エイジングライフ研究所では、独自に開発した「二段階方式」と呼ばれる『前頭葉』機能に的を絞った脳の働き具合及び①『前頭葉』機能を含む脳全体の機能レベルに/②厳密にリンクした三段階に区分される類型的症状を指標化していて(改訂版「30項目問診票)」、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』の発病の予防を目的とする(17年間に及ぶ市町村での実践活動)の中で、極めて多数のデータを蓄積して来ました。
「脳機能と症状とのリンク・データ」が示す「AD型認知症の発病のメカ」を、このブログの中で、簡潔に要約して載せたいと思います。東日本大震災を被災した高齢者が他のどの地域の高齢者とも比較にならない程の高い割合で発症すれば、私たち「二段階方式」が主張/提示している内容である「AD型認知症は、生活習慣病である」ということの疫学的証明となり、世の中の考えを変える契機ともなると考えるのです。
人生60年と言われていた一昔前の時代と違って、世界に先駆けて超高齢社会に突入した現在の日本では、誰でも80歳90歳まで生きるのが当たり前となっています。
会社や役所勤めの人のように定年がある場合がもっとも典型的ですが、60歳前後の年齢を起点にして、『第二の人生」に入るのが通常のことでしょう。
人生60年と言われ、「第二の人生」の期間が殆どなかった昔の人達の老後とは違って、超高齢社会の先頭を直走る我が日本国の場合には、「第二の人生」が20年も30年もある訳ですから、第一の人生がどうだったかだけでなく、「第二の人生」がどうなるかが(とても重要な意味)を持ってくることになります。
第一の人生がどんなに立派でも、「第二の人生」で早々と(ボケてしまった/AD型認知症を発病した)のでは、人生を全うしたことにはならないでしょう。『AD型認知症』は、狭義の「アルツハイマー病」とは、症状が発現するメカも/症状の進行の度合いもが、全く異なるものなのです。「AD型認知症」の場合は、症状が、何年もかけて、徐々に/段階的にしか進行しないのが特徴です。
世間で、「AD型認知症」を発病してから死亡するまでの期間について言及しているものを見かけますが、あの数値は、末期段階の「重度認知症」から数えた数値なのです。私たちが問題にしている、「軽度認知症」の段階と「中等度認知症」の段階を加えると、「脳はもたないのに、はるかに長く身体はもつ」ところが、このタイプの認知症の特徴なのです。
高齢化がどんどん進んでいく中で、独居老人や老夫婦のみの世帯がしだいに増加してきている現状をふまえるとき、「第二の人生を生きる高齢者」が、「いつまでも、元気なままでいられる」、「身体が持つ限り、脳もちゃんともたせられる」、或いは、「年齢相応の社会生活が送られるレベルに脳の機能を保つ為の施策が、全ての市町村で、切実に求められているのです。
注)本著作物(このブログ A-02に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。