月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

快適きのこライフ~笹やぶ~

2010-07-15 19:32:51 | キノコ
キノコの発生は全体的にあまりよくはなかった。というより、生えてることは生えてるんだけれど状態がよくなかった、と言った方が正確かもしれない。

そんな中で真夏の到来を告げるキノコ・シロオニタケの幼菌「白ダルマ」を発見。とりあえず撮っておく。これを見なきゃ日本の夏は始まらない、なんて言ってんのは私だけかもしれないけど。

蚊だらけの竹林を突破すると、こんどは道の両側から覆いかぶさるように葉をもたげる笹に難渋した。今すぐカメラを草刈り機に持ちかえて、問答無用に刈り倒してしまいたい……と思うぐらいうっとうしかったが、これも現実か。ズボンと靴をずぶ濡れにしながら道をすすんだ。

この公園も5年ほど前に前に比べると、ずいぶん荒れてきたように思う。林床にササが生い茂り、かつては菌根菌のシロであったところが完全に制圧されている、という場所が数え切れないほどあった。
広大な公園になればなるほど、遊具や芝生などのある広場の整備が優先され、山をぬうように延びる遊歩道の整備はおろそかになる。ましてや公園の管理人や出入りの業者は遊歩道の脇にはえるキノコのことなど思いも及ばない。人が歩けるだけのスペースが確保できればいいや、と道の所だけ草を刈って、そのまま、ということになる。
まあ文句を言うのは簡単だけど、こういう環境を維持するのって、すごい労力いるんよね。私も行きつけの公園をつくって、ボランティアで整備を手伝って、整備した場所に生えてきたキノコをベストアングルで捉えられたら、なんてことを頭の中で思い描いたりはするんだけれど、いまだ実現には至らず。

こういう公園の光景を見るたびに考えこんでしまう。


さてさて、このイグチはモエギアミアシイグチ。珍しいキノコだと思って先日も無理にカメラにおさめたのに、今日はさらに2ヶ所で発見。今年は当たり年なのかしらん。それにしても、緑を帯びた柄に灰黒色の傘というすごい容姿。いちばん綺麗に見える幼菌でこれなんだから、コイツを綺麗に撮るというのは卵を逆さに立てるのと同じくらい難しい。


こんなのも見つけた。珍しい白いイグチ。一本しかなかったのであまり調べなかったが、何ともつかない姿をしている。ただのアルビノ(白色個体)ってことはないよな。

わからないキノコにこの日もたくさん出会い、そして通り過ぎた。