週4回アパートへ乗る自転車の車輪がすべるようになった。
物陰から人や自転車が飛び出てブレーキをかけると横滑りする。見ると表面のギザギザ、凸凹がまったくなくツルツルだ。
こりゃあすべるはず!
今年最後のなすべきことはタイヤ交換。
息子の当り馬券を東京競馬場で換金し自分の馬券(有馬記念)を買って自転車屋へ行く。
玉蘭坂を国立駅へ向かって下ったところに行きつけがあり、顔見知りのおやじがやっている。
言葉数のない誠実な人柄で休まず毎日自転車をいじっている。
ぼくより少し年上と思うがかいがいしく手を動かす姿にひかれている。急がずあわてずよどみなく仕事する姿にいつも好感を持っている。
仕事なんてだいたい花がない。
蝶よ花よの光を受ける仕事や身分は一時的のものでそうは続かない。
世の中の堅気の人はほとんど黙々と自分の居場所をこしらえてこつこつやっている。
その象徴としてここのおやじを感じている。
11時ちょっと前にお願いしたら1時間かかるというので近くの森林公園を1時間歩き回って来たがまだ苦戦していた。
自転車屋の背中ながむる寒さかな
である。
スパナ、ドリル、チェーン、スポーク……金属と油と空っ風。
自転車屋は寒い商売だなあ。中にストーブがあるが彼はいつも店先で風に当りながらスパナを回している。
前輪のタイヤはもう1年持ちそう。
そのとき彼が元気でいてほしい。
彼は自転車を直す人、ぼくは自転車に乗る人。
来年の暮、また元気で会いたいね。
私も 歳 取ったかな^^。
来年もまた 自転車屋のおやっさんにタイヤを取り換えてもらってくださいませ。
最後にまた 涙…