トホホおやぢのブログ.....

アンチエイジング、自転車、ダイエット、スイム、ラン等々、徒然なるままを・・・

キモチ良いバイク・・・その1

2018-02-27 20:32:00 | Italia & Bike
埼玉サイクルエクスポから始まって、
先週は、名古屋サイクルトレンド
今週は、大阪サイクルモード
とつづきます。

いろいろなお客様がいらっしゃいます。とても興味深い。質問も多種多様
「どれが乗りやすいですか?」
「フレーム固いですか?」
「ウィップでますか?」
「乗りやすいバイクはどれですか?」
まず、試しに乗ってみて下さい。そして自分自身で味わってみて、
え?コースが短いから判らないって?お手数ですが、ABC3まで来てレンタルしてください(笑)

個人的な結論は・・・・

エアロビックペースで、気持ちよく走れるバイクが良い自転車だと思う……

 この中にはヒルクライムをできる限り早く上りたい要素の優先順位は低い。なぜなら、それはエアロビックではないからだ。人それぞれの求めるサイクルライフスタイルを先に行ってもらわないと、返事のしようがないのだ。

 でも、慌ただしいイベント会場で、エアロビックとはなんぞや?と有酸素運動と無酸素運動の説明から入るのも、ウザイおぢさん丸出しだし・・・

 クロモリ乗ってみたいとか言って、試乗したあとに「やっぱり、カカリがイマイチですね」なんて、知ったかぶりをしているキミ!どう考えても、君の体型はアベ30km/h以下だろ!?といじわるな質問したい衝動を抑えつつ、だいいちこれは、ニオビウムというスチールでクロモリじゃないんだよと教えてやる気もしなくなる。
 
 逆に、「少し荒れた路面なのに、このスムーズさはどうして!?」なんて聞かれた時にや、それはいろいろ説明をしますわよ(笑)

 いろいろ疲れるけれど、楽しい。今週は大阪なんで、関西弁なので、それがまたええんやで~
質問にも(笑)を入れてくるし、こちらもひねらんとな・・・・・

<スチールバイクはなんで乗り心地がいいのか?>その6

2018-02-09 19:58:00 | Italia & Bike


この写真を見て、左側の御仁を知っている人は相当なクロモリオタクかも知れない・・・(笑)


キヨ・ミヤザワ競輪業界では、良く知られているビルダーだ。実は、彼がイタリアでバイクづくりを学んで来た事を知る人は、それほど多くない。そして、Casatiの工房を手伝っていたことも・・・・・
久々に対面した、マッシモとキヨ・ミヤザワ、イタリア語で会話していたので、オイラはチンプンカンプンだった(笑) キヨ・ミヤザワは日本人の顔をしたイタリア人だと納得・・・・!
さてさて、続き・・・・なんで、ポンコツエンジンに相応しいCFRPフレームができないかと言うと・・・


『 このポンコツエンジンに相応しい(オイラ自身)CFRPフレームが出来ないのか?答えは《YES!》可能である!しかし、それは売れないし、儲からない! だから作りたくない・・・』
多くのブランドで、オイラのようなポンコツエンジンに相応しいフレームの金型作成するコストと販売数量が微妙に思わしくないことを知っているから。

 材料のグレードを落として、トップ選手と同じデザインの金型をつかったフレーム方が、手っ取り早く言えば売れるのだ。メディアの評価も・・・
 が、オイラにとって乗り心地の良いCFRPバイクを仮に大きなコストをかけて金型を作成して作ったとしても、たぶんテスターの評価は・・・「初心者のポタリングには向くかもしれないが、カーボンらしいキビキビとした走りは期待できない。ツカミがイマイチ、個人的にはあまり・・・・」なんて評価されたりする。
 その結果。本当はサイクリングに最適な走りやすいCFRPフレームなのに埋もれて、売れなくて市場からフェードアウトしてゆく運命になる。だから、コストの安い材料をつかって、トップモデルの金型を有効に生かしてレプリカモデルを作るわけだ。そして、その方が儲かるのだ!
 素人目にも、固いフレームの方が、踏み込んだエネルギーがダイレクトに路面に伝わった感じがするしね。でもね、エンジンがダメになってくると、「おっ!いいなっ!でも、ちがうぞ」と思うようになる(笑) だってね、その性能生かす走りができるのは・・・・オイラの場合5分未満だからね(苦笑)
 
 古典的なフレームいわゆる細身のホリゾンタルで、イマドキのトップ選手に受けるような性能を出すことは難しい。(一部例外はあるが)逆に言えば、平均的なレベルのサイクリストにとって、出来の良いものであるならば、とても乗りやすいということだ。
実際に乗り比べてみるとスゴク良くわかる・・・・乗りやすいバイクとは、自分のペダリングとウイップ【たわみ】がシンクロするバイクだ。もともとスチール自体に振動吸収する性質があるのも、疲れにくい要素だ。


 興味のある人は、Actionsportsの試乗会に来れば、それを存分に確かめられる。
http://www.actionsports.co.jp/testride.php
古典的なデザインの中であれば良いという訳でなく、自分に合ったジオメトリーはとても重要だ。サイズによっても、特性は大きく異なる。だから、いわゆるクロモリフレームならなんでも良いわけではない。贅沢を言えば、一番良いのはサイズオーダーをすることだろう。乗った瞬間に感じる安堵感は、まるで、オートクチュールで仕立てた背広に袖を通した時のようなフィット感にも近いかもしれない。ピタと自分の体にあったバイクに乗ってしまうと、それから離れられなくなる・・・・・
 最初から、アルミ或はカーボンからロードバイクに乗ったほとんどの人は、マイペースで乗るときにどんなバイクがらくちんなのか知らない人が多いような気がする。
 試乗会に来た人の多くが、Calamita、Tommaisni、Casati等を乗った後に「どうして?なぜ?乗ったフィーリングが気持ちイイの?」との感想や質問が多いので、とても周りくどいことを書いてしまった。でも、まだ伝えきれていないような気がする・・・・なにはともあれ、最初は出来の良いスチールバイク(クロモリバイク)から、自転車に乗るのがサイクルライフを一生続けられるポイントのような気がする。

<終わり>



<スチールバイクはなんで乗り心地がいいのか?>その5

2018-02-09 19:49:00 | スチールバイク
 スチールの話のはずなのに、いわゆるカーボン(CFRP)の話になってしまったけれど、これを知っているからこそ、スチールの良さがわかるのだ・・・

 CFRPの開発コストは、その金型代金が大きな比重を占める。CFRPと自転車の力学を理解し、かつ3DCADが扱え、空力と力学を理解しているエンジニアに設計してもらわなければならない。そういえば、かつて最後の元祖Kestrelの社長だったケビン(ロッキード社出身の技術者で、ミサイルのフィンの設計もやっていたらしい)に、空力特性の良いバイクっていくけど、具体的な例をあげるとどうなの?と質問したことがある。
 彼は、『小指を立てているか、立てていないか程度の差だよ』と言ってのけた・・・・なんてこったい!?なんだ、たったそれぽっちか!期待外れの顔をしているオイラに向かって、続けてこう言った『でも、理論上は同じ条件で180km自転車で走った後に、その空気抵抗のせいで1km~1.5kmの距離差がついている可能性がある・・・・』
「えっ!?」これは、ランのスタート時点で4分前後から人によっては、6分くらいのアドバンテージを得ていることになる。デカい違いだ・・・・

 話を元に戻そう、CFRPフレームは、材料代よりも金型とデザイン費用の投資が大きな比重を占めている。モノコックフレームの製造方法には2種類あって、Kestrelのように内部に風船を入れて熱硬化させる生産方法(中国生産ではこれが主流)とCat cheetahのようにオートクレープの釜で真空引きする方法がある。前者は、オートクレープの設備投資をする必要がないので、莫大な設備投資が要らない。が、金型は少々複雑になる。ちょっと前までは、オイルヒーティングで金型を温め熱硬化させていたので、金型は複雑になるし、金型が冷めるまで時間がかかるし・・・・生産効率がすごく悪くて、単価を上げざるを得ない状況だった。しかし、今日では高温スチームで金型を温めて、かつその通路に冷水を入れて冷やすので、効率は飛躍的に向上したらしい。また金型コストはかつての10分の1くらいに大幅に下がった。昨今カーボンの値段が、下がってきたのはそんな背景もある。
 オートクレープ製法は真空釜を用意しなければいけないので、その設備投資がかなりの高額だ。金型費用はバルーンを使うものよりも多少は割安だが、いずれの場合もCFRPのモノコックフレームを作成するのは金型コストやデザインコストをどう償却するかが、良好な収益を得るポイントになるのだ。
 収益性というポイントでは、金型は同一のものを使用しカーボン材料の変更だけで、商品バリエーションを増やす方法が、製造コストを下げる早道だ。東レの高弾性カーボンのプリプレグ(カーボンに熱硬化性のエポキシを含ませたクロス)をつかったものは、800g台でフレームができる。同じ金型で安い中国製の材料を使えば、1100g~1200g程度の少し重いフレームが出来る。軽い方をエキスパート用で、材料のコストを落とした少し重い方を、エントリーレベルとして販売すれば、コストは大幅に下げることが可能だ。しかも、形というかデザインも同じで、トップ選手と同じデザインのフレームは、ユーザー訴求力も高い。
 トップ選手向きに設計されたフレームデザインは、材料を変えれば、エントリーユーザーにとって扱いやすいものになるのだろうか?特にオイラのようなポンコツエンジンに向いたシャシーになるのだろうか?残念ながら、人間がペダリングする程度のパワーでは、カーボン材料の弾性率の違いが走りに影響あたえることはまず無いらしい。材料を変えてもトップ選手向きのデザインのCFRPフレームの特性はほとんど同じで、違いは300~400gの重さの違いだけなのだ。ロードレース用のCFRPフレームならば高速域での瞬発力は良いが、常用速度の中ではさほどアルミと変わらない固いフィーリングになってしまう。だからNGという訳ではない。実際トップモデルに比べてわずかに重たいCFRPフレームは、これからガシガシ走る事を目指す若者には最高のフレームだし、それに良いエンジンを持ったメディアのテストライダー等には好感度は高く、因って評価も良くなる。だが、乗る目的とエンジン性能によっては、このようなレプリカモデルは疲れるし、相応しくない場合もあるということだ。その結果、巷にはオイラにとっては、乗りにくいバイクが溢れることになる・・・・
その4でも書いたように、『 このポンコツエンジンに相応しいCFRPフレームが出来ないのか?答えは《YES!》可能である!CFRPフレームのパイオニア達が言っていたように、それが出来るのがCFRP、俗にいうカーボンフレームバイクの素晴らしいところなのだが、しかし・・・・・』
実はそれが出来ない理由がある・・・・・だからなんだけれど・・・・
つづく・・・