Studioきのんち

作編曲家でOWLのキーボーディスト 木ノ下達也のブログ

YAMAHA SY99

2010-06-29 19:43:59 | 楽器、PC
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此処のところやたらと鍵盤楽器の入れ替えをしておりますが、最新の機材を定価で買えるほど裕福ではないのでもっぱらヤフオクなどでの中古オンリーです。
昔から気になっていたシンセなどが手頃な(小遣い程度の)価格で出てると取りあえず買って使ってみます。
で気に入らなければまた売ってしまうのですが、その差額が精々1~2万になるように予め買い取り相場なども調べてから手を出すわけです。
それくらいなら1~2ヶ月リースしてお試しさせてもらった様なもんだし。
先日も5万で落札したものを4万で手放したところです。


やっぱり楽器ですからこればっかりは使ってみないと分からないとこがあるのでしょうがない。
(現行機種なら店頭でさわれますが廃盤になった機種はなかなかさわれないので)
この点ソフトシンセなどはお試し版があったりするので試用してから購入できて良いですよね。


そんなこんなで未だに根強いファンも多い「YAMAHA SY99」行ってみました。
1991年のデビューで、PCM音源とFM音源を持ち合わせたSY77を改良し、隅々までグレードアップした完全プロ仕様のシンセです。
発売当時の定価が42万円
それが某リサイクルショップで4.2万円(純正HC付)…1/10かぁ


まあ、あの頃のPowerMac G4がもはや1,000円も値が付くかどうかだもんなあ
デジタル機器の宿命でしょうか。


しかしながらこのSY99、YAMAHAのFMシンセ最高傑作とも言われるだけあってよく出来てます。
もちろんMOTIFなどと比べれば波形の容量も段違いに少ないので生楽器のシュミレーションなどではリアルさに欠けますが、やはりこの機種の魅力はFM音源の表現力に尽きます。
明らかにシンセっぽい人工の音なのにプレイヤーがちゃんと楽器として演奏できる
演奏者のダイナミクスを再現する音源とそれを伝える良質な鍵盤
YAMAHAはこういった「表現する」という部分を常に大事にしてくれるのでやはり老舗の楽器メーカーだけのことはあるなあと思います。


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音色などの評判が高いのは当然知っていましたが、じっくり触ってみると他にもいろいろすばらしいところが見えてきました。
「マスターキーボード機能」ですが4つのゾーンそれぞれ独立してベロシティカーブ、アフタータッチカーブなどの設定が出来ること、そしてその設定したベロシティカーブがちゃんとMIDI出力にも有効であることです。
これとは別にユーティリティ内にもベロシティカーブの設定項目があるのですが、それは内蔵音源に対してしか効かずMIDI出力はされません。なのでやはりMIDI出力のベロシティカーブは変えられないのかと諦めかけていたところでした。
代々YAMAHAのベロシティ出力は押さえ気味で最大110位しか出ないので他のメーカーの音源などはなかなか鳴らしきれなかったのですがマスターモードでベロシティをソフトに設定してやればガッツリベロシティを吐いてくれます。


YAMAHAの音源モジュールとRolandの音源モジュールをスレーブにして鍵盤上でスプリットしたとしても、そのスプリットゾーンごとに違うベロシティカーブで送信できるわけです。
これは気が利いてるぞ、ナイスYAMAHA!



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20年選手ですからやはり液晶のバックライトはもはや限界に近く、お決まりなフロッピードライブのベルト切れの状態であります。
しかし全体的にはかなりの美品でスイッチやダイアルの劣化は全く無く、ライブなどに持ち出したであろうスリ傷等はほとんど見られません。
大切に使われて来たのがよくわかります。


マスター鍵盤としてもかなり魅力が出て来たし、こいつは噛めば噛む程いい味を出してくれそうな予感がします。


Ray-Ban FOLDING WAYFARER

2010-06-24 18:37:05 | サングラス
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あちゃ、また衝動買い…珍しかったので、つい
レイバンのFOLDING WAYFARER
トランスフォームするんです。

とらんすふおーむ!


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フレームがフランス製なので調べてみると結構前の製品のようですね。
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でもやっぱり50mmサイズのはオレにはデカイなあ。
タモリさんみたいになっちゃう。
ちょうどいいサイズの47mmのRB2140とくらべると一回り大きい


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MOBILE CUBE

2010-06-16 19:15:02 | 楽器、PC
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以前よりライブ時にステレオでモニターできる環境を模索していたのですが、パワードのスピーカーでも二台用意するとなると運搬やセッティングが面倒くさそうでなかなか決めあぐねておりました。
そんな折にふとネット上でみつけたのがRolandの「MOBILE CUBE


ほとんどネット上の口コミだけで決めて購入してみたのですが、これは噂どおりなかなかの優れものです。
仕様上は2.5W+2.5Wというラジカセかよ!って感じの出力ですが、実際の聴感上はもっと大きいです。
それに加え、本体の大きさが13インチMacBookの液晶画面と同じくらいなのでどこにでも置けますしマイクスタンドにも取り付けられますから頭のすぐ近くでモニター出来るのでこの出力でも十分モニター出来るわけですね。


まあステレオで鳴ってると言ってもこの横幅ですからナンですが、ステレオサンプリングされた音色をモノラルでモニターするよりは遥かにマシです。
そもそも広がりや立体感が欲しいのではなく、音色同士のバランスをうまく取りたいのが目的ですから。
ステレオのピアノ音色などをモノラルでモニターすると位相の関係などで音が引っ込んでしまい、他のモノラルサンプリングされたエレピ等とのバランスが全然取れないわけです。
こんな横幅でもLRが別のスピーカーから出力されるだけで随分違います。


それに値段が値段なだけに、何ならもう一台買ってステレオで使っても良いかもしれません。
これ一台で生ドラムとの演奏に使えるのですから二台あればロック系のバンドでもけっこうイケそうな気がします。



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OWLのリハでMOTIFの上に置いてますが快適です


こいつを購入した後にすぐRolandからもう少し出力の大きなKCー110というのも出ました。
MOBILE CUBEの様に小物プラケの中には収まらないでしょうけどこれも良さそうですね。




音楽を作る責任

2010-06-12 01:48:17 | OWL
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先日、OWLのメールにうれしいご報告がありました。
海ほたるでのライブをご覧になりCDも購入頂いた方から、その時ご一緒されてた彼女さんと今月ご結婚なさるとのこと。そして結婚式でOWLの楽曲を何曲か使わせて頂きたいので承諾を、というメッセージでした。
もちろん快く承諾させて頂きお祝いの言葉とともに返信させて頂きました。


このメッセージを頂いた時に思ったのですが、もうこのお二方の人生の一部には確実にOWLの楽曲が刻み込まれるわけですよね。
結婚式のことを思い出す度に、OWLの曲を聴く度にそのときのシーンが思い出されるかもしれません。


そう考えると、これは責任重大なことだなあと。


音楽を発信してる以上(プロ、アマまたは技術のレベルにかかわらず)いつ誰かの人生の一部に影響を与えるか分からないとすれば、これはいい加減なことはできないぞ、と身が引き締まる思いがしました。


自分の中でマンネリ化してくると、所詮自己満足かもしれないなあとも思うときがあるのですが、こうして確実に誰かの人生のワンシーンに何かを残せるのだと知ると心からうれしいく思いますし音楽家冥利に尽きます。
と同時にライブでもレコーディングでもちゃんと音符ひとつひとつに神経を使ってやらないといけないし、そうでなければ本気で聴いてくれてる側に失礼なことになりますよね。
だってその音が聴いてくれた方の記憶に一生残るかもしれないんですから。


極論を言えば「OWLさんのライブを見て死ぬの止めました」なんてこともあるかもしれなでしょ(笑)
そうなると人生のワンシーンどころか人生大どんでん返しなわけで!


ちょっと失礼な話になってしまいましたが(笑)音楽を作って人様に聴いてもらいたい、その人の記憶に留めてもらいたいというならば作り手は常に責任を持ってやらねばならないと思ったのであります。


そしてあらためてお二方には心からのお祝いと感謝の意を表させて頂きます。




ES8、出動

2010-06-09 01:34:03 | 楽器、PC
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OWLのリハーサルにて初出動のMOTIF ES8。
まだケースが届いてないのでハダカでご出勤なされたのですが、リアパネルが斜めに切れてるので持ちにくいことこの上なし(笑)
でも重さはデジピのPシリーズに比べたら屁でもないわ、こんなもん。
思ったよりイケそう。


生のドラムと合わせてどうかなと思ってたところ、予想どおりMO8よりもヌケがよく音が立つ
(同じ波形、音色でも印象が違う)
レイヤーして重ねた音色も発音数に余裕があるので弾きまくれる!(弾きすぎ)
パネル面が広いのでいろいろ物が置ける!(モニターのモバイルキューブを置いてみた)
一台だけでも絵になる
等々、いい感じ。


いろんなとこで鍵盤と音のマッチングがイイと聞いてたけど、ほんとにこれはイイわ。
YAMAHAのキーボードは数々使ってきたけど間違いなくこれは銘機でしょう。
ガンガン使いまっす。


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MOTIF ES8

2010-06-07 19:30:31 | 楽器、PC
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時の経つのは早いもので、MOTIF ESシリーズが発売されたのが2003年だそうですが、おかげで中古市場でもかなり値が下がって参りまして…いってしまいました、YAMAHA MOTIF ES8


MOTIF ES のラック版や廉価版のMO8を使って来てはいるので音にはすっかり馴染みがあるのですが、やはりこの図体にシビレます!
音色的には同じMO8はライブに持ち出すのには最適な大きさと重量なのですが、ちょいとルックスがねぇ…。
演奏者側から見てれば両機とも大差無いのですが、MO8はなんといっても客席側のリアパネルがいただけない。
ES8が持つフラッグシップ機としての風格っつうのかな、やはりそれには敵わないんだなぁ。


まあ、この中古のES8も美品といえるものではなく、我が家にやって来た時はけっこう傷んでたのですが(多分一度ぶっ倒してるね)、サイドパネルの欠けた部分の色を塗り直したり、鍵盤やスイッチのくすみをクレンザーで研いたり、反応の鈍いスイッチは接点復活液で浄化したりと3日くらい手間ひま欠けてやりました。



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しかし、フラッグシップ機であるだけに本体重量もフラッグシップ。
これから幾度となくこいつを持ち運ぶわけですからそれなりの覚悟が必要です。
ここ何年かライブで使ってたメイン機材を振り返ってみると、


P150 (33.7kg) → KX88 (28.5kg) → MO8 (21kg) → MOTIF ES8 (28.3kg)


と、まあP150よりは5kg以上も軽く、ほぼKX88と同じくらいなので何とかなるかとは思いますが、なんせボディの形状がやたら持ちにくい!
滑止め付き手袋が必須です。


ところでMOTIFシリーズとMOシリーズで音の違いはあるのかないのか、と某掲示板などでも話題になったことがありますが、並べて弾いてみるとはっきり言って違いがあります。
デジタル部分である音色に関してはおなじ波形を使って同じプログラムですから全く同じなのですが、アナログ部分のパーツの違いで音質には違いが見られます。
そりゃ使ってるパーツが全部いっしょなわけはないので違ってあたりまえですが、どっちが良くてどっちが悪いという感じでもなく、あくまで好みの問題になるかと思います。
ES8の方が若干ヌケがよいのですが場合によっては細く感じるかもしれませんし、MOの方は中低域があって幾分マイルドな感じがします。
どっちにしろオケに混ざってミックスの為にEQ処理などされれば全く一緒かと思いますが、ライブなどではそのまま生音と絡むので違いが出るかもしれません。




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次回のライブ用に音色を仕込んでいますが、MOの時はレイヤーした音色などでは音が途切れることがあったので同時発音数がMOの倍の128音なのが地味に助かります。