Studioきのんち

作編曲家でOWLのキーボーディスト 木ノ下達也のブログ

【 KORG】NAUTILUSレビュー【操作編】

2022-06-15 00:06:00 | 楽器、PC

愛用している初代KRONOSも10年以上前の製品となりましたが、現行の KORGフラッグシップ機であるNAUTILUSも随分と値下げされ、もはや底値であろうという判断をきっかけに導入してみた次第です

このNAUTILUS、第一印象はとにかくボタン少なっ!です(笑
KRONOSの後継機でありながらもスライダーやテンキーの各種ボタン類、リボンコントローラーやアフタータッチという物理的装備を大幅に削減した上に、システムや音源はKRONOSとほぼ変わらないという事もありKRONOSユーザーからの買い換えは敬遠されがちで若干不人気機種となってしまいました
特に内蔵シーケンサーや音色エディットをガシガシ扱うユーザーに取ってはその見た目から操作性に不安しか感じられないでしょう



しかし、実際現物を触ってみると懸念される操作性はソフトウェア上でかなりフォローされたシステムになってるのですが、その辺りをKORGさんがあまりアピールされてないのでここでいくつか取り上げてみようかと思います

先ずテンキー、数値入力に関しては、数値入力欄を二度押し(ダブルタップ)する事でテンキーとバリュースライダーが現れます


またNAUTILUSにはバンク選択スイッチすら無く、バンクナンバーと音色ナンバーによる音色呼び出しが出来なさそうに見えますが、音色名をタップして現れるカテゴリー選択画面内にバンクセレクトタブがありそれをタップするとバンクスイッチとテンキーが同一画面に現れます


その他コンビネーションの各パートon/offや音量調節なども含め、これまで物理スイッチやスライダーでやっていた事をソフトウェア上の操作に集約させたという事でこの様なシンプルなパネル構成になった物と思われます

また必要であればnanoControlやパソコン用のキーボードも繋げて操作も出来るので、お好みの操作環境も構築出来る様ですね


そして特筆すべきはこのQuick Accessでしょう

その名の通り各ページや機能を任意に割り当てられるスイッチですが、これに慣れると逆にKRONOSに戻れなくなります(笑

6個の各ボタンに予め機能を割り当てられたプリセットが4パターン、ユーザーが任意に割り当てられる4パターンの計8パターンを設定出来ます

「6個じゃ全然足りない」と思うかも知れませんが、プリセットやユーザー設定された機能とは別に各モードやエディット画面上でmodeボタン+A〜Fボタンとかpageボタン+A〜Fボタンshiftボタン+A〜Fボタンなどで様々な画面やアクションが割り振られています

この機能によりどんな場面からでも音色のメイン画面に一発で戻れたり、瞬時にカテゴリー一覧を開いたりエフェクト画面に飛んだりする事が出来て非常に便利です
逆にKRONOSでは画面上のタブやメニュー操作でしか出来なかった事が物理的スイッチで出来る様になったと言ってもいいでしょう


各種ツマミははラバー製でもなくスリットが入ってるわけでもなくツルツルなツマミなのでちょっと回し辛い面があります
押し込んで収納出来る機能はパネル上に譜面を広げたりする時に邪魔にならず良いですね

KRONOSの時は譜面を置くだけでベクターコントロールつまみが動いてしまい音色が変なことになったりしてましたね


リボンコントローラーとベンダーを彩るLEDが無くなったのはちょっと寂しいですね
その代わり何故かリアパネルのこんな所が光ったりしますが(onoff可能)何の意味があるのか不明です(笑



また、本体はKRONOSより若干スリム、軽量になっており小脇に抱えやすくなりました

ざっとNAUTILUSの操作面に関してレビューしましたが、予想していたより操作性は良く考えられており悪くはないように思いました
パネル面をシンプルにし、ダイナミクスノブやトランスポートボタンを配置したのもよりプレイヤーズシンセとしての面を強調してる様にも思えます

何にしてもパッと見で「操作性悪そう」という印象を与えてしまうのは否めないのでKORGさんはそこの所もちょっと上手くアピールすればもう少し売れたのでは無いかなと思いますが

次回は新規音色についてレビューしたいと思います