Studioきのんち

作編曲家でOWLのキーボーディスト 木ノ下達也のブログ

【Kronos】RH3鍵盤 メンテナンス【分解】

2020-09-08 03:55:00 | 楽器、PC




ひょんな事から我が家にやって来た初代KRONOS88ですが、鍵盤の一部で異音や戻りの悪さが目立ちます
2011年の製品と10年選手ですからメンテナンスが必要ですね

分解は完全に裏返しにしないといけませんが、開腹は割と楽な部類でしょう
鍵盤ユニット全てウラ蓋に固定されてるのでウラ蓋のネジを全て取り去った段階でユニットは完全に外れています
(ネジ大が鍵盤ユニット、ネジ小がフレーム)
後は鍵盤手前のフレームを外して配線コネクターを抜けばあっさり取り出せてしまいます

RH3鍵盤の分解は初めてですが、構造的にはヤマハのBH鍵盤などと同じで、鍵盤を手前に引いて外すタイプですね



画像1

画像2

ツメでロックされているので(画像1)それを外す為にカードやモノサシなど薄い板状の物を鍵盤の隙間(左側)に差し込んで画像2の部分を上から押してやります
押したまま鍵盤を手前に引けば外れます
(黒鍵にはロックはありません)



画像3

画像4

鍵盤の中身はハンマーと板バネ(画像3) 
板バネは上に向かって反るので元に戻す時はそれを意識してると組みやすいかと思います

各支点のゴミや汚れを取り除きグリスを塗布し直してやれば大概のアクションは治りますが、カチカチする異音がしてたら多分ココ(画像5)


画像5

鍵盤を押さえると上下に可動するハンマーの先端部分ですが、その金属部分が格子状のフレームに触れたり干渉してカチカチしたノイズが生じるようです

ハンマー自体は鉛?製で柔らかいので、フレームに干渉しないように少し手で曲げてやる事で異音を消すことが出来ます




組み上げる時にひとつ注意点を

鍵盤を固定してるネジを本じめする前に正面(鍵盤を上に)に戻して鍵盤ユニットの位置を微調整しましょう
若干遊びがあるので鍵盤ユニットが前後するのですが、手前過ぎると鍵盤手前フレームに干渉して鍵盤のアクションが引っかかってしまいます
ちゃんと可動するのを確認してから本じめした方が良いでしょう



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2 コメント

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P200noオーヴァーホール (m_sa_wa)
2021-10-28 05:30:16
木ノ下達也さん

はじめましてこんにちは!

ヤマハ P200オーヴァーホールの記事
を拝見しまして、当方の所持するP200を2台、オーヴァーホールで面倒みていただけないかと思いましてメッセージしました。もちろんお仕事としてになります。

特に1台は打鍵後に鍵がなかなか戻ってこない鍵が何個かあるので、木ノ下達也さんがなおせる症状だと思うのです。特に酷使していないので電気系統など打鍵以外には特に不具合はありません。

もし可能でしたらメールでお知らせいただけないでしょうか。当方は東京都練馬区在住です。ちなみに急ぎではないのでこの半年のどこかで2台一度にだといいなぁという感じですね。

gjazzers■yahoo.co.jp
(■を@に)
返信する
Unknown (モトヒロ)
2023-06-11 02:43:47
これはすごい記事ですね!
何げなく鍵盤を分解して補修する記事はシンセ歴は長いですが初めて読みました。。
これを早く知っていればM1をずっと大事に持っていたのに…と悔やみます。
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