ここしばらくシンセの紹介ばっかりですがまだまだいきます、KORG Z1であります。
もちろんまたしても激安中古モノなのですが、そんな2~3万になってしまったかつての最新機材(当時は20万以上)を買いあさっては自分に合う機材がないか、何か刺激になる機材はないかとあれこれ物色している今日この頃なのです。
今回は自分的には珍しくKORGのシンセです。
以前同じくKORGのTRITONなんぞも使ってたことはあるのですが、音色選択がテンキーだったり、エフェクトまわりや音色の傾向が好みじゃなかったりしてなかなか馴染めないメーカーでした。
(ピアノのSG-1Dはよく使ってましたが)
まあそんなKORGの中でもこのZ1はかなりの異端児。
マルチ・オシレーター音源、略してMOSS音源というシステムで、所謂モデリング音源というやつです。
楽器の形状や音の発生する原理、仕組みをコンピューター上でシュミーレーションして鳴らそうというものです。
現在主流のPCM音源は、例えるならカメラで録画した被写体を再生するようなシステムで、それに対してモデリング音源はコンピューター上でありもしない物体を作ってしまうCG技術のようなもの。
しかしながら、最新のCG技術で作られた映画やゲームなどでかなりリアルなものも増えてきましたが、やはりどっかまだぎこちないとこってあるじゃないですか。
それとおんなじでモデリング音源もいいとこまでいってるけどまだどこかぎこちない。
そんな発展途上な音源ではありますが、その場で音が生成され鳴っている感覚やスムーズ且つ大胆な音色変化はPCMでは出せない面白さがあります。
無音の管楽器に徐々に息が吹き込まれて音が鳴りだすとこなどモデリングシンセならではの表現力があります。
そしてその表現力をコントロールする為に鍵盤左側にはホイールやXYパッド、その他アサイナブルスイッチなどがちょっと多めに装備されております。
ベンドダウンするとSAXの息が途切れていく感じや、XYパッドでFluteにトリルがかかったりギターのハーモニクスが出たりと様々ですが、そのどれもが実に滑らかに自然に変化するのは実に面白いですね。
リアル系のモデリングの他に往年のアナログシンセをモデリングしたオシレーターも売りですのでそっち系もイイ感じです。
アルペジェーターも強力なのですが自分のやってる音楽スタイルではあまり使わない部分ではあります。
モデリング音源はヤマハがVL1を出したのが最初で、その後EX5やMOTIFシリーズの拡張音源に受け継がれましたがそのどれもがモノフォニックなので、今回このZ1の12音ポリフォニックで遊んでみたかったのも選択した理由でもあります。
なんにせよこれらの機材がでた頃に比べテクノロジーは随分発展しているはずなので、またヤマハやKORGなどには最新のモデリング技術で新しい楽器を作って欲しいものです。
YAMAHA EX5も正直欲しいです。ソフトよりハード派なので。