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修業の時計を止めない教師でありたいです。

言語活動の「充実」

2010-08-13 00:10:31 | 国語
 「言語活動の充実」は学習指導要領改訂の大きな特色である。

 言語は「行動」「活動」を伴ってこそ意味をなす。
 文字として書かれたり,音声となって発信されたりして初めて意味をなす。
 したがって,言語力は「活動」することによって形成されていくことは間違いないことである。

 しかし,「活動していれば力がつく」というものではない。
 言語活動の場を保障しただけでは,言語力は身につかない。

 「言語活動」をすればよいのではない。
 「活動」を通して「指導」するのである。
 「指導」によって,「充実」を図っていくのである。

 言語活動には「話す」「聞く」「書く」「読む」の4つが考えられる。
 日常的に最も機会が多いのは,いうまでもなく「話す」「聞く」である。
 しかし,これらの指導は活動主義的,経験主義的であるというのが実情である。

 「充実」を最も手堅く具現化するための手立てとして,野口芳宏氏は3点を提言している(『国語教育』2008年11月号)。

(1)ずばり一言で
 「ずばり一言」で問いに答えられるよう仕向けていく。
 分かっていないから長くなり,長くなるから分からなくなる。
 言えない子には教師がモデルを示す。

(2)「公的話法」で
 「私的話法」は生活話法であり,日常話法である。相手との距離は近い。
 一方,「公的話法」は教室話法,学習話法といえる。
 「常より大きく,常よりはっきり,常よりゆっくり」と野口氏は言う。
 「不自然な話し方をせよ」「価値ある無理」をして話せと言う。

(3)聞き手の反応を読みながら
 話すことの目的は,相手に自分の考えを「伝え,届け,受け止めさせる」ことである。
 そのためには相手の目を見たり,相手の表情を読んだりすることが必要になる。
 話しさえすればいいのではない。