トホホおやぢのブログ.....

アンチエイジング、自転車、ダイエット、スイム、ラン等々、徒然なるままを・・・

「クロモリは蘇る.....#03

2020-06-08 16:54:00 | スチールバイク
 2002年6月ジャイカ青年海外協力隊を目指したとある青年、アレルギー体質が理由で最終選考に漏れ、一転無職になった若者がいた。この青年、海外の夢を捨てきれず右も左もわからぬまま、自転車が好きだったという理由だけで、単身イタリアに飛び、とりえずミラノ郊外のカザーティの工房に乗り込んだ。それからペゴレッティやペゼンティが仕掛けたサン・パトリニャーノで、腕を磨き2004年からはズッロで修行。
 しばらくすると溶接・設計から塗装までこなすマルチクリエーターになっていた。あまり知られていないが、ズッロは当時プロッターを使った塗装に関してイタリアの第一人者で、そこで最新の多くの事を学んだ。
 2011年からは、チタンフレームで知られるパッソーニでデザインを担当し、2012年モデルはそのほとんどが彼の設計だ。
 その元青年の名前は、安田マサテル、現在は工房・アトリエキノピオの主だ。 
 こんな凄い経歴をもった自転車職人がいるのは、実はあまり知られていない。ベネト弁のイタリア語をしゃべるズッロフレームの代理店で、木の自転車を売っている変な人くらいにしか思われていないかもしれない。

 実際には、何をやらしても相当高いレベルでこなす職人だ。だからカザーティ連中も彼の腕前を良く知っていて、「イタリアに修理のフレームを送るよりも 日本でマサテルに直してもらった方が早いよ!」なんてことを言い、実際にカザーティのオフィシャルサービスセンターみたいな存在になっている。溶接腕ももちろん秀逸だけれど、今回は塗装だけをお願いし、快く引き受けてくれた。



 こんな経歴の持ち主であるけれど、日本の職人に良くある職人気質といわれるような気難しさは微塵も感じさせないのが、まさにイタリア仕込みの職人らしい。せっかくのお金をかけて復元なんだから、デフォルトのままではつまらないのじゃないとマサテル提案があったので、このカラミータの持ち主のニックネームをイタリア語で、デザインしてもらった。


 それを意味するデザインも....

現在は、PCでこんな風にデザインされて、マスキングの材料やロゴがつくられるのだ
このデザインをこのプロッターというマシンで出力する



実は、塗装の前にはこんな細かい作業が存在するのだ。
そして、いわゆる下塗り・・・
ありがたいことに、下塗りの際に傷つきの部分はパテで埋めて補修してしまう。だから出来上がりは新品同様に・・・・




このように時間をかけて、下地を仕上げていきます。
みえないところに時間と手間がかかっているワケですね。

3層目で、ベースカラーのブラックを塗りますが、塗装がつくとまずいところはマスキングします。





全体を研磨して最後の凹凸修正。BKマット仕上げの場合ロゴ入れをこの段階でします。ロゴ入れを終えると最終マットクリアになります。
*マットブラック というペイントはプロ用のペンキにはありません。BKベースにクリアを施しそのままクリアでフィニッシュするとグロス(ツヤあり)最終層にマットクリアを吹くとマット(つや消し)仕上げになります。









さてさて、結果は如何に!?
作品のお披露目は次回のお楽しみ・・・・



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