民主主義に触れ、感動したからです。
 
 早稲田大学は当時、安保闘争の真っ最中で、学生が「反米」「反政府」を叫んでいました。また、アメリカのペンシルベニア大学では、ベンジャミン・フランクリンがサインした独立宣言を見て、「世界にはこれほど自由な国があるのか。台湾にも自由がほしい」と強く感じました。
 
――1月の選挙で大勝した民進党の蔡英文氏は、対中関係について「現状維持」を掲げました。
羅: 今回の選挙は、台湾人が民主国家の誇りを持って未来を考えた初めての選挙です。蔡氏が訴える「現状維持」は、中国が台湾を統治していない現状を維持するということです。
 世論調査では、国民の約7割が台湾として独立したいと考えています(下グラフ)。だからこそ、蔡氏の主張は台湾の国際的な地位を高める、極めて民主的なものなのです。
 

 
 中国は一党独裁で、侵略的。一方、台湾は民主的で平和的。これだけ考え方が違うのに、なぜ統一する必要があるのでしょうか。
 台湾と中国は、アメリカやインドなどと同じ「外国」。敵ではなく、互いに尊重し合う関係です。
 
 
抑止力があるから戦争を防げる
――台湾には中国の軍拡の脅威が迫っています。日米に期待することはありますか。
羅: 私は駐日代表の時にも「日台関係は日米同盟の延長線上にある」と述べていました。日米同盟はアジアの平和と安定の公共財です。今、中国が南シナ海で軍事力を拡大していることは、バランスを崩すことになります。
 以前、パネッタ米国防長官(当時)が「2020年にはアジアにおける軍事力を、海外の軍事力の50%から60%まで高める」と発表した。中国の軍拡に対し、抑止力を保つためです。
 また、主要な先進国や、ASEAN、オーストラリアなどの59カ国が日本の安保法制に賛成しているということを、日本人は知るべきです。軍事力があるから戦争する? とんでもない。抑止力があって初めて、戦争を防ぐことができるのです。
 
――国連職員として、中国の経済問題にも取り組まれました。
羅: 私は中国人を恨む気持ちは全くありません。むしろ、独裁政権に支配されている中国人は本当にかわいそうです。大部分の中国人は、国民党や共産党が勝手に書いた中国の歴史しか知りません。
 私は、将来、中国の民主化は教育の力で実現すると思います。中国が香港のように、教育制度を高度化・国際化すれば、共産主義体制や独裁体制は成り立たなくなる。これが、中国人の幸福です。
 社会がいったん民主国家の流れに入れば、絶対に後には引けません。特に台湾の若い人は民主国家の素晴らしさを知っています。今さら中国のような一党独裁の国に戻るのは不可能でしょう。
 
 
台湾と日本は奇跡的な関係
――日台関係の今後については。
羅: 2011年、安倍晋三首相が台湾に来た際、「日本は自由、民主主義、法治、人権を尊重する国であり、台湾は重要なパートナーだ」とおっしゃった。これらは、中国には一つもありません。日本、台湾、アメリカなどの民主国家との最大の違いです。
 国と国との間には、政治的な利害関係が生じるものです。しかし台湾と日本は、利害を超えた、奇跡的な思いやりの関係をつくってきました。日本人には、「自国が平和ならそれでいい」ではなく、こうした日台関係を大切にしてもらいたいです。
 

2011年9月、台北で台湾安保協会の国際シンポジウムが開かれた。この時、羅氏(左から2人目)は蔡英文・民進党主席(中央)と安倍首相を引き合わせた。(写真提供:台湾安保協会)
 
羅福全氏の歩み
1935年 日本統治下の台湾に生まれ幼年期を日本で過ごす。
1958年 台湾大学経済系卒業。
1963年 早稲田大学で経済学   修士号を取得。
1968年 米国ペンシルベニア大学で地域科学博士号を取得。
蒋介石政権下で、台湾独立運動に参加したため、30年以上故郷への帰国を許されなかった。
1973年 国連地域開発センターで働き始める。40数カ国を訪問、地域開発や経済協力に携わる。
1990年 国連大学高等学術審議官となる。
1992年 李登輝政権の時に台湾に帰国を許される。
2000年 民進党の陳水扁政権下では駐日代表(駐日大使に相当)を務める。

 
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