トホホおやぢのブログ.....

アンチエイジング、自転車、ダイエット、スイム、ラン等々、徒然なるままを・・・

自転車とビーノ(酒)

2013-09-08 22:34:00 | Italia & Bike
ボクが、関わっているイタリアンブランドは、
北イタリア・ロンバルディア州のCasati
中部イタリア・トスカーナ州のTommasini

同じイタリアでも、その景色は北海道と沖縄と比較するくらいに違う。
自転車とビーノ(酒)なんていると、厳格な人達に叱られそうだけれど、
別に、酒を飲んで自転車に乗ろうなんてことを推奨するわけではなく、
たまたま、其々の自転車の生まれ故郷に素晴らしいビーノ(酒)が有った、
ということを知ってもらいたいだけの話だ。

Casatiが構えるMonzaの街は、フェラーリの本社があったり、有名なF1サーキットがあったりそんな断片的な情報しか知られていないが、実はスイスとの国境エリアでコモ湖やガルダ湖に代表されるような湖水地方だ。別の話だが、遠く離れたイタリアの湖水地方の郷愁にかられながら、日光の中禅寺湖湖畔に 戦前に別荘を立てたイタリア大使館の人達(現在は公開されて公園になり、その別荘の建物の中にも入れる)の気持ちは、両方の景色を味わってみると、涙が出るほど良くわかる。
だから、温暖なイメージというよりは、季節感に満ちたエリアで、まもなくジロデロンバルディアが開催されるが、落ち葉のナントカとかと言われる所以でもある。


フランチャコルタ、この名前で垂涎の感覚が湧きあがる人は、相当なイタリア好きかもしれない。ロンバルディア州だけで生産されるこのスパーリングワインは、フランスのシャンパーニュ地方のシャンパン(くどい様だけれど、発泡ワインをシャンパンと総称するのは良くない。純米吟醸酒を合成酒と言っているようなもので、区別したいところだ)よりも、さらに厳格な基準で生産されている。イタリア人がフランス人よりも厳格な基準で生産しているというと、眉唾ものと思う人がいるかもしれないが、少なくとも、シャンパンという名前で外れたことは有ったけれど、フランチャコルタでその品質に外れたことは無いと断言できる。しかも、高級なシャンパンよりも微妙にリーズナブルな価格だ。
ビーノビアンコ(白ワイン)がベースになるので、様々な料理に合う。
僕は、数多くの日本国内のイタメシ屋の基準で、この酒の有無を一つの基準にしている。この酒を置く店は、僕の中ではレストランテ、プロセッコ(ヴェネト州の大衆的な発泡酒)を置くところは、トラットリアといった基準だ。


Tommasini
 魅力的なラグフレームで有名な、トマジーニ。この街グロセットは相当古い町らしいが、詳しい事は調べていない。でも、日本人が大好きなトスカーナ州にある。フィレンツエ、シエナ、ピサなどは、実はグロセットから、自転車で行ける距離でもある。北イタリア湖水地方の景色とは全くことなり、丘陵地帯に一面のひまわり畑があったり、オリーブ畑、ブドウ畑があったり、アグリツーリズモ(農業体験型ツアー)の中心エリアだ。
 その昔、「ひまわり」という映画があった。マルチェロ・マストロヤンニとソフィアローレンの映画だった。たまたま、中学時代に興味津々の思い出見たエマニエル夫人との二本立て見た映画だったけれど、こちらの方が印象に残っている(笑))あの映画の中では、ロシアのひまわり畑を映像化していたが、じつはトスカーナはひまわり畑がとても多くて、それとダブらせているんだよとイタリア人から、大人になってから聞いて、実際にその景色を見てから、その映画の演出の意図が見えた。愛する人が死んだ場所は、故郷の景色に似ている場所かもしれないと思い、ひたすら死んだかもしれない彼の痕跡を探し回るソフィアローレンの演技に心を打たれた記憶を思い出す。

 ミラノのジュゼッペ・ペラ(彼の故郷もトスカーナ)で修業したイリオ・トマジーニは故郷のグロセットでビルダーとしてスタートしたが、走るには最高の場所でも、商売するには最高とは言えない場所のような気がする。でも、いまや、このブランドは世界的に、クロモリ好きには知られていて、この地でのハンドメイドに拘っているだけに相当な貴重品である。彼の得意とするハンドメイドのスチールバイクの需要には、限界があるのを知ってか知らずか?台湾や東欧に投資して、ビジネス発展にチャレンジせずに、500本を超えるオリーブの木に このファミリーは投資してきたようだ。しかもそのなかには、200年から300年を超えたオリーブの古木が多くあるらしい。彼らのオリーブ畑で産する青い実から絞ったオリーブオイルは、比較しがたい濃厚で素晴らしい趣に富んでいる。

 ブルネロ・デ・モンタルチ―ノ、ブドウの種類としてはサンジョベーゼの亜種と聞いたことがあるような気がするけれど、イタリアの赤ワイン(ビーノロッソ)で横綱といえば、ピエモンテ州のバローロとトスカーナ州のシエナ近郊で産するこれだといって、異論を挟む人は少ないと思う。
個人的には、いままで、チリのカベルネソービニオンが安くて旨くて最高だと思っていた僕に衝撃を与えてくれたワインだった。とにかく、田舎くさい香りというかトスカーナの風景を彷彿させるような豊かな香りがある。高級そうなイタリア料理よりも野趣に富んだ中部イタリアの田舎料理の方が、このワインには合うような気がする。
 以前、トスカーナの某社(トマジーニではない)に 古都シエナで御馳走になった時に、このしたのランクのロッソ・デ・モンタルチーノを振る舞われて、「このワインは、このエリアでは一番よ!」なんて説明されたので、御馳走されたのに酔っぱらって嫌な奴になった僕は、「でも、ブルネッロ・デ・モンタルチーノの方が、深味と風味が勝る」なんて、ついよけいな事を言ってしまい。場が固まってしまって、気まずい思いをしたことがあった。
しばらくして、「なんで、お前はそんなに詳しいんだ?」と言われて、「日本ではイタメシ屋は凄く多いんだ。ウチの街には半径1km以内に20件以上あるんだから!日本ではイタリアワインもいろいろな種類が沢山売られているよ」と説明したら、合点がいったようすだった。
 ちなみに、トマジーニの女将のバーバラの場合は、似たようなシチュエーションでも、リアクションが違っていて、
「最初からヘタな高いスーパートスカーナワインよりも、ここのローカルなワインの方が個性があって楽しい」なんて、トスカーナの地元ワインを薦めてくれる事が多い。
それがまた、外れが無いので、いつも彼女の薦めに従うことにしている。