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イタリアで開かれていたG20の気候・エネルギー相会合の共同声明について、イタリア政府が、「2050年までに脱炭素を目指すこと」に合意する文言を盛り込まなかったことが分かりました。

 

《詳細》

23日に閉幕した主要20カ国・地域(G20)気候・エネルギー相会合では、脱炭素を推進する欧米と、温暖化ガスの排出量が多い中国、インド、ロシアとが対立し、石炭火力発電の縮小や廃止に関しての合意には至りませんでした。議長国のイタリアは、10月に行われるG20首脳会議に議論をゆだねるなどの考えを示しています。

 

発表された共同声明は、パリ協定の「産業革命前からの気温上昇を1.5℃以内に抑える」という努力目標については「努力を追及する」としたものの、「2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする」目標は合意しなかったため、明記しませんでした。石炭火力の廃止年限も設定しませんでした。

 

G20に先立ち、20日にイギリス・ロンドンを訪問したアメリカのジョン・ケリー気候変動担当大統領特使は、現地での講演で、中国が石炭火力発電所の建設や資金提供を続けていることを「国際的な気候変動に関する公約を超えている」と非難し、排出削減目標の強化を促すと表明。8月末に訪中し、対面で交渉を行うとの見通しを明らかにしています。