kimitsuku独り言

日々の暮らしから感じたあれこれを
ひとりブツブツ独り言

『嵐が丘』 競演

2012年02月14日 | 日記
          
 イギリス旅行から帰った友人が、一番印象に残った場所は『嵐が丘』の舞台
ヨークシャーの荒野だったそう。彼女もkimitsuku同様に、「少年少女世界文学
全集」を読んで育った文学少女…らしい。
『嵐が丘』、『ジェーン・エア』のブロンテ姉妹に憧れ、遠い異国のヒースの丘に
想いを馳せた共通点がある。訪れた晩秋のヨークシャーは、小説で読んだ通り、
暗い空の下に寒風が吹き荒び、まさしく『嵐が丘』の世界だったとか…。
             
              嵐が丘 1939公開アメリカ映画

 思いついて映画化された『嵐が丘』を比較してみた。最初の一本は1939年
公開のアメリカ映画。ローレンス・オリヴィエとマール・オベロンが共演した。
ブロンテ原作に忠実に描かれているのだろうが、今イチ物足りなさを感じる。 
ストーリーを追うのに一杯いっぱいで、ヒースクリフの激情や愛憎や執念が
淡白に過ぎる。大体、L・オリヴィエが貫禄あり過ぎて、どうみても野生的な
ジプシー青年には見えない。尤も、成功した後のフロックコート姿は、さすが
シェークスピア役者。堂々たるものですが…。 
キャシー役のM・オベロンも、何だかしっくり来ないのよねぇ。ウ~ン2流の
アメリカン・メロドラマかも。
            
              嵐が丘 1992公開イギリス映画

 こちらは1992年公開のイギリス映画『嵐が丘』。原作には無い、次世代の
子供たちをも描いている。個人の好みがあるだろうが、kimitsuku的には断然
此方が良かった。ヒースクリフの愛憎、情念、怨念が、伝わってくる。
映画初出演レイフ・ファインズの素晴らしい眼技…に、魅了された。
ブルーにもグリーンにも見える眼が、繊細かつ冷酷かつ激しいヒースクリフの 
人間性を表現していたと思う。
キャシー役はジュリエット・ビノチェ。可愛いけれど、何だかピッタリ来ない。
複雑なキャシー役を演技できる俳優って、なかなか居ないのかしらねぇ。
 R・ファインズは、その後『愛を読む人』にも出演していたが、悲しみを湛えた
眼の表情は相変わらず魅惑的だった。この映画のテーマ音楽は、坂本龍一。
荒涼とした風景とドロドロした愛憎劇にぴったりの、素敵な音楽だった。
                    
   時間がある時に、ポスター下部の文字をクリックしてみてネ。
   新旧2本の『嵐が丘』を、観賞できますわよ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  『ボディガード』  ホイッ... | トップ | 初体験…? »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も…思春期に (k.kana)
2012-02-15 17:23:11
よく読んでいた本でした。kimitsukuさんおすすめの2本の映画は後ほどゆっくりみたいと思っています。ただ原作から自分が描いてる人物像と映画化やTVドラマ化などでのイメージがこちらの勝手ですが…違うと本の世界の方が良いkanaとブツブツつぶやいてしまいます。毎年初夏のの全英オープンを映像でみていますとヒースの丘とか荒涼とした風景がみられることがあり、嵐が丘のプチ世界に思いをはせていましたです。
返信する
分かる、分かりますぅ… (kimitsuku)
2012-02-15 17:56:13
そうなの、kanaさんも文学少女でしたかぁ。
『嵐が丘』に限らず、名作を読んで勝手にイメージを膨らませ、
映画化されたものを観てガッカリって、分かる、分かりますぅ。観なければ良かったなんてね。
でも1992版の方、観てみてぇ~。
まぁとても10代の少年には見えないけれど、ヒースクリフを演じているレイフ・ファインズ、
kimitsuku的には納得です。野性味たっぷり&狂信的な眼差しに、
あぁヒースクリフってこんな青年だったのかぁ…でした。当時30歳だったってよ。
観終えたら、kana感想を聞かせて下さいネ。
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事