きのうのつづき。
高畑勲の講演が終わってから展示を見たので、会場に入ったときにはもう16時を回っていた。あと二時間しかないから急ぎたいのだが、客が大勢いて(たぶん講演会に出席していた人たち)、なかなか前に進めない。
次第に人の数が少なくなっていったが、「もののけ」のコーナーに着いた頃には17時15分頃になっていた。このとき係員から警告が入る。「まだ展示は続いています。地下にも展示はあります。18時閉館なので、時間を計算してご覧下さい」。こんな感じの。
それで、慌てて「もののけ」の展示コーナーを後にする。もう時間がないことは分かっていたけど、まだだいぶ展示が残っているらしい。
ところで、レイアウトというのは、このようにさっさと見て分かるのだろうか。もともとレイアウトというのはアニメーション制作の工程で描かれる設計図で、絵のほかにもレイアウトマンによって色々な指示が書き込まれている。レイアウトについてはこのところ多くの専門家がそれがどんなものかを分かりやすく語っており、いま改めてぼくが解説するまでもないのだが(その資格もない)、要するに、レイアウトとはキャラクターと背景が描かれたものだ。それらが、実際に映画で映される構図で描かれているところがポイント。これを基に、ちゃんとした原画と背景が描かれる。また、カメラワークやキャラクターの動きが指示されている場合がある。代表的なのは雲の動きで、ひとコマ何ミリ、と細かな指示がある。ちなみに、このミリ数がしばしば0,25とかいう半端な数なのは、アナログ撮影台の目盛りの関係から。それと、レイアウトにはオブジェをセルにするか背景画にするかの指示も書き込まれている。つまり、レイアウト通りに作業をしていれば、作品が間違った方向に進むことはないというわけ。もちろん、レイアウトの指示が間違っていたら話は別だけど。
で、話は戻る。そのような詳細な設計図を、ぱっぱと見て、ちゃんと把握できるのだろうか。むろん否、だ。ぼんやりと「ああこの絵上手いなあ」とか「ちょっと雑だなあ」とかしか感じ取れない。あるいは、「鉛筆描きって雰囲気があるよね」とか、そんな程度だ。じゃあ、じっくりレイアウトを見れば、その作品の魅力が分かるかといえば、それも心もとない。結局のところ、素人にはレイアウトというのは、「鉛筆でさささっと描かれた雰囲気のある絵」、くらいにしか思えないのだ。でも、たぶんそれでいいと思う。レイアウト(に書き込まれた指示)から、実際の映像をばっちりイメージして、その動きは0,75ミリの方が迫力出るな、とか思うことは、たぶん想定されてない。ここのパースは狂ってるけど、人間の目にはこういう風に映るし、そっちの方が迫力が出る、なんてことが分かることも、たぶん想定されてない。だから、ジブリの舞台裏を見る、程度の気持ちで見るのがイイんじゃないだろうか。
もっとも、レイアウトを見て色々なことが分かれば、それに越したことはない。でも、限られた時間で人の波に押されながら自分の好きにならない時間でレイアウトを見ても、多くのことは考えられないだろう。鉛筆描きのタッチを楽しめばそれでいいのだ。
展示の尽きるところに、ジブリコーナーが設けられていて、ジブリグッズが置いてあった。そこで目に飛び込んできたトトロのぬいぐるみ。か、かわいい!お値段も1050円と、お手頃。普段はこういうのは絶対に買わないんだが、あまりのかわいさに購入。いま、頭上の棚に座っています。
レイアウト展の図録も購入。2900円。このボリュームにしては安い。
レイアウトで展示会を開けてしまえるのは、たぶんジブリとディズニーくらいのものだろう。来年は、何をやるのかな。
高畑勲の講演が終わってから展示を見たので、会場に入ったときにはもう16時を回っていた。あと二時間しかないから急ぎたいのだが、客が大勢いて(たぶん講演会に出席していた人たち)、なかなか前に進めない。
次第に人の数が少なくなっていったが、「もののけ」のコーナーに着いた頃には17時15分頃になっていた。このとき係員から警告が入る。「まだ展示は続いています。地下にも展示はあります。18時閉館なので、時間を計算してご覧下さい」。こんな感じの。
それで、慌てて「もののけ」の展示コーナーを後にする。もう時間がないことは分かっていたけど、まだだいぶ展示が残っているらしい。
ところで、レイアウトというのは、このようにさっさと見て分かるのだろうか。もともとレイアウトというのはアニメーション制作の工程で描かれる設計図で、絵のほかにもレイアウトマンによって色々な指示が書き込まれている。レイアウトについてはこのところ多くの専門家がそれがどんなものかを分かりやすく語っており、いま改めてぼくが解説するまでもないのだが(その資格もない)、要するに、レイアウトとはキャラクターと背景が描かれたものだ。それらが、実際に映画で映される構図で描かれているところがポイント。これを基に、ちゃんとした原画と背景が描かれる。また、カメラワークやキャラクターの動きが指示されている場合がある。代表的なのは雲の動きで、ひとコマ何ミリ、と細かな指示がある。ちなみに、このミリ数がしばしば0,25とかいう半端な数なのは、アナログ撮影台の目盛りの関係から。それと、レイアウトにはオブジェをセルにするか背景画にするかの指示も書き込まれている。つまり、レイアウト通りに作業をしていれば、作品が間違った方向に進むことはないというわけ。もちろん、レイアウトの指示が間違っていたら話は別だけど。
で、話は戻る。そのような詳細な設計図を、ぱっぱと見て、ちゃんと把握できるのだろうか。むろん否、だ。ぼんやりと「ああこの絵上手いなあ」とか「ちょっと雑だなあ」とかしか感じ取れない。あるいは、「鉛筆描きって雰囲気があるよね」とか、そんな程度だ。じゃあ、じっくりレイアウトを見れば、その作品の魅力が分かるかといえば、それも心もとない。結局のところ、素人にはレイアウトというのは、「鉛筆でさささっと描かれた雰囲気のある絵」、くらいにしか思えないのだ。でも、たぶんそれでいいと思う。レイアウト(に書き込まれた指示)から、実際の映像をばっちりイメージして、その動きは0,75ミリの方が迫力出るな、とか思うことは、たぶん想定されてない。ここのパースは狂ってるけど、人間の目にはこういう風に映るし、そっちの方が迫力が出る、なんてことが分かることも、たぶん想定されてない。だから、ジブリの舞台裏を見る、程度の気持ちで見るのがイイんじゃないだろうか。
もっとも、レイアウトを見て色々なことが分かれば、それに越したことはない。でも、限られた時間で人の波に押されながら自分の好きにならない時間でレイアウトを見ても、多くのことは考えられないだろう。鉛筆描きのタッチを楽しめばそれでいいのだ。
展示の尽きるところに、ジブリコーナーが設けられていて、ジブリグッズが置いてあった。そこで目に飛び込んできたトトロのぬいぐるみ。か、かわいい!お値段も1050円と、お手頃。普段はこういうのは絶対に買わないんだが、あまりのかわいさに購入。いま、頭上の棚に座っています。
レイアウト展の図録も購入。2900円。このボリュームにしては安い。
レイアウトで展示会を開けてしまえるのは、たぶんジブリとディズニーくらいのものだろう。来年は、何をやるのかな。