トホホおやぢのブログ.....

アンチエイジング、自転車、ダイエット、スイム、ラン等々、徒然なるままを・・・

<スチールバイクはなんで乗り心地がいいのか? その4>

2017-02-10 14:33:00 | Italia & Bike
 特に長距離を走るときに、快適さを望むアベレージサイクリストにとって、自分に脚力にマッチした【ウィップ】は重要だ。実際、“ブルべ”(40時間以内に600km!)というアホな距離(失礼)を走るブルべ族の中で、いわゆるクロモリ教信者が多いのも事実だ。これは、脚力とフレームの【ウィップ】のバランスが優れた材料であることの証明かもしれない。疲れにくいというのは重要な要素で、バイクの後に42.195kmのランニングをするIronmanトライアスリートにとっても重要ポイントだと思う。しかし、スイムアップした海水でビチャビチャの体で、美しいホリゾンタルスチールフレームでガシガシ乗るのは、強姦にも等しい行為と個人的には思っている・・・だから、そんな場合は、自分に合ったカーボンを駆る。

 前にも書いたようにCFRP材料は、軽くてバイクの使用目的に合わせたコンセプトで設計することが可能だ。ただ、CFRPのほとんどの製品は、ロードレースに基準をおいて設計されている。残念ながらUCIの規定があって、素材の特性を生かした自由な設計は、ルールが有って多少制限されている。(シートチューブの無いデザインは基本的にNG)UCI規定の制限を受けない、Ironman用のフレームには、素材特性を生かした個性的なCFRPフレームが近年は増えてきた。
 【ウイップ】は、バネ的パワーだ。それを必要な速度域や状況に応じてアシストするようなフレーム設計を念頭に、各自転車メーカーは研究開発をおこなっているはずである。ドラフティング禁止のIronman向き高速巡行用CFRPフレームとか、ゴールスプリントでもがいている時に、あるいは集団から逃げる、或は逃げたライバルをチェックする時、トップ選手達が求める高速域での瞬発力等、CFRPは用途に応じたフレームをより具体化できる材料なのだ。 トップ選手の求めるそれらは、一般的なアベレージサイクリストのスピードとはかけ離れている。しかし、トップ選手といえども、実際のレース用のフレームは現在市販されているフレームと同じことがUCIで定められているので、誰にでも、この素晴らしいフレームが誰にでも手に入ることができる。しかし、ロードレース用のフレームを例にとれば、おやぢ的にはその性能を感じられるのは、上り坂でダンシングして頑張った時のわずか数分。でも、その“ツカミの良さ”は実感できる・・・

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 そんなバイクの典型、Casati53x11ネーミングからしても攻撃的だが、この歯数でもがくなんて・・・・まさに口から心臓が飛び出すかもしれない・・・・・経年劣化したオイラのエンジン・・・・さらにエンジンマウントもイカレているので、長距離を走ると腰痛がひどくなったり、体のアチコチがきしむ・・・・いわば、F1シャシーに、くたびれた原チャリエンジンを搭載したようなものだ。シャシーを生かすような走りをすれば、このポンコツエンジンはあっという間にお陀仏だ・・・CFRPはアルミに比べれば、振動吸収性が優れているので、チットはマシなんだが・・・・20歳前後に若返りできれば、柔軟性を残したエンジンマウント(筋肉)が振動吸収して耐えることができる・・・・・と思う(苦笑)
 このポンコツエンジンに相応しいCFRPフレームが出来ないのか?答えは《YES!》可能である!CFRPフレームのパイオニア達が言っていたように、それが出来るのがCFRP、俗にいうカーボンフレームバイクの素晴らしいところなのだが、しかし・・・・・
つづく・・・・・


PS ちなみに、こんなポイントが高いバイクは、滅多にない、テスターは皆エンジンがいいからね。オイラのようなポンコツエンジンとはチョット違う・・・・



<スチールバイクはなんで乗り心地がいいのか?>その3

2017-02-10 12:19:00 | Italia & Bike
その3
CFRPは空力抵抗を減らすための自由な設計が可能なのだ ・・・と前回書いたけれど、CFRPのバイクのあるべき形として、このバイクを忘れてはいけないと思う・・・・(正面からみると、すごいんです)



確か1997年から、6回ironman世界選手権(コナ)で優勝しているNatacha Badmanのマシンだ。これを設計・製造したRudi Kurth,ドイツ系スイス人だ。元々彼はメカニックでありエンジニアでもあった。彼の知識は、なんと車体のみならずエンジン設計迄及んだ。彼の設計したヤマハTZ350のエンジンは、 片山敬済 選手によって1977年に世界チャンピョンになっている。彼の設計したサイドカ―レースのFRPボディは、世界チャンピョンになるためには欠かせざるものだった。ヨーロッパで、本格的にモノコックのバイクをリリースしたのは、彼が最初のはずだ。彼も、素材の特性を生かすには、当時は主流だった継手(ラグ)でつなぎ合わせるのでなく、モノコックの方が合理的だと語っていた。その理由は、”たわみ”の事を言っていたことを思い出す。残念ながら、KestrelKM40もCat CheetahもUCIの規定の関係から、ロードレースの世界に出現することは無かった。タラレバだけれど、長い距離のTTならば、かなりの成果を出していたに違いない。
“たわみ”が元の形に戻る力を推進力に向けることができると、乗り手はそのぶんエネルギー消費を抑えることができる。この二つのCFRPバイクのフロンティア達は、同じことを言っていた。日本人でも、同じことをチャキチャキの江戸弁で言う人がいる。

佐野末四郎さんの設計製造するSANOマジックのマホガニー製バイクだ。幸い何度か試乗する機会があって、このバイクにのるとシートチューブの無いKestrel500sciの乗り味を思い出す。材料の特性をまさに究極なまでに生かすという作り手の思いは、共通するものがある。
“たわみ”が戻る力を推進力に向けることができると、乗り手はそのぶんエネルギー消費を抑えることができる。その“たわみ”を【ウィップ】と言うのが一般的だ。自分のペダリングと【ウィップ】がシンクロしたと感じたときに・・・
「あれ?追い風?」
「あれ?いつもと違う・・・・なんか補助エンジンついてる?」
「俺って、才能あるかも・・・」
「なんか、このままどこまでも走れそうな感じ・・・止まりたくない」
「なんか、ランナーズハイみたい・・・」
こんな感覚になると思う。経験はないだろうか?それとも、忘れてしまっただろうか? 但し、堅いアルミや堅いだけのCFRPバイクしか乗った経験がないと解りにくい現象かもしれない。
 “たわみ”についてもう少し詳しく書くと、専門用語では“弾性変形”と“塑性変形”てのがあって、“たわん”で元に戻るのが“弾性変形”この特性は、スチール(鉄)や炭素繊維が元々持っている性質だ。
簡単に言うと、バネが元に戻るのが弾性変形で、バネが破断してような変形が塑性変形。実は、ピュアなアルミは弾性変形しない。“たわん”だままま、元に戻らない。アルミは塑性変形という性質だ。これでは、使い物にならないので合金化して弾性力を持たせている。しかし、経年劣化すると弾性力が無くなったりする。(よくフレームが“へたる”等と言う。薄いアルミ系材料はその傾向顕著だ)最悪な場合は、クラックが入って破断する。結果として耐久性のあるアルミ系フレーム材料は、意外と重量が有るし、【ウィップ】を感じるには、凄い脚力が必要だったりして、かつ振動吸収性が無いため、オイラみたいな”おやぢ”の体は、アチコチが痛くなる。若ければ、肉体自身に衝撃吸収力があるのだが・・・・
あ、マウンテンバイクとくにDHには、アルミ系材料はとても良い材料だよ・・・

つづく・・・・