目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

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バットマン vs. スーパーマン

2016-04-02 15:51:59 | ★★★★
公開日にサンノゼAMCで視聴。
USの映画館は指定席じゃないので、30分前から入場のために並ぶ羽目になりました。Sの文字の書かれたシャツ着てる人が結構いました。上映前から客がうるさい。みんなバットマンもスーパーマンも大好きでワンダーウーマンも大好きなんだなあと感じました。あと、シビルウォーの予告で映画館がロックスターのイベントみたいに大歓声拍手喝采になりました。(スパイダーマンも出るんですよね、シビルウォーには)

ワンダーウーマンが出てきてハンス・ジマーのイケてるロックサウンドが鳴り響くところとかもう拍手が煩くて嫌になるくらいでしたが、それくらいにはUSの人たちには馴染みのあるスーパーヒーローなんですよね。アメリカの空気感を楽しむことが出来てよかったです。
ストーリーはタイトル通り、ヒーローたちを戦わせなくてはならないので、何か理由が必要で今回はそれがレックス・ルーサーでした。この手のvs.モノではこういった展開は仕方がないのでしょう。こじつけないとスーパーヒーロー同士は戦わないよね。
ワンダーウーマンは殆ど本筋関係ないくせに美味しいところ持って行きすぎ笑。これはDCコミックスのスーパーヒーローが一堂に会するジャスティスリーグの公開に先駆けたお祭り映画の2作目なので、仕方がないのだが、ワンダーウーマンの単独作も来年あたりに公開です。他にもフラッシュなど続々と数作品が公開。なのでこの映画シリーズを理解するためにはまず、マンオブスティール視聴は必須。そして、これから公開される一連の作品も見ていけばお祭り映画にも乗り遅れないですね。日本ではワンダーウーマンは映像化されたことは殆ど無いですし、馴染みが無いのは仕方がないですよね。
ダークナイトなど大ヒットしたアメコミ映画も日本ではあまりヒットしてないですし、日本人の琴線には触れないってことなんでしょうねえ。
これはアメリカのスーパーヒーロー観と日本のスーパーヒーロー観の差によるものかと思います。日本のスーパーヒーローは普通の人が変身することでスーパーヒーローになるけど、アメリカのスーパーヒーローはハルク以外は変身せずとも超人的な能力を備えているんですよね。この設定の差異にも日本人はあまり馴染めないのかなあ。(その割にハルクは日本では毎回コケる。)
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2015年公開作品評価

2015-12-29 23:11:26 | 2015年公開作品評価
昨年からサンノゼに来てる関係で映画を観る本数が劇的に少なくなってしまいました。
ただ、飛行機の機内で観た映画もあるため、それらを含めると下記の感じ。
もっとたくさん映画観たいなあ。

■観た映画
劇場版サイコパス ★★
劇場で観ることができませんでしたが、鑑賞済。なかなか面白かったですね。主人公がどんどん浮世離れしていくのはちょっと寂しいところもありますが・・・。続編が作られることはさすがに無いかなあ。

寄生獣完結編 ★★
ビジュアル含めそんなに悪くはなかったですね。結構面白かったと思います。ミギーの声はアニメ版の方がよかったような・・・。深津絵里はこの仕事、よく受けたなーと関心しました。ヒロインの橋本愛がかわいかった。。。

ビリギャル ★★★
いやー、意外と楽しかったんですよ。有村架純の金髪ギャルも結構かわいかったし、伊藤くんのあのセンセのキャラもしっかり立っていて最後の方は結構感動しちゃいました。

トゥモローランド ★★★
きちんと劇場では見ていないですが、飛行機の中で。展開自体もどきどきわくわくする話ですし、ビジュアルも良い。結構、良い冒険SFものだったと思います。最初の冒頭の方のわくわく感が後半まで持続しなかったのは残念。

進撃の巨人 後編 ★
いやー、地雷映画でしょう、これは。。前半を観ないで後編という暴挙に出ましたが、後編のこの広げた風呂敷たためない感はひどい。どうせ「俺たちの戦いはこれからだ!」になるわけだから、もっと色んな風呂敷のたたみ方があったでしょう。

アベンジャーズ エイジオブウルトロン ★★★★
痛快!冒頭から飽きずに魅せてくれます。ちょっと頭が痛いのは前回同様、「最大の敵」感を出すことの難しさ。ヒーローが複数いる訳なので、どうしても1体の敵と戦うというよりは多数対多数の大乱闘を見せなくてはいけなくなるのだが、そうなってくるとキャップあたりの存在感が難しくなる。その難しいところも今回は韓国パートなどで結構うまく消化しており、このあたりは結構嬉しかった。

ターミネーター ジェネシス ★★★
サンノゼのMercadoのAMCのIMAXで鑑賞しました。いやー、この映画の感想をちゃんと書いていないのは非常にもったいないのできちんと書きたいですね。個人的にはとっても楽しい映画でした。とにかくターミネーターの1作目から前作までをしっかり見て来た人にとっては期待と裏切りの連続とも言える構成。やっぱりシリーズをしっかり見ている人にとってのファン映画である懸念は拭えないかとは思いますが、それでも十分に面白い。

インサイドヘッド ★★★
飛行機の中で見ました。色んな性格のキャラが1人の頭の中の様々な感情を再現しているんですが、アイデア自体はありそうですが、これをあのビジュアルでやられるととっても楽しい映画になるんだなあ、と感じました。

ミニオンズ ★★★★
劇場でちゃんと見ました。一番の魅力は英語がわかんなくても結構楽しいという点でしょうか。アクション映画とアニメ映画はこの点は助かっています。ミニオンたちは結局、字幕で観ようが、吹き替えで観ようが何を喋っているかはわかりませんしねえ。そういう意味では、全世界で大ヒットした理由もよくわかります。ストーリーはわかりやすく、感情表現は声の感じとキャラのアクションでしっかり見せていて工夫がたくさんあるのだな、と。

ジュラシックワールド ★★★★
これはSaratoga近くのAMCで見ました。これもIMAXで鑑賞。こういう映画こそ、3Dで観るべき映画ですよね。非常に素晴らしい映画でした。ただ、ストーリーとプロットは相変わらず1作目と殆ど一緒で「ジュラシックパークに遊びに来たらトラブルで恐竜が逃げ出して大パニック!」というもの。ただ、このプロットそのものが強いのだなあ、とつくづく感じられる話ではありました。

ミッションインポッシブル ローグネイション ★★★
最初のトム・クルーズのシーンだけでもかなり見応えがあり、逆にそれがキービジュアルとして格好良すぎたために、その後のすごいアクションが霞んでしまうというトム様にしては珍しい映画。勿論、他にもかっこいいシーンや凄いシーンもあったのですが。

S 最後の警官 ★★
この手のお話のスケールアップからの行き着く先の限界点を見た印象。悪くはないが、主人公の甘っちょろさにはドラマシリーズから辟易としていたので、その点ではやはりテーマ設定からしてどうにも受け入れがたい部分があるのだろうなあ。とんでもない悪党を前にしても不殺を破らないというのはるろうに剣心のような最強キャラであればまだ「力でねじ伏せる」ことができるんだろうけど、この話の主人公はそれを毎回失敗する。いくら警察官の任務が逮捕といえども、やっぱり無理があるよなあ。

天空の蜂 ★★★★
この映画は最後のシーンが不要と思った人と、最後のシーンが必要と思った人で大きく評価が変わってしまう映画だと思う。原作小説を読んだときに既に「映像化不可能」というふれこみがあったように思うが、まさにそんな感じのお話。3.11があった後だからこそ描けた話だとも言える。私は最後のシーンで鳥肌が立った。だからこその舞台設定1995年ですよね。

アントマン ★★★
気軽に観れてよかったですね。とにかく軽妙でこういうヒーローがアベンジャーズにいてもいいと思う。シビルウォーにも出るのかなあ。(今のところビジュアル未公表)

スターウォーズ フォースの覚醒 ★★★★★
今年はこれで決まり!という快作でした。


観なくては…
アメリカンスナイパー
ソロモンの偽証
暗殺教室
バードマン
ワイルドスピード Sky Mission
ドラゴンボールZ 復活のF
パトレイバー 首都決戦
チャッピー
ハンガーゲーム
マッドマックス 怒りのデスロード
バケモノの子
TED 2
キングスマン
ピクセルズ
バクマン
ファンタスティックフォー
マイインターン
ジョンウィック
劇場版MOZU
エベレスト3D
007 スペクター
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2014年公開作品評価

2014-12-29 23:41:28 | 2014年公開作品評価
2014年公開作品評価

これまた随分きちんと記事を書けてなかったのですが、改めてまとめてみると2014年はいい映画をたくさん観てたのだなあ、とつくづく感じます。

観た映画
エンダーのゲーム ★★
ウルフオブウォールストリート ★★★★
マイティソー ダークワールド ★★★
アナと雪の女王 ★★★★★
ロボコップ ★★
LIFE! ★★★★★
LEGO(R)ムービー ★★★★
名探偵コナン 異次元の狙撃手 ★★
キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー ★★★
アメジイングスパイダーマン2 ★★★★
ウォルトディズニーの約束 ★★★
MONSTERZ ★★
X-MEN フューチャー&パスト ★★★★
her/世界でひとつの彼女 ★★★★
オールユーニードイズキル ★★★
GODZILLA ゴジラ ★★★
るろうに剣心 / 京都大火編 ★★★
トランスフォーマー ロストエイジ ★★★
STAND BY ME / ドラえもん ★★★★
るろうに剣心 / 伝説の最期編 ★★★★
猿の惑星 / 新世紀 ★★★
柘榴坂の決闘 ★★★
エクスペンタブルズ 3 / ワールドミッション ★★★
インターステラー ★★★★★
寄生獣 ★★★
ベイマックス ★★★★


観たい映画
ビフォアミッドナイト
キックアス ジャスティスフォーエバー
ホビット 竜に奪われた王国
魔女の宅急便
愛の渦
銀の匙
それでも夜は明ける
神様のカルテ2
テルマエロマエ2
マレフィセント
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るろうに剣心 京都大火編 ★★★

2014-08-15 14:04:13 | ★★★
るろうに剣心 京都大火編

そもそも、大友監督は龍馬伝の頃から好きな方でした。ハゲタカとかね。各作品での大仰な演出や過剰な汚しはとても好きです。役者にかなりアクの強い演技させたりするところも含め好きだった。るろうに剣心一作目ではかなり酷評しました。詰め込み過ぎ!と。
まー、一作目で詰め込んだおかげで既にキャラクターや背景の説明は済んでいますので、ここからはスムーズな導入が臨める京都編はしかも前後編でやる時点である程度勝算が見込めるようになってきます。新キャラは多いけど、それを説明できる時間も生まれる。
そもそも、原作者の和月氏が思い切り少年漫画へ舵を切ったのがこの京都編です。既に最強の剣客である、という最近流行りの最強スタート(ONE PIECEのルフィとかね。ちなみにONE PIECEの作者は、るろうに剣心でアシスタントをしてたこともある。)である剣心があまりに強すぎて原作6巻まであまりピンチらしいピンチが描けなかったのが、悩ましかったようですが、(石動雷十太の辺りは特にそう)同じく最強である敵を用意し一度は剣心が窮地に立つことで、再度パワーアップを図ろうとするエピソード群なわけです。6巻あたりは描かれていないため、月岡津南も出てきません。相変わらず複雑な部分もありますがそれも含め原作は面白いんですよね。(それを原作者が解説してたりするのもまた面白い)つまり、京都編は剣心の武器パワーアップと奥義の習得、という2段階パワーアップを図るためのお話であり、そのための舞台装置が志々雄真実と彼が率いる十本刀というわけですね。
斉藤一が既に登場しているおかげで彼の神谷道場への奇襲が不要になった分、より自然に京都編の導入部は描かれるわけですが、この辺りも原作よりも自然な展開に仕上がっています。この映画で残念なのは蒼紫と葵屋の京都御庭番集の扱い、くらい。操とか、本当に必要?という感じもする。オミットしてしまっても良かったかもしれない。あ、あと悠久山安慈と左之助のくだりが無かったところとか、宇水がより雑魚キャラに成り下がりそうなところとか、相違点は挙げればキリは無いのですけどね。月岡津南や赤報隊のくだり、弥彦と雷十太のくだりが無いので相変わらずこの2人はどうも軽いサブキャラになってしまっているのはやや残念です。

蒼紫と翁の葵屋での決戦はこの映画の見どころの一つと言ってよいでしょう。蒼紫を演じる伊勢谷友介は40歳、翁を演じる田中泯は68歳!信じられない肉体美で激しい格闘シーンを見せてくれます。どうやらあまりスタントは使ってなさそうなのでそれも驚き。
また、オープニングの斎藤一と志々雄の対決のくだりもかなり良かったですね。お金のかかってそうなシーンです。
新月村のエピソードは中々よい挟み方でした。尖角が割愛されたのも特に問題無し。逆刃刀の折れるくだりがきちんと入っていたので。それにしても、この宗次郎との抜刀術の撃ち合いで思いましたが、やはり飛天御剣流というのは実写化すると重量感というか重みの無い剣技ですね。ある意味、原作通りなのかもしれませんが。この辺り、原作では筋骨隆々の比古清十郎が福山雅治でどう描かれるのかも楽しみです。

京都に入ってからの刀狩りの張との戦いも中々面白かったですね。原作で言うところの薄刃太刀やアニメでも表現しきれていなかった「龍巻閃・旋」が再現されてはいませんでしたが、張の造形の完成度の高さに拍手喝采でした。めちゃ似てる!!漫画から飛び出てきたかのような姿と目付きでした。

肝心の京都大火への流れですが、少し強引さも感じる反面、原作とはかなり違う展開のためどう繋げるかが楽しみです。(原作では煉獄はあっさり撃沈されてしまうので…)

後編次第で評価も変わりそうですが、楽しみにしてます。
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ウルフオブウォールストリート ★★★★

2014-02-02 13:11:15 | ★★★★
ウルフオブウォールストリート

上大岡TOHOシネマズで鑑賞。

(以下概要とあらすじ)
実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録を映画化した実録ドラマ。1980年代から1990年代のウォール街で、若くして大金を稼ぎ、その後証券詐欺の容疑で逮捕された彼の栄枯盛衰を見つめていく。監督と主演は『ディパーテッド』『シャッター アイランド』などでコンビを組んできた、マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオ。事実とは思えないほどのジョーダンのエピソードもさることながら、ジョナ・ヒルやマシュー・マコノヒーら、実力派の共演にも注目。

学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。
(以上シネマトゥデイより引用)


これは面白い!上映時間は3時間ととても長丁場なのだけどそんなことを感じさせないくらいには豪華な映像と目まぐるしい成功と没落のストーリーです。

ディカプリオが好きー!っていう人でなくても十分楽しめますが、金と女とドラッグの話ですし、ボカシが登場するシーンもいくつもありますので、そういうのがあまり好きではない人にはオススメ出来ない作品と言えるかと思います。間違っても子どもとは観ないように…


ネタバレします!





一体3時間の間に何回fuck!とかfuck'nとか聞いたか数え切れませんが、本当になんというか、狂乱の世界を垣間見た気分です。こういった展開で見せられると、人というのは良いところもあれば悪いところもあり、単純に世界は善人悪人だけでは語れないな、と感じます。FBIの捜査官ですら、別に完全な正義のために仕事をしているわけではないことは作中の会話劇を見ていればわかります。




二番目の妻ナオミを演じるマーゴット・ロビーは本当にすごいキャスティングですよね。この映画、他にはモブでしか美女が出てこないため、より一層、彼女が美しく感じられ、その隙の無い美しさに見惚れます。いきなり脱いで、ジョーダンを誘惑するところなんかは本当にこれでノックアウトされない男性など居ないだろうといった雰囲気です。





面白いなあ、と思ったのは、そんな彼女とのハネムーンから18ヶ月後、子どもも生まれるとすっかり倦怠期に突入しちゃってるところなんかですかね。どんな夫婦関係にもある展開なのでしょうけど、それにしてもハネムーンまであんなに美しく見えてた彼女が段々冷たくなって心が離れて行くとそこまで魅力的ではなくなっていくのも面白いなあ、と感じます。

ジョーダンの最初の妻とのくだりもなかなか面白かったですね。彼の転機である求職活動で株屋を継続させるのも、ペニー株のターゲットをエリート層に絞らせて大金持ちからの収入を格段に増やしていくのも、助言を与えてるのは最初の妻なんですよね。ナオミは結局、ジョーダンの人生にあまりインパクトを与えているようには見えずそこもまた面白い描き分けだと感じました。

ディカプリオについてはやはりこの映画の中ではオーバードーズのくだりが最も目を引き笑えるシーンとなっていると思います。階段を転がりランボルギーニをボロボロにしてしまう流れなんかは本当に笑えます。船を沈めてしまうシーンもまた笑えます。乱痴気騒ぎしてるシーンはいずれも凄まじいもので社内でSEX…なんてのも普通に出てきます。

また脇役がみんな、くせ者しかいないのですが、ジョナ・ヒルは最初の従姉妹のくだりから、かなり笑わせてくれます。どこかで見たことあるなあと思ってたらマネーボールにも出てたんですね。彼はまだ30歳なのに、こんなに出演作品に恵まれてるとは…。


さて、この作品、殆どドラッグと女のシーンで狂乱的なシーンが多いのですが、金融詐欺については割とサラッと触れており、しかもそれで被害に実際に遭った人たちは徹頭徹尾描いていないのであまり、ジョーダン・ベルフォートという人がおこなった事の是非を問う感じになりませんが、
http://m.jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304299204579281484100002764?mg=reno64-wsj

この辺りの記事を読むといかに被害に遭った人が多く、また、ジョーダン氏が映画ラストのモチベーショナルスピーカーになるに至る経緯の側面が見えてくるかと思います。

またこの記事あたりでもオリバー・ストーンの「ウォール街」との比較論が出てきますが、まあ、映画としての面白さはウォール街の方が遥かに上でしょう。教訓にも満ちています。あまり、ジョーダンはIPO詐欺などへの良心の呵責で苦悩したりするシーンもないですしね。
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1318823/1335849/92352038


それにしても、この映画を通じてジョーダンの半生を観ていると、金も名声もドラッグも全て手に入れたとしても「それでも手に入れられない何か」を感じざるを得ませんでした。結局、彼には平凡な人生や日常が訪れることは無いですし、それをとても強く毛嫌いしてる、といった印象を受けました。
ウルフオブウォールストリートにはウォール街ほどの批判精神や志はありませんが、贅の限りを尽くした映像はそれなりに面白く、是非はともかくとしても楽しめる作品にはなっていたと思います。
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永遠の0 ★★★

2013-12-29 15:06:24 | ★★★
永遠の0
池袋のhumaxで鑑賞。

(イントロダクション)
2006年の初版当時から口コミで売れ続け、いまや累計発行部数450万部を超える国民的ベストセラーとなった感動作「永遠の0」(百田尚樹著)。その珠玉の物語に感銘を受けて映画化を熱望したのは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズで日本アカデミー賞を席巻した山崎貴監督。出演者には、主人公のゼロ戦パイロット・宮部久蔵=岡田准一をはじめ、現代から宮部の謎に迫る青年・佐伯健太郎=三浦春馬、宮部の妻・松乃=井上真央ほか、濱田岳、新井浩文、染谷将太、三浦貴大、上田竜也(KAT-TUN)、吹石一恵、田中泯、山本學、風吹ジュン、平幹二朗、橋爪功、夏八木勲といった実力派かつ個性的な俳優陣が集結。 主題歌は、この夏ついに復活を遂げたサザンオールスターズによる『蛍』。主題歌制作のためにいち早く本編を見た桑田佳祐は、感動で号泣したと語っている。さらに完成版を見た百田尚樹も「素晴らしい傑作。原作者なのに号泣してしまった」と大絶賛!
(以上公式サイトから)

■作品のテーマについて
前線にいながらして、「僕は死にたくない」というのは勇気が必要だったと言う話が描かれるが、永遠の0は特攻を描く話なのだけど、宮部は死にたくない凄腕のパイロットなのだよね。海軍一の臆病者と呼ばれた宮部がなぜ、特攻を選び、散ったのか、特攻に向かう宮部がゼロ戦の機内で死の間際に何を考えていたのか、彼が自ら言葉を語ることはないのだけど、それでも、彼の思いを受けて紡ぎ続けた人たちがいる、というこの展開には涙を禁じ得なかった。
この映画観て戦争賛美に繋がるとか言ってしまう人がいるのが残念だなあ、と感じる。全然賛美してないよね。
私は戦争はするべきではないと思いますよ。特攻なんてもってのほかでしょう。でも、語るべきではないってのは違うと思うのです。語り継ぐべき話はもっと沢山あるように思うのです。

ただね、この手の映画をこういう布陣で描き浮動層を映画館に誘導することが右側の陰謀みたいな話をする人が出てくるのは不可避のようにも思うわけで、これは根の深い問題だなあ、と感じるわけです。


■日本全体の右傾化と永遠の0
日本全体が徐々に右傾化していっていることとこの作品や百田氏のブレークが同列に語られるがそれは筋違いだと感じる。百田氏もそれは明確に否定している。戦争も特攻も賛美していない。
作中、三浦春馬演じる健太郎が合コンで、「自殺テロと特攻は違う!」と激昂するシーンがある。このシーンでの他の若者たちの言論に大方のエッセンスは詰め込んであり実にうまい会話構成なのだが、現代の若者たちからすれば、戦争はそれくらい遠くの世界、TVの向こう側の出来事であり、目の前の合コンの方が一億倍くらい大切なのである。ちなみに、自国の歴史や戦争観、祖先の話がそれなりにできない人は社会人になっても、何かと困ることが多いと思う。私は政治や戦争や歴史のことに理解の薄い人、問題意識のない人は嫌いではないけど、隣にいて欲しいとは思わない。

で、実際には右傾化などというのは絵空事というのが作中でも描かれてるわけである。実際、右傾化右傾化とは言うものの、相変わらず新聞もTVも大マスコミでは反米親中が語られ、戦没者の慰霊もままならない。A級戦犯が合祀されてるから、靖國神社を詣でたら右翼、天皇を敬ったら右翼、君が代歌ったら右翼、国旗掲揚したら右翼、であり、愛国者=右翼、である。インターネットだけはその反発からか右傾化してるけど、それはマスコミが左巻きなことに反発してる面が大きいと思うわけです。マスコミが右傾化したらネットはおそらく、今度は反証を試みるような気がする。

自殺テロと特攻、とが同列に語られてる、というのは中々に興味深い思考実験である。例えば、9.11を敢行した人たちと神風特攻隊を敢行した人たちとは同じようなもんだ、という中々に乱暴な論説なのだけど、これを人前で披露すると、イスラムの人たちにも日本の人たちにもアメリカの人たちにもとても失礼になるので、やめたほうがいいと思う。
歴史や民俗文化、当時の状況を全て理解していれば、この論説には同意の余地がないのだけどね。日本が軍国化していってしまう流れ、全ての先進国が帝国主義化していき、植民地化されるか独立を保つかの二択しか無い中で恐慌や震災で荒廃した国の中で、資源拡大策を取ろうとしたら、それらを絶たれ止むに止まれぬ開戦だった、とかその後の軍部の暴走とか、劣勢化していく中で絶望的な作戦を展開していくしかなかった過去の日本の歴史を被害者面して語ることも出来ないけど、無碍にする必要もなく、正しい歴史認識を持つ必要はあるわけで。その中で若者たちが、なぜ特攻隊を志願せざるを得なかったのか?
特攻の「志願書が配られた」というのが、いかにも日本らしいと感じた。これは思想教育、プロパガンダ、特高と赤紙と雰囲気作りとセットで生まれるもの。日露戦争までに培われた近代戦におけるノウハウが活かされなくなってしまうほどに追い詰められた日本が取らざるを得なかった(それでも決して取るべきではなかった)ということを事実として認識することは必要でしょう。「坂の上の雲」とか知ってると当時の日本軍が近代戦もこなせる軍隊だったことは誰にでもわかる。(しかし、203高地みたいな話もあるわけで軍隊とは運用次第でどうとでもなってしまうということでもあるのだけど)
最近の論説に「戦争を想起させるから、語るべきではない、日本は全然反省してない、自虐史観を持ち続けなさい、謝罪し続けろ、」みたいな左巻きな人たちがたくさんたくさんいらっしゃいますが、過去の反省と正しい歴史認識はセットであるべきで、ここに目を逸らし続けるからゆがんだものになるのでしょう。

宮崎駿は「風立ちぬ」で零戦の開発者の物語を描いたのに、戦争を賛美することに繋がってしまうと考えたから、戦争も、零戦が美しく空中戦をするシーンも撃墜されるシーンも徹頭徹尾描かなかった。それはそれで、その人の歴史観だから否定する気は無いし、作中の表現をどう捉えるかも人それぞれだから何も言わないけど、それでも世の中全体が臭いものには蓋をする、ってのは違うと思うのです。くだらない作戦(特攻は作戦とは呼べないって作中でも語られてますよね)を展開した過去の過ちに向き合って、2度とあんな悲惨な戦争はするべきではない、そして、日本は1度戦争を始めたらああいう風になるまで戦ってしまう可能性のある危険な空気を醸成しうる国なのだ、と知っておくことはとても大事だと思うわけです。ただ、まさか今の日本人がそういう戦争を歓迎し賛美するとも到底思えませんけどね。


■米国の描写
米国側からの描写は徹底的に省かれている。日本の話だから当然だし、ある種これで充分なのだけど、相手側からみた場合の特攻がどう映るかまで描いて欲しかった気もする。宮部のゼロ戦操縦がヒロイックに映る交信の描写だけが残るのだけど、アメリカ人が受けた特攻への恐怖を描いた作品があってもいいのかもしれない、とは思う。パールハーバーみたいな。

■省略のうまさ
軍事関連や史実の説明が大幅に省略されているがあまり気にならない。また多少回想の時代が前後するがそれもあまり気にならない。観てる側としてはラバウルとか、そういうものかなーと思って観てしまう。実際には日本が東南アジアをどう侵攻して、橋頭堡を築いて行ったかを最初の数分で説明してくれてると非常に理解が進むような気もした。真珠湾攻撃はみんな、大まかには知ってるので。

■役者個々のうまさ
特にベテラン勢の鬼気迫る迫力を感じた。基本的にモノローグと回想で進む映画だからこそ、その話をする人、聴く人の演技はとても難しいものが要求される。しかも、編集や間の置き方もとても気を遣う必要があり、その辺りの繋ぎ方はとてもよかったと思う。

■VFXの使い方のうまさ
空母やゼロ戦、空戦シーンのつくりはとても上手。また、大阪のドヤ街のシーンなどでさらりと映る大阪城など、このあたりは三丁目の夕日などであたりで培った技術がふんだんに活かされてると感じた。さすが、山崎監督。願わくば、リターナーみたいなバリバリSFもまた取り組んで欲しいな。パシフィックリムを超える作品を作れるとしたら、この人くらいだと思う。


総じて、年末年始に見に行くにはちょうど、いい感じの映画と言えるかもしれません。
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ゼロ・グラビティ ★★★★★

2013-12-15 10:50:03 | ★★★★★
ゼロ・グラビティ ★★★★★



(あらすじ)
地表から600km上空。すべてが完璧な世界。そこで、誰もが予測しなかった突発事故が発生。スペースシャトルは大破し、船外でミッション遂行中のメディカル・エンジニアのストーン博士(サンドラ・ブロック)と、ベテラン宇宙飛行士マット(ジョージ・クルーニー)の二人は、無重力空間
《ゼロ・グラビティ》に放り出されてしまう。漆黒の宇宙で二人をつなぐのは、たった1本のロープのみ。残った酸素はあとわずか。地球との交信手段も断たれた絶望的状況下で、二人は果たして無事生還することができるのか…!?

主演は米アカデミー賞®受賞のサンドラ・ブロック(『あなたは私の婿になる』『しあわせの隠れ場所』)とジョージ・クルーニー(『シリアナ』『マイレージ、マイライフ』)。監督はオスカー®ノミネートのアルフォンソ・キュアロン(『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『天国の口、終
わりの楽園。』『トゥモロー・ワールド』)。オスカー常連のキャスト&スタッフが集結し、最新VFXと3D技術を駆使した、リアルで臨場感に溢れる大迫力の未体験空間が、あなたを待っている。

(以上 公式サイトより)

TOHO川崎で鑑賞。
とんでもない映画を作りますね…。最初のシーン、随分長い長まわしでしてこのシークエンスを観てるだけで息が詰まるようでした。これは演出的にわざとそうしてるのだと思いますが、それにしても思わず手に汗握る、もしくは息を止めてしまうような映画でした。うまい。
監督は「トゥモローワールド」の人、とくれば、この長回しも納得です。


宇宙ステーションで事故に遭った2人は一体どうやって生き残るのか!というのをたったの90分で描き切るのですが、(劇中でもおそらく4時間弱しか時間は経ってないと思われる)宇宙や宇宙ステーション、に詳しくない人でも描写を見ていけばある程度は理解できるようになっています。
ちなみにマニュアル読みながら主人公がなんとかその場を凌ぐような場面がありますが、恐らく主人公たちは半年とはいえ元の素養と技術者としてのバックグランドがあるからこそ、なんとかなってるシーンも沢山あると思われます。
また、宇宙飛行士がいかに楽天家でなければ務まらないか、というのもまたよくわかる映画でもありました。良作です!一見の価値はあります、が、ぜひ画面の大きなスクリーン、IMAXで字幕無しで観たいものです。




盛大にネタバレします!








タイトルバックからいきなり、真空の宇宙で静かな船外活動の場面から話は始まります。ここからずーっと長まわしが始まるのですがゆうに10分近く、長まわしが続き、ジョージ・クルーニー演じるマットがサンドラ・ブロック演じるストーン博士をキャッチするまで延々とワンカットで話が続きます。人工衛星の破片がどんどん飛んできて、船外活動中に投げ出されたストーン博士をなんとか、マットが助けに向かうのですが、ここまでが全てワンカットなのです。船外活動の風景も映し出されるのですが、これがまたすごい映像です。CG全盛時代とはいえ、一体どうやって撮影したのか?と思うくらいの映像でした。

助けられたストーン博士と共にマットは宇宙船を経由しISS(国際宇宙ステーション)に向かいます。結局、宇宙船では誰も生き残っておらず、マットとストーン博士はなんとか、ISSに辿り着きますが、うまく飛び移れず、マットはそのまま、宇宙に投げ出され、帰らぬ人になってしまいます。悲しいのはマットもまたここでうまく飛び移れていれば、恐らく無事に地球に帰還できていたであろう気がすることです。まあ、映画なので、もしもはないのですけども。
ジョージ・クルーニーとサンドラ・ブロック、2人しかいない出演者なのに、途中で1人になってしまうという思い切った脚本です。
マットとの最後の交信はとても皮肉にもストーン博士を後押しし続け、宇宙服の中が二酸化炭素で充満し死の淵に立たされるストーン博士と、既に死の淵を超えて彼岸に立つマットが挫けそうになるストーン博士にエールを送り続ける、という悲しい対比になってしまいました。
瞳の色についての会話などの節々から宇宙という環境で、人は自分のパーソナリティに向き合うのだなあ、と感じさせられました。

ここまでもストーン博士の酸素がいきなり10%しかないところから始まっており、この酸素が切れるかどうかハラハラするところも序盤の要素の一つになっています。
ISSに到着できた、ストーン博士ですが、ここでようやく、宇宙服を脱ぐことができ、一瞬だけ息をつくことができました。この瞬間がとても構図的に美しかったですね。真空かつ仲間の命を簡単に奪った宇宙環境の中で、扉一枚隔てて、生と死を分かつエアロックの中で一瞬の静寂に包まれる。丸っこい宇宙服を脱ぎ捨ててスタイル抜群のサンドラ・ブロックが出てくるシーンでようやくこの映画は有機的な生き物の全身を画面の中に映し出すわけです。このシーンを除くと後はラストシーンしか、サンドラ・ブロックが生身の全身を晒すシーンは無いのですが、これもまた狙った意図があるものと思われます。
ここに至るまで仲間は真空の中で凍りつき死に、1人はデブリが顔面を貫いていてなかなかに衝撃的な絵面が続いていただけに、観る者にも飛んでくるデブリ(破片)の恐ろしさ、真空の宇宙へ放り出される恐怖を叩き込んでくれます。
それだけに宇宙服はこの冷淡かつパーフェクトな宇宙と人体を隔てる壁、鎧となって人を包んでくれている、ということを端的に伝えてるわけです。


この後、火事になってしまったISSを脱出しますが、なかなかISSを脱出出来ない、という展開がまた焦らされます。デブリが再び飛び交う中でなんとかパラシュートの残骸を振り切って脱出します。

が、ここで燃料がなぜかゼロになっており、どうしようもなく自暴自棄になったストーン博士は死を覚悟します。どうやっても助からないと悟る直前、大声で憤る彼女の声は真空の宇宙には届かない、ということを宇宙船の窓から映しだす演出もまた素晴らしい。この宇宙でたった一人なのだ、ということが端的に表現されす。
絶望した彼女は酸素供給を止め、眠りにつこうとしますが、そこへなぜかマットが再び登場します。彼は宇宙船のエアロックを外から強引に開け、入ってきて彼女に逆噴射ロケットは試したのか?必ず生きて帰るんだ、と言います。これは結局、ストーン博士の見た幻想なのか、幻覚なのか、わかりませんが、やはりマットは席の隣にはおらず、しかし、これが逆噴射ロケットを試すきっかけ、そして彼女を奮起させることになります。


幻覚の中でマットはストーン博士に、逃げるのではなく、地球できちんと自分と向き合うんだ、と諭します。ここに至るまでにマットとの会話の中で、ストーン博士は幼い娘を亡くしてそれからはずっとやるせない気持ちに囚われていたことを吐露していました。そんな彼女に生きろ、生きて向き合え、とマットは言い続けるわけです。

彼女は脱出手段が残された中国の宇宙ステーションに着陸時に使用する逆噴射ロケットを使って向かいます。

中国の宇宙ステーションに飛び移るシーンなどは多分、文字通り「天文学的にラッキー」なんだとは思うのです。軌道計算とか綿密にすれば、試す気にもならないくらいには厳しいトライアルだとは思うのですが、一度死ぬ気になったストーン博士にとってはそこは乗り越えられる問題だったのでしょう。

中国の宇宙ステーションでもまた各種スイッチが中国語だったり、既に大気圏突入状態だったり、ととんでもないことのオンパレードですが、彼女は遂に大気圏突入し、地球へ帰ってくるわけです。


そこから、脱出ポッドが湖?に着水し燃える機内から脱出しようと扉を開けると水が流れ込み彼女は今度は溺れ死にそうになります。

上手いなあと思うのは、作中、殆どの間、ストーン博士を包んでいた宇宙服が最後の最後で水中で足枷になる、という展開です。観ている方はやたらとハラハラとさせられるシーンなのですが、ほんのちょっとしたことで足を取られ、死に至ることがあり得る、ということですよね。トゥモローワールドでもあっけなく序盤で仲間が殺される展開とかありましたが、この監督はその辺りの機微や思い切りは素晴らしいものがあると思ってます。

ストーン博士は宇宙服を脱ぎ捨てて、水面になんとか浮き上がります。そして、岸辺に辿り着くのですが、なかなか起き上がれません。重力が彼女を縛っている様がまた長い宇宙生活を物語らせます。(この辺りの描写は上手い!と思います。宇宙で生活してると自立するための筋肉が必要無いので、筋肉は衰えてしまうんですよね。筋トレ必須です)

そして、彼女は歩き出し、映画はgravityの7文字とともにエンドロールに向かいます。

この映画、パーフェクト!じゃないですかね。うん、特に腐すような部分が殆どない。
デブリが彼女にだけはなぜか当たらない、というのは作劇上仕方のない都合の良さでしょう。地球を一時間半で周回してくるデブリが少しでも掠ったらそれだけで即死亡でしょうし。
中国の宇宙ステーションの人たちはどうなったのだろう?とか気になることは他にも幾つかありますが、それもまあ描く必要のない些末な話ですし。

宇宙飛行士という仕事は近年、何かとフィーチャーされることが多いですが、(日本でも宇宙兄弟とか仮面ライダーフォーゼとか色々ありましたよね)問題解決のスペシャリストである必要があるのだな、と毎回思わされます。限られた資源、限られた時間、限られたリソースの中で常に答えは一つじゃない。同じ答えでも解き方は一つじゃない。発想の転換が必要。一瞬の判断のミスが自分だけでなく、仲間を殺す。優秀さが全てではない、冷静さだけじゃなく、楽観性がとても大事になる。能力は平均的に高く、何かは必ず突出したスペシャリストでなくてはいけない。
様々なことをうまーく、この映画は描いている上に、人間までしっかりと描き切っています。

それでいて、宇宙空間の表現としてはおおよそ考えられる限り、文字通り見たことのない映像を人々に届けてくれました。繰り返しになりますが、この映画は3DかつIMAXでぜひ見て欲しいです。その価値がある映画だと私は思います。
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2013年に観た映画ランキング

2013-12-09 00:20:53 | 2013年公開作品評価
ここ数ヶ月更新が滞っておりました。申し訳ございません。マイペースな更新を続けているつもりがさすがに5ヶ月弱も空いてしまったのはいけなかったなあ、と思っております。映画を観ていないわけではないのですが、感想を腰を据えて書いている余裕があまり無かったのも事実でして早くも年末になってしまいました。
今年観た映画は今のところ30本、ほとんど順位の大勢は決しているのですが、それでも今年これから観る映画でも目玉作品がある以上はまだトップ10は決めづらいところはあります。ただ、年末の多忙な折、現時点でのトップ10を作成しておきたいと思います。

暫定1位
パシフィック・リム ★★★★★

いやー、これは2回も劇場で観てしまってまして、正直この手の映画には私はあらがえないんですよねえ。もう、最初から最後までテンションマックスでした。常勝だった兄弟コンビが敗れ、兄は死に、そこから世界は絶望的なまでに追い込まれ、そして、再び世界の危機に、今度は女の子とコンビを組み、巨大怪獣に意趣返し。主人公機が最強ではない点や、それでも操作で敵を倒しまくる点、各国のイェーガーもかっこいい!!本当にツボな映画でした。

暫定2位
そして父になる ★★★★★
結構ロングランになりましたね。この映画は本当によかったなあ。自分はどっち側の人の気持ちもわかるつもりで観ていましたが、それでもやっぱり複雑な気持ちをもたざるを得ませんでしたね。

暫定3位
東京家族 ★★★★★
感想はリンク先にて。泣いちゃったなあ。予告編でだいたいの流れは予想出来ていたのに2回も泣かされてしまいました。

暫定4位
スター・トレック イントゥ・ダークネス ★★★★★
いやー、これ、本当におもしろかったですね。毎度のことながら、スタートレックののんびりした感じと派手なアクションのどちらも楽しめる快作でしたね。ベネディクト・カンバーバッチは一気にスターダムですねえ。

暫定5位
真夏の方程式 ★★★★
感想はリンク先にて。ドラマ映画でここまで面白いのは近年まれかも。

暫定6位
TED ★★★★
いやーロングランでしたね。題材としてはひどい熊のぬいぐるみの話なのですが、ここまでほろりとさせたり笑わせたりする映画はなかなか無かったようにも思います。日本で意外にもあのどぎつい下ネタが受けたのも意外でした。

暫定7位
リアル~完全なる首長竜の日~ ★★★★
黒沢清監督作品ということを巧妙に包み隠して、ミスチルの主題歌と綾瀬はるかX佐藤健の組み合わせでキャッチーな予告編で迫って来たくせに本編見始めたら泣くほど怖いってこれはほんまにあかんですよ。ぬるい映画ファンは泣いちゃうと思う。でもそれくらい印象に残るビジュアルと作風だったとも思います。オススメです。

暫定8位
風立ちぬ ★★★★
宮崎駿作品としてはもうかなり振り切っちゃっているようには思います。一体誰向けの映画なんだろうって。それでも大挙してみんな観に行くんですよね。もう別に受け入れられても受け入れられなくても構わないや、という気持ちがありありと伝わってくるような作品でした。面白かったですが、手放しで絶賛というわけにもいかなくて。ただ、もうこういう映画を作れる人は宮崎駿しかいないのだろうな、と感じた次第。引退したい気持ちもわかるけど、もう少しだけ頑張ってほしい気もするなあ。


暫定9位
探偵はBARにいる2 ~ススキノ大交差点~ ★★★★
定番化してほしい探偵シリーズ。大泉さん、この役は本当にはまり役だわ。3枚目やらせたらやっぱり映えるよねえ。2枚目の相棒と尾野真千子との掛け合いもよかったね。


暫定10位
藁の盾 ★★★★
いや、今年観た映画の中では意外とこれは佳作でしたね。藤原竜也のどうしようもない外道っぷりが楽しい映画でした。設定が突飛で途中までは文句なしに面白いですね。最後の方、少し尻すぼみしちゃいますが。



10位以下は下記。感想はやっぱり観た直後に書かないといけませんねえ。

アイアンマン3 ★★★★
オブリビオン ★★★★
42~世界を変えた男~ ★★★★
ワールド・ウォー Z ★★★★
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 ★★★★
LOOPER ★★★
ドラゴンボールZ 神と神 ★★★★
攻殻機動隊ARISE ★★★
劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 漸(ぜん)ノ篇 ★★★
劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(こう)ノ篇 ★★★

ストロベリーナイト ★★★

脳男 ★★★
モンスターズ・ユニバーシティ ★★★
ゼロ・ダーク・サーティ ★★★
県庁おもてなし課 ★★
プラチナデータ ★★
劇場版「とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-」 ★★★
相棒シリーズ X DAY ★★
図書館戦争 ★★
特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE ★★


■観てないけど観ておきたい映画
ゼロ・グラビティ
かぐや姫の物語
エリジウム
攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers
ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE
47RONIN
ハンガー・ゲーム2
永遠の0
スティーブ・ジョブズ
清須会議
許されざる者 (2013)
ウルヴァリン:SAMURAI
キャプテンハーロック
陽だまりの彼女
ダイ・ハード/ラスト・デイ
きいろいゾウ
さよならドビュッシー
映画 鈴木先生
世界にひとつのプレイブック
仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z
舟を編む
HK/変態仮面
言の葉の庭
アフター・アース
華麗なるギャツビー
エンド・オブ・ホワイトハウス
劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
マン・オブ・スティール
ガッチャマン
ローン・レンジャー
イップ・マン 最終章
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真夏の方程式 ★★★★

2013-07-25 07:39:04 | ★★★★
真夏の方程式

横浜ブルク13でレイトショーで鑑賞。
原作シリーズは何作品か既読。ドラマと前作映画、TVSPは全て観ています。

(以下あらすじ)
東野圭吾原作、福山雅治が天才物理学者・湯川学を演じる人気シリーズの劇場版第2作。子ども嫌いで有名な湯川が、10歳の少年・恭平と海辺の町で夏を過ごすことになり、事件に巻き込まれていく姿を描く。手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦で海底資源の開発計画が持ち上がり、その説明会に招かれた湯川は、宿泊先の旅館「緑岩荘」でひとりの少年・恭平と出会う。やがて旅館の近くで男性の変死体が発見され、遺体の身元が「緑岩荘」に宿泊していた元捜査一課の刑事・塚原だということがわかる。地元警察は塚原の死を転落死として処理しようとするが、現地入りした捜査一課の岸谷美砂は、塚原の死に不可解な点があることに気づき、湯川に事件解決への協力を依頼する。吉高由里子、北村一輝らシリーズのレギュラー陣に加え、杏、風吹ジュン、前田吟らが共演。監督は前作「容疑者Xの献身」と同じく西谷弘。
(以上映画.comより)

これは久しぶりにTVドラマ原作で傑作が出てきたように感じました。どうしても、ガリレオと言うか、東野圭吾が描いてきた湯川学というキャラクターを事前に知っておかなくてはいけない、という制限はあるものの、それを除けば、かなり良質な推理もの映画であり、夏休み映画であるように感じます。

TVドラマ ガリレオ、そして、前作の映画 容疑者xの献身を観ていることはある程度前提として必要な映画であることも事実ではありますが…。

吉高由里子演じる刑事岸谷との絡みは極力控え目、と言うところにも好感が持てました。あくまで、現地で知り合った旅館の娘とその家族、さらにその親戚の男の子、を中心に話が進み、事件が起こり、それとは並行して、ペットボトルロケットの絡む一夏の少年の冒険が挟まり、さらに謎に対して、様々な答えが提示される度に重大な「選択」を余儀無くされる登場人物たち。

序盤の、海底探査に対する住民への説明会における、湯川学の「これは選択の問題だ」というセリフがありましたが、まさにこの映画そのものが、「選択」を主題にした映画、とも言えるように感じました。

そして、この展開は湯川が容疑者xの献身での石神との一件を口にはしないものの、意識している、ということを前提にした作劇であることもまた感じさせられます。
そもそも、劇場版の「容疑者xの献身」はTVシリーズからの流れからは一線を画す特殊な作品でした。映画として主人公が湯川学である必要も必然性も欠けたものになってしまっていました。(それは石神をそんなに醜男ではない堤真一が演じてしまった、石神が登山を趣味にしてるという不要な映画のみの設定、というところからも来ています。原作からの改悪と言えます。)
ですが、真夏の方程式には主人公が物理学者もしくはそれに詳しい人間であるべきある程度の必然性があり、作中で恭平少年に深入りしていく様も含めて説得力を持って描かれており、そこも含めて、ガリレオの映画として成功を収めてる要因となっているのかな、と感じさせられました。そういう意味では原作をうまく映画化できている、と感じるのです。

容疑者xの献身ではドラマのハイテンションな展開もなく、コメディ展開もなく、ドラマでは狂言回しとして機能する柴咲コウ演じる内海薫の役どころがむしろ邪魔に感じるほどでしたし、ドラマではお約束だった派手なテーマ曲もフレミングの左手のポーズも突然方程式書き出すシーンも無かったわけです。

真夏の方程式も、吉高由里子演じる岸谷は不要な要素であり、北村一輝演じる草薙だけでも話は事足ります。ただし、その違和感は最低限に抑えられ、派手な要素は殆ど排除されているのにも関わらず、福山雅治が作曲した派手なテーマ曲は前作同様、本作品にはそぐわないと思わせておいて、ほろ苦いエンディングからのこの曲が一気にかかるシーンで総毛立つという意外な効果。不思議ですよねえ。本編OPの鉄道のパンタグラフが映り電車が海辺の田舎町を走っていくシーンはEDにも差し挟まれうまい具合にサンドイッチ構造になっているのですが、この構造の間に差し挟まれているのが、深刻な事件と少年の一夏の鮮明な経験、というところにある種の爽快感が生まれてるのですよねえ。これは目から鱗でした。このアップテンポの激しい曲が「泣き」の効果を生み出すというのが意外過ぎました。


さて、ここからはネタバレ。


恭平少年が終盤に湯川から「一緒に考え続ける、君は一人じゃない」というシーン。湯川は容疑者xの献身あたりまで、どんな時も事件関係者の「人生」までは背負ってきませんでした。ただ、石神との一件以降、確実にキャラクターとして変化が生じたと思うのです。その中でも今回は最も大きな変化だったように感じます。「僕が興味があるのはこの謎を解くことだけだ、事件の被害者の心情は僕の関知するところではない、それは警察の仕事だ」と一線を引き続けてきた湯川が積極的に謎を解き、たまたま知り合った恭平少年の人生に深く関わるわけです。彼に科学の興味深さを教えるだけでなく、彼の精神に起こりうるだろう将来の問題にまで手を打ち、一緒に考え続けると言い切る。石神との事件を経た湯川だからこその行動、言動なのだな、と感じさせられます。
きっと、将来、理科が嫌いと言った彼は湯川の研究室のドアを生徒としてノックするのだろうな、と淡い期待を持たずにはいられない、そんな終わり方でした。

それにしても、杏演じる本作のヒロイン川畑成実の実の父親 仙波(白竜)が採った選択は涙無しには見られませんね。そして、そんな彼女やその母親川畑節子(風吹ジュン)を庇おうとした後夫 川畑重治(前田吟)もまた。当然、殺人は罪ですし犯罪者は裁かれて然るべきことではあると思いますし、美談にするべき話でもないのですが、それでも、いざ自分がその立場に立たされた時にそういう行動が迷いなく採れるのか、と言うのは難しいテーマだなあ、と感じざるを得ませんでした。
そんな複雑な情理が絡まった謎を鮮やかに解き明かしたのに、それを全て知らぬ存ぜぬで切り抜けられた時、岸谷に「先生はそれでいいんですか?」と聞かれて「完敗だ」と敢えて、距離を取る描写が今作品の白眉かもしれません。
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オブリビオン ★★★

2013-06-02 17:57:16 | ★★★
オブリビオン

上大岡TOHOシネマズで映画の日、1000円で鑑賞。

全く前情報も入れずに期待もせずに観に行きましたが、結構面白かったです。
最近のSFの欠点だった、「何でもかんでもCGで済ます」ようなところがなくて、きちんとロケして、広大な大地でトム・クルーズが原付みたいな折り畳みバイクで走って行く様はなかなかに楽しいものがありました。
ストーリー自体はどこかで観たかのような既視感あふれる展開で、しかもラスボスも含め、SFにはよくある展開のオンパレードでしたが、それでもなかなかに面白かったのはたぶん、全体のルックの良さやら、お話の筋立ての上手さ、適度なアクションがスパイスになっているのでしょうね。


ネタバレします!






途中でなんかおかしいなーと感じるところはありましたが、「自分自身がクローンで善悪が逆転していた」というオチはなかなかに面白かったです。まー、よくある展開ではあるのですが、トム・クルーズ演じるジャックが最強の敵ですべてを滅ぼした存在であったのに、それを注意深く観察し続け挙句にスカウトしてしまうモーガン・フリーマン側の説得力がすごい。ってか、たぶん、あの役を他の普通の役者がやってたらダメで、彼だからこそそんな無茶なことやってもスクリーン上での説得力があるんだろうな、と。あらすじだけ書くとどうしてもこの点は無茶があるのですが、彼が「君の可能性に賭ける」とか言うときちんと説得力が出てしまう。
あの棺から出てくるのが死にかけのモーガン・フリーマンで最後はトム・クルーズと世界を救ってしまうあたり、めちゃ美味しい役やなあ、と。
ドローンやらトム・クルーズが駆る機体はなかなかのダサかっこよいデザインであり、最初の登場から戦闘シーンに至るまでとても楽しめるものになっていました。おしむらくはIMAXで観たかった!と思うことくらいでしょうか。ドローン3機との銃撃戦や空中戦は素晴らしい出来。それにしても、人間を消し炭にするほどの出力の武器を持つドローンにスナイパーライフルやら対戦車ライフルくらいの武器で戦うってのはなかなかに面白かったし、アジトを上層下層に縦横無尽に人を消し炭にして回るドローンの鬼畜ッぷりは凄まじかったですね。良いシークエンスでした。

広大なスケール感溢れる音楽とロケ交えた映像美とアクションを楽しむ映画なので、IMAXもしくは大画面大音響で楽しんで欲しい映画です。オススメです!
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県庁おもてなし課 ★★★

2013-05-26 18:35:05 | ★★★
県庁おもてなし課

上大岡TOHOシネマズで鑑賞。原作小説は読了。

(あらすじ)
高知県庁に「おもてなし課」とよばれる新部署が観光促進のために設けられた。やる気がありすぎる若手職員・掛水(錦戸亮)はバイトで働き始めた多紀と共に、一般人の目線に立っておもてなし課を動かしていく…。
(以上ウィキペディアより)

原作小説がある作品の場合、小説の方が詳細な描写ができる分、映画と比べると小説の方が面白いと、大体の相場は決まってしまっている。
この作品でもやはりその黄金律は崩れなかった。

ネタバレします!

ビジュアルイメージとしては堀北真希と錦戸亮を配したキャスティングはなかなかよかったと思うし、オール高知県ロケにこだわったのも好感が持てる。ロケーションについても、高知市内を走る路面電車を効果的に使ったり、港の倉庫あたりのロケ地選びはなかなかよかったと思うし、民宿きよとおの場所設定もよかったんじゃなかろうか。高知県庁の廊下に作ったというおもてなし課の小道具大道具もかなり現実のおもてなし課に近かったと思う。自転車で走っていく川沿いの風景もよかったと思う。高知にあんなパラセーリングやカヌーができるポイントがあるのは案外この作品で知った人というのも多いんじゃないだろうか。俄然、高知に観光に行きたくなった。
また、観光アピールが下手で、隣県は上手というのを原作では名指しにしなかったのをテレビで要潤がうどん県をアピールしているCMを映すだけで、わからせてしまうあたりは映画ならではとも言える。
エンドロールの「本当のおもてなし課」というのはよかったと思う。あ、実在したんだね!という新鮮な驚きもある。その他にも、空撮で様々な観光スポットを立て続けに映していくのもなかなか良い。地域ぐるみでこの映画を成功させたい、という気持ちが伝わってくる。

http://www.attaka.or.jp/omotenashi/novel/
この辺りの記事を参照していくと、おもてなし課が実在しどのように映画化されていったかがよくわかる。小説の後書きや対談集あたりも読んでみると理解が深まった。

で、残念な点。
まず、一番残念なのは少なくとも劇中描写だけではおもてなし課が本当にあまりまともに仕事してないところだ。高知県の魅力再発見ということで様々なアクティビティに参加し、色々と問題点の洗い出しを始めたところで彼らの映画作品中での活動は止まってしまっている。具体的なアウトプットを何も残してないのだ。錦戸亮と堀北真希が川沿いで「仕事させろー!」と叫ぶシーンがあるが、本当に頼むから仕事してくれよ、と思う。清遠を呼び出しプランを出させて退場させて、金だけ使って彼ら自身が何か大切なことを学んだ様子があまりなく、テレビでなんだか良さげなことを言って、錦戸亮が堀北真希に身内ネタを発信しておしまいだ。
一方、小説の場合、彼らはきちんと着実に仕事を重ねていくためのヒントを清遠から学び自分たちで自発的に何が自分たちに欠けていて、どう行動していけばいいのかをしっかりと考えて動けるようになっていく。吉門による特使制度のダメだしや「高知まるごとレジャーランド計画」を通じて「民間感覚」による発想力の大切さを学んで行き、時間をかけながら、ある時は一足飛びに高知の観光のあるべき姿を模索し、具体的には公式ガイドブックの刊行やキャッチコピーの考案を通じて、そして、新聞での吉門との対談を通じて発信していくことに成功していく。
馬路村宿泊エピソードや小説内では控え目に2度描かれる主役2人のキスイベントがなかったのも正直残念だ。何故ならどちらも作品のカラーからして織り込むことが出来れば結構受ける印象が変わってくるものだからなのだが、時間の都合で削らざるを得なかったのだとすると、清遠親子のエピソードに時間を割き過ぎだと私は思う。
結局どちらの話を描きたかったのが、曖昧になってしまっている。清遠親子のエピソードと言うのはあくまで複線でメインをおもてなし課のメンツにする、だとか、清遠親子のエピソードをメインに据えるのであれば、県庁に佐和が怒鳴り込みに来るエピソードなどをカットしてはいけない。どうもバランスが悪い。
作者あとがきやその後のインタビュー記事や映画の特設サイトを読んでいくとパンダ誘致論も清遠氏のエピソードも創作であり、実際には作者の父親の与太話がモデル、ということがわかる。そして、逆に特使制度やそこへのダメだしのエピソードはほぼ実話を元にしていることがわかる。もし、どちらに重点を置くかとすれば、おもてなし課に重点を置いた方がよいお話になったような気がしないでもない。どういうテーマを訴えたかったのかがイマイチ曖昧になってしまったのは極めて残念だ。似たようなコンセプトの映画である「UDON」の時にも思ったのだが、創作の感動エピソードと面白いエピソードの取捨選択を根本的に少し間違ってるような気はする。人情に訴えなくても面白い映画は作れるんじゃないだろうか。もっと、県庁の軋轢とか描いて欲しかったようにも思う。県知事が出てくるシーンも正直意図がよくわからなかった。

http://eiga.com/news/20130408/1/
また、映画のパラグライダーのシーンでは2人が唐突にアニメになるシーンがある。詳しくは上記URL参考だが、あまり効果的だったとは言い難いように思う。

では、総じてどうだったかというと、そんなに嫌いな映画ではない。願わくばもう少し削ぎ落とすところの取捨選択をうまくやって欲しかった。高知の観光振興を狙うのであれば、何が必要で主人公たちおもてなし課がどう成長していくかを描くべきだったのではないかな、と感じた次第だ。



ちなみに、うどん県アピールが始まる前から高知県庁にはおもてなし課があったようで、08年以前からおもてなし課は活動を開始していたようだ。そういう意味で龍馬伝あたりではかなり高知は勘どころを押さえた観光振興が出来ていたようだし、おもてなし課の活動は自体は順調なようだ。
同じ四国民としては、高知の観光振興が成功していくことを祈っている。
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ドラゴンボールZ 神と神

2013-04-13 23:20:22 | ★★★
ドラゴンボールZ 神と神

新宿バルト9で鑑賞。

(あらすじ)
全宇宙の運命を賭けた魔人ブウとの壮絶な戦いから4年後。39年の眠りから目覚めた破壊神ビルスは、付き人であるウイスからフリーザを倒したというサイヤ人の話を聞き、界王星で修行していた孫悟空の前に現われる。界王の忠告を聞かずに久々の強敵に挑んだ悟空だったが、ビルスの圧倒的なパワーを前に手も足も出ずに敗北を喫する。さらなる破壊と伝説の戦士「超サイヤ人ゴッド」を求め地球へと向かったビルス。悟空と仲間たちは地球を破壊神の手から守るために立ち上がる。
(ウィキペディアより)


ドラゴンボールといえば、私たち30歳くらいの人間からすればまさに小さな頃からずーっとテレビを付ければやってたアニメなんですよね。毎週月曜はジャンプを読むのが楽しみでした。一緒に大人になった漫画・アニメと言っても過言ではないわけです。今でも単行本をふと読み始めると止まらなくなります。
劇場版も結構観てました。と言うか、記憶にある限り殆どの作品をテレビ、もしくはビデオで観ており、ターレスやクウラやガーリックJr.、ブロリーなどの劇場版だけに登場する敵キャラクターもよく覚えています。

ネタバレします!




ドラゴンボールはその後の少年漫画に大きな影響を与えた作品としても認知されているわけですが、その要素の中でそのさいたるポイントとして、戦闘力のインフレ化という要素があります。初期のアドベンチャーっぽい作風から天下一武道会、ピッコロ大魔王が出てくるあたりからこの傾向に少しずつ拍車がかかっていくわけですが、主人公の孫悟空はどんどん強くなっていき、神を超え、宇宙最強、銀河最強と言われる敵を次々と倒していきます。これまで世に出た全ての少年漫画作品に出てくるキャラクターの中でもここまで戦いを重ねるたびに桁違いに途轍もなく強くなっていったキャラクターもなかなかいないように思いますが、そんな孫悟空が活躍する劇場版では毎回毎回、その時点で最強の敵が登場し、地球が危機に陥り、仲間たちと協力して倒そうとするものの、仲間たちは次々と倒れ、最終的に孫悟空がその敵を打ち倒して終わるんですよね。この構成は殆どの劇場版作品で変わらずその印象からも「結局はいつも通り、孫悟空が勝つんでしょ~」という気持ちで劇場に向かいました。
(その他にも劇場版では
・序盤ではクリリンたちがはしゃいで遊びまわってたり、
・ピンチになると必ずピッコロが助けに来たり、
・ラスボスにクリリンが必ずぶちのめされ、「なんで、俺だけ…」と言ったりと
お決まりの要素と言うのが色々とありました)

そんな気持ちで観にいった本作品ですが、思いの外、意外な展開と相成りました。

結論から言うと今回出てくる破壊神ビルスに孫悟空は勝てません。これはとても意外な展開でした。そもそも、この破壊神ビルスは設定上、邪悪な存在ではなく、定期的に宇宙の星を破壊して回る存在、として描かれており、界王の小さな星も実はビルスに壊されてあのサイズになった、と言った新事実も語られてたりします。(というか、ベジータの弟ターブルについての言及があったり、と全ての文字通りドラゴンボール関連アニメ作品を全て見ていないとピンとこない部分も幾つかあります。)

で、この孫悟空が勝てなくて、「まいった、降参だ」と言うのは完全体セルの時にもあったりします。
・兄のラディッツとの戦いでは勝てずに死んでしまったり、
・ベジータとの戦いでも命からがらなんとか勝てたり、
・心臓病のせいで人造人間20号にも負けてしまったり、
・かなり遡ると桃白白との戦いでもそもそも初戦では敗れてたりするし、
・天津飯にも天下一武道会では負けていたり、
と案外と純粋な一対一の戦績ベースでは孫悟空は負けてたり引き分けだったりすることも多いのですが、10数年ぶりの久しぶりの劇場版アニメでまさかのこの展開は意外でした。

と同時になんとなく、この展開に妙に納得というか頷く自分もいたりするのです。降参した後に孫悟空はビルスから更に上には上がいることを告げられ、気が遠くなりクラッとして気を失ってしまいます。戦いが好きで純粋に自分の力を積み重ねていき、強い相手を前にするたびに「オラ、ワクワクすっぞ」という言葉を吐く孫悟空でさえ、今回は流石に勝てない相手が出てきたわけです。(ちなみに今回、ビルスと初めて会ったシーンであのお決まりの「オッス、オラ悟空」と言おうとして界王にしばかれるシーンがありますが、これには笑ってしまいました。)

銀河系やら何やら含めて最強の中の最強みたいな存在を倒して来た孫悟空が全く敵わない、しかも戦った後にも後腐れなくお互いにリスペクトしてその場を去っていく、ドラゴンボールにはあまりなかった、展開です。(強いて言うなら、一時期の天津飯との関係なんかはこれに近かったですね)

この展開に、一緒に観にいった同期たちはみんな、「面白かった!」と一様に絶賛だったのですが、これには何と無く、私たちの年齢も関係してるのだろうなあ、と、感じるわけです。
社会に出ておおよそ8年くらいが経って、会社でもそろそろ中堅どころを担うようになってきた私たちなのですが、ドラゴンボールを子供の頃から観続けてきて、向かうところ敵なし、に近い孫悟空に幼少期から、憧れと同時に子供の頃の万能感も重ね合わせて観ていたであろう自分たちも、気が付けば家庭があったり、社会に揉まれて生きてるわけです。今作ではブルマは38歳の誕生日を迎えていましたが、そこから考えるに孫悟空やベジータたちもいい年齢でしょう。(おそらく30台後半から40台前半)そんな彼らにだんだん自分たちも実年齢が追い付いてくるにつけ、今回の作品にはなんとも頷いてしまうような展開がちらほらあるわけです。

たとえば、ベジータがビルスに丁重にお帰りいただくために、その身を挺して歌って踊りまで披露するシーンがありますが(堀川りょうさんの声で楽しいビンゴ!ビンゴ!ハイ!ってのはそのギャップからもなかなか耳から離れませんね)、このシーンなんかは自分の家、妻、子どもを強大な力から守るために「父としての、夫としてのベジータ」がかなり強く出るシーンです。その後のブルマが殴られて激昂するシーンを含めて、珍しくドラゴンボールという作品で家庭を強く意識させる要素でした。(そもそも、ベジータも悟空も家庭を殆どかえりみない描写が多かったですしねえ)

孫悟空が超サイヤ人を超えた存在にまでなって戦った上で負けを認める展開はまさに、社会に出ていろんな軋轢を感じたり上には上がいることを実感として感じてきた30台前半の私たちには色々な意味で感じ入る部分があったように思います。たぶん、悟空が最後の最後はビルスをぶっ倒す展開だった場合、ここまでの気持ちにはならなかったのではないのかなあ、と感じるわけです。「おー、あの孫悟空でも勝てないやつはそりゃ、やっぱりいるよねえ」と私は妙な感慨を孫悟空に感じずにはいられませんでした。(ただ、魔人ブウ後の戦いなら孫悟飯が弱すぎるような気はしますが…)
ちなみに今回の戦闘シーンはさすがの出来です。あのいつもの「早過ぎて見えない!」シーンも出てきますし、さすがの描き込みとスピード感あふれる空中でのバトル、岩山に突っ込んで何個も岩山が破壊されるいつものシーンも含めて、まさにドラゴンボールバトル描写の宝庫とも呼べるような数々のバトル描写でした。

久しぶりのドラゴンボール劇場版、私が観にいった日は平日のレイトショーにも関わらず多くの同世代が観にきていました。オトナになっても楽しめる、そんな作品に仕上がっていたと思います。オススメです。
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おおかみこどもの雨と雪 ★★★★★

2013-04-07 17:33:17 | ★★★★★
おおかみこどもの雨と雪

飛行機で観てたら最後まで観られずとても気になっていたので、仕方なくBDで再度観ました。かなり後半まで観ていたのですが、これは最初から観直して大正解でした。雨の日や嵐の日に観るとほっこりとした気持ちになれますね。

色んなところで既にたくさん語られているので、改めて言うことでもないのですが、私がこの映画を観終わって思ったのはこの映画は「"おおかみおとこ"でなくても成立する、」ということです。
だから、しょうもない話だとかそういうことではなくて、むしろ、それくらいに子育てとか家族のこととか人生のこととか、生きづらい都会や田舎の暮らしの難しさのことを克明に描いていると言うことです。素晴らしい映画です。観てよかった、と心底思いました。むしろ、劇場でなぜ観なかったのか。先入観にとらわれてはいけませんね。
今のところ、私は、おおかみこども>時をかける少女>サマーウォーズの順で好きです。

ネタバレします!

(概要)
「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督が、「母と子」をテーマに描くオリジナルの劇場長編アニメーション。人間と狼の2つの顔をもつ「おおかみこども」の姉弟を、女手ひとつで育て上げていく人間の女性・花の13年間の物語を描く。「おおかみおとこ」と恋に落ちた19歳の女子大生・花は、やがて2人の子どもを授かる。雪と雨と名づけられたその子どもたちは、人間と狼の顔をあわせもった「おおかみこども」で、その秘密を守るため家族4人は都会の片隅でつつましく暮らしていた。しかし、おおかみおとこが突然この世を去り、取り残されてしまった花は、雪と雨をつれて都会を離れ、豊かな自然に囲まれた田舎町に移り住む。「時をかける少女」「サマーウォーズ」に続いて脚本を奥寺佐渡子、キャラクターデザインを貞本義行が手がけた。(以上映画.comより)



誰もが直面する子育ての苦労、都会の生きづらさ、田舎の自然の厳しさ、学校生活の難しさ、こういうことをアニメならではの躍動感で描いているのが、この映画なのだな、と感じます。
おおかみこどもたちはやんちゃに走り回り、部屋の中をぐちゃぐちゃにしてしまいます。ティッシュは引っ張り出すし、食べ物はこぼすし、戸棚は全部開けてよじ登ってしまいます。でも、これ、普通のこどももやってしまうことなんですよね。おおかみのこどもだから、柱齧りがプラスされますが、まあ、せいぜいそんなところで、誰もが大人を困らせた行動なのですよね。
おおかみおとこは物語序盤でいなくなってしまいますが、これもまたよくある話でして離婚であったり死別であったり子育ての重圧から来る失踪だったり、世の中にはありふれた話です。(遺体をゴミ収集車に放り込まれる、と言うのはいくらなんでも実写だと残酷描写だなあ、とは思います。ここはアニメでよかったところ)
雪の「匂い」からのひっかきエピソードも別におおかみ、でなくてもよかったりするし、雨が家を出て行ってしまう話も含めて究極的には全てにおいて、"おおかみ"を別のファクターに置き換えてもお話は成立します。
でも、そんな話だからこそ、おおかみというファクターを入れ込むことによって絵的な面白さとお話としての物珍しさも取り入れることが出来、作品としては結果的に面白さはプラスされていると思いました。あ、あと、おおかみである、と言うことで、描写が端的に描きやすい、と言うのも感じるシーンがいくつかありました。

おおかみこどもの母親である花は通っていた大学を中退し、頼る両親がおそらくおらず(劇中父親の葬式があったことが語られる)、田舎町に移り住むわけですが、(ロケハンは富山で行われたようですね)移り住んだ古民家がまたかなり古く、住むのにも一苦労、子育てともあいまって大変に苦労するわけです。彼女はくじけそうになりながらも、次々と目先の課題をクリアしながら、ご近所さんとも徐々に仲良くなり、畑で野菜を育て、こどもは小学校に通うまでになります。
この映画は前半の花の苦労話と、後半の雨と雪のこどもから大人になっていく様を描いた話になっています。

花は序盤から芯は細そうに見えてなかなか肝のすわった女性であり、結果的に1人でこども2人を育て上げます。(結果的に雨は山に行ってしまいますが)
まさに母は強し、を地で行く展開なのですが、そんな彼女が一番動揺するのは旦那さんが亡くなった時でも、野菜が枯れてショック受けてる時でもなく、息子の雨が山に行ってしまうシーンなのですよね。親の子離れを最後に描く、という意味でここで初めて、花は一段成長するのですよね。この先のエピソードが無いのが残念ですが…。

雪の告白シーンは映画の中でも白眉のシーンです。
嵐の日に、小学校にこっそり隠れて残って窓を開けてカーテンが揺らぎながら、姿が人間からオオカミになり、そして、また人間になる。それを、同級生にずっと言えなくてごめんね、と謝りながら涙を流すのですが、ここは涙なくして観られない名シーンではないかと思います。(よくよく考えるとこれもセリフや見せ方まで計算して実写でやろうとするととんでもなく難しく、小説だとこの美しさは伝わらず、まさしく"アニメならでは"のシーンだと感じます。)
この同級生との一連の話は最初の「お前ん家、ペット飼ってるだろ?なんか、獣の臭いがするんだよなあ」から始まるわけですが、全てに殆ど無駄がなくよく考えられた展開だなあ、と思いました。これは映像作品ならでは、ですが、確かに匂い、というファクターは言われなければわからないポイントであり、ここを第一次成長を迎えつつある小学校四年生の女の子に無神経に同級生の男の子が投げかけてしまうところまでいちいちリアリティあるなあ、と。

細田守作品の端的に素晴らしいところをいくつか挙げるとしたら、みなさん、食べ物の美味しそうな描き方を挙げると思います。おおかみおとこが雉を狩ってきて、雉で鳥雑炊を作ってあげる描写などはかなり印象に残ります。食べ物美味しそうに描く、と言うのはアニメでは実は何気なくとても大事なことでして、観ていてほっこりするんですよね。

その他、雨と雪の本格的な喧嘩のシーンなどはこれもまたオオカミに変身するからこそ、やたら激しく家中めちゃくちゃになってしまいますが、「丁寧に母親が掃除して手入れしてきた部屋をあっさりとなぎ倒す子供ら」と言うのも子供の時と親からの目線では違って見えるでしょうし、(花が夫の写真が立ってる本棚をなぎ倒されたときに、一瞬「ああっ」と言うあたり、彼女の心の支えがその写真だったりする、と言うのもまた描かれてて芸が細かい)小学校高学年になると、男の子と女の子では徐々に喧嘩した時の力も逆転し始めたりする、と言うのもリアリティのあるお話です。

挙げればきりがないのですが、この映画はそういった細かい所作の描写の積み重ねで話が構成されており、美しい自然の描写やとても現実的な目線で話が積み上げられてるのですよね。アニメならではの描写とうまく組み合わせつつ、きちんと最後まで隙なく描き切った細田守は完全にジブリとは違う「親が安心してこどもに観せられるアニメとしての細田守ブランド」を作り上げつつあるのではないかな、と確信した作品になりました。次回作にも大いに期待したいと思います。今度は絶対映画館で観たいですね。
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アルゴ ★★★★

2013-02-12 20:16:27 | ★★★★

アルゴ ★★★★
ベン・アフレック監督主演作

「もっとマシな作戦はないのか?」

「考えうる最もマシなろくでもない作戦です。」

これは面白い映画ですね!昨年のBest級に挙げる人たちが多かったのも頷けます。

緊迫するイランのカナダ大使館に取り残されたアメリカ大使館員6人。彼らを脱出させるための作戦は宇宙映画のロケ隊に扮することだった!?という嘘みたいな実際にあった話。
序盤のアメリカ大使館が占拠されるまでのリアリティとそこからの作戦立案までの展開の滑稽さの対比が面白い。とはいえ、この脱出作戦に至るまでに描かれるイランの様子は非常に恐ろしい描写が続き、簡単に人が撃ち殺されたり、街中でクレーンに吊るされてる人が出てきたり、となかなかのシーンが続々と描かれることで脱出作戦の緊迫感がより際立つわけですね。
まだ黒電話しかない時代なので、すぐに人が見つからなかったり最近のスパイ映画では付き物のスパイ衛星がなかったりと現代劇では起こり得ない緊張感がまた新鮮だったりします。
CIAのメンバー同士の会話で
「主席補佐官を探せ!」
「どうやって?」
「俺たちは諜報機関だぞ!」
というやり取りもなかなかに面白い。

中東の石油権益を巡る問題はずーっと続いているのだなあと感じずにはいられない一本。とても楽しい映画でした。
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ストロベリーナイト ★★★

2013-01-30 20:53:01 | ★★★
ストロベリーナイト

TOHOシネマズ上大岡で鑑賞。
ネタバレします!盛大に!


ええと、原作ストロベリーナイト、インビジブルレイン、ブルーマーダーちゃんと読んで、ドラマもTVSP2本とTVシリーズも全て観た上での鑑賞です。

誉田哲也は武士道シックスティーンなんかも読んでたりして結構語り口は好きな作家です。東野圭吾や伊坂さんの次に好きな作家かな。姫川玲子というキャラクターも中々にいいキャラだと思ってます。ガンテツも井岡も國奥センセも少々無理あるというか、漫画的なキャラ造形は目立つけど映像化はしやすいよね。読者もイメージしやすいし。

ドラマシリーズはなかなかに力の入った展開が多く見応えもありました。毎週楽しみに観ていました。第一話のシンメトリーからなかなか見所も多かったし、その前のテレビスペシャルもかなり楽しめました。Fのキャラ造形は難しかったのだなあ、とも感じましたが。
映画化はなんとなく予想はしていましたが、それにしても、ドラマだと楽しめるのに映画館で観ると、ちょっとパンチの足らない映画だなあと感じてしまいました。全編雨降らせたり、結構お金のかかることやってる割には晴れた日も無理やり雨降らせてて完全に画面奥の方で晴れてるのがわかっちゃったりして、もう少しこの辺りの処理は頑張って欲しかったけど、そもそも全編で雨を降らせる必要があったのか、と言う気もする。梅雨、とかほんと、雨多いわね、とかそういう発言もないし、雰囲気演出だとするならば、要所の印象に残るところだけ雨を降らせるというのでも、充分意味があったと思います。

林ゆうきさんのサントラは素晴らしいですね。というか、この人のテーマだけで映像作品としての格調がぐんと高くなってるように思います。メインテーマでのエンドロールもなかなかに素晴らしい。雨からのストロベリーナイトを想起させる血まみれの…というね。

原作小説からの改変で良かったところは菊田が積極的に姫川玲子の動きに絡み、牧田との密会を尾行してたり車でのアレを目撃してしまう展開。別に菊田にとっての彼女ではないのだけども、お互いに意識する存在ではあっただけに、あの瞬間は決定的だし、原作の続編ブルーマーダーでの菊田のまさかの展開に繋げるにしてもこの方がすんなりと納得のいく展開だと思います。そういう意味では原作で物足りなかった点をしっかりと補足してくれてるようにも感じる良い改変だったと思います。
牧田と菊田が直接出会って、牧田が「お前に姫川は無理だ」とはっきりと言い切るシーンもよかった。この辺りの改変ポイントはかなり良い点でした。

逆に牧田が作中で、積極的に自らの手を犯すシーンについては少し残念でした。少なくともその点では牧田は自らの手はくだしていない、という点を姫川に誤解されたまま、牧田は息を引き取ったことに姫川は苦悩する、と言うのは必要な描写だったと思います。なんか、苦悩してなくて、あっけらかんとして菊田とも別れてしまったのがとても残念…。まーそれが竹内結子の姫川玲子なのかもしれないけども。

後は捜査一課和田課長周辺エピソードの部分が少々物足りなくて完全版やらディレクターズカット版なんかが出るならば補足されることを祈ってます。たとえば、最後のシーンの記者会見の記者の描写とか、たぶん、準備はしてたけど、カットしたっぽいし。あと、和田課長の人柄を想起させる描写があまりない。深夜番組で展開したストロベリーミッドナイトでは多少言及がありましたが、それはやはり映画内でうまく見せて欲しかった。
今泉係長を入院させてたのも何故なのか謎…。この辺りの改変は少し不思議な点でした。

大沢たかおの牧田は割と悪くなかったですね。ホテルでのヤクザとの格闘シーンはもっとアクション映画っぽくてもよかったけど。
背の高さもよかったと思います。もっとデカくてもよかったけどね。って、調べると大沢たかおは181cmあるんですね。私も同じくらいなので、意外です。竹内結子は164cm、西島秀俊は178cmなので、身長については絶妙なキャスティングでしたね。

結構原作は長い話なので、うまく割愛してまとめてあるなあ、と感心しましたが、その分どうしてもカタルシスも減ってしまった印象を受けてしまいました。
シリーズのファンですが正直、トータルの映画としての評価はイマイチですかね。そんなに悪くもないけど、パンチもない。ただ、次回作、ぜひ期待してます。大塚の墓参りのエピソードやブルーマーダーなどなど、魅力的な原作は今後も続いていくようですから。
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