














春の使者と言うには些か淋しいが、今日の我が家の花たち。
漸く雪は解けたけれど、このところの寒さで折角の蕾たちも固く閉じたまま。
それでも春の気配を察してか、先ずユキノシタが顔を出した。
大きな葉の陰から遠慮がちに、茎を伸ばし愛らしいピンク色の蕾を付けている。
例年、我が家で一番最初に春を告げる花。名前の通り雪の下で身を守りながら、
温かな日差しを待っていたのだろう。なかなか温かくならない天候不順のこの春、
小さな蕾が今朝も雨に濡れて震えている。















小さな花壇の隅に咲くクロッカス。頼りなげに数本が身を寄せ合って咲き始めた。
儚げで淡い色彩の蕾が、遅い春の訪れを告げている。ギリシャ神話によるとヘルメスが
亡くなった恋人に因んでクロッカスと名付けたそう。花言葉は『貴方を待っています』。
愛らしかった恋人の面差しを偲んだのでしょうか、そんなロマンティック寓話を思わせる花。















バラの根元に広がる緑の葉と薄紫の花。たった二つだけ早々と咲いていた。
5月になれば辺り一面に絨毯のように広がって、花壇を華やかに飾ってくれる花。
『早春賦』じゃないけれど、今はまだ時にあらずと密やかに隠れている草花たちの
ためにも、本格的な春の陽光が望まれる今日この頃である。