目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

ガタカ ★★★★

2005-01-17 00:07:46 | ★★★★
監督:アンドリュー・ニコル
主演:イーサン・ホーク、ジュード・ロウ、ユマ・サーマン

 実は今試験勉強している法哲学の本に書かれていたために観ました。こういう映画の観方をしたのは久しぶりです。意外にも評判の高い映画だったようで、見てみると納得しました。
 その内容ですが、遺伝子工学に基づいた近未来の話です。優秀な遺伝子を持った適性者が自然に生まれた不適正者よりも優遇される世界でイーサン・ホーク演じる主人公が持たざる者でありながら、夢を実現するために懸命に努力する。この映画の設定や世界観は全てがその努力すること、夢を持つことを語るためにあるのだと思います。SFサスペンス、もしくはアクションだと思っていたのですがどちらかというとヒューマン・ドラマでした。割と低予算だったらしく、最近の「アイ、ロボット」や「マイノリティ・リポート」に比べるとVFXの要素は無いに等しいです。そういった理由からか描き方に少し無理のある部分もありましたが、とても純粋に楽しめる映画です。セットも美しく、ユマ演じる女性もとても美しくSF感をたっぷり感じさせます。音楽もキレイです。
 兄弟の確執やサスペンス要素なども描かれますが、それらよりもイーサンとジュード・ロウの間で描かれる友情が目を惹きます。割と淡々とした展開なのでドタバタと場面展開がされる映画が好きな方は退屈に感じるかもしれませんが、遺伝子的に不適格であっても十分頑張れるんだ、という夢を持つことが描かれています。
 遺伝子工学の発達により、将来的には十分ありうると言われている遺伝子情報読み取りによる生まれる前の「産み分け」。人生を「幸福に」生きるために不確定な要素をもつ胚を排除していけば1000人に1人の逸材が生まれうる、という。果たしてそんなことは正しいのか、何が幸福で、本当にそれは幸福なのか、誰がそんなことを客観的に決められるのでしょうか。この映画はそういった将来的にありうる世界を舞台とはしていますが、その遺伝的なビハインドを克服していく様は「信じれば夢は叶う」というレベルに達している。果たして自分が30歳で死ぬ確率99%と言われてもあなたは夢を30歳以降も追い求めていけるでしょうか?
この映画が提示するテーマは本当に難しく、まだ専門家たちも諸説を論じている段階です。ただ、この映画から感じ取れることは『人生において大事なことは「先天的な何か」ではない』という素晴らしいテーマです。この映画、ぜひ、オススメします。

追記:結局試験には出題されず、解答に生かされることがありませんでした汗。残念・・・。

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2 コメント

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法哲学の本からというのが (ももちき)
2005-01-20 20:05:59
びっくりしました!いろいろなところでとりあげられているんですねぇ。iso77さんのとこから流れてまいりました。ガタカ、名作ですよね。トラバさせてくださいね。またお邪魔します!!
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コメント&トラバありがとうございます! (kiki@管理人)
2005-01-22 17:11:24
>ももちきさん

コメント&トラバありがとうございます★

ガタカに関してはあんまり観ている人がいないかなー、

リアクションないかなーと思ってただけに

コメントいただけて嬉しいです!(><)

法哲学の扱う分野は非常に広く生命倫理と遺伝子工学の

分野で取り上げられていました、答案に生かされなかったのが心残りです・・・苦笑。

そちらにもコメントさせていただきます♪
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