再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

日本のエネルギー政策を考える(2):論点整理

2011-04-09 14:43:35 | 日本のエネルギー政策を考える!

二回目の今回は、日本のエネルギー政策を考える上での論点整理から始めたい。

まずエネルギー問題は、供給と需要の両面から整理することが分かりやすい。

供給側の論点は、大きく二つに分かれる。第一に化石燃料に代表される一次エネルギーの問題、第二に二次エネルギーである電力である。

化石燃料は、主に石炭、石油、ガスの3つであるが、それぞれに過去、現在、未来のさらに3つの視点から考える必要がある。

電力問題では、まずは原子力をどう考えるか。この点では、2011311日は歴史に残るパラダイム転換の始まりとなる。次に化石燃料による発電は、今後どう扱っていくべきか。さらに、再生可能エネルギーについては、どこまで拡大していくべきか等が、当面の政策上の大きな課題となる。

需要側の論点は、ある意味明確である。どんなに時が流れようとも、省エネルギーが基本であり、省エネルギーに尽きる。むしろ、需要側の在り方によって、深掘りしていく必要がある。つまり、産業部か民生部門か、さらには産業でもどのような業態か、民生部門であっても業務か家庭系か、それぞれによって、省エネルギー政策はきめ細かく分けていく必要がある。

そして、エネルギー政策を考える上で重要な点において、時間軸も重要な問題である。政策というものは、あくまで現時点における具体的な行動を誘発することが必要であるが、果たしてどの時点のどのような目標を目指すのか。ゴールは数年先なのか、あるいは数十年先なのかによって、自ずと政策は異なってくる。

今回の原発事故問題は、これまでのエネルギー政策責任者の頭を完全にぶちのめすような強烈なインパクトがあった。

したがって、今エネルギー政策というと、どうしても今回の危機を乗り切るため、当面予想される問題を乗り切るためとなりがちであるが、本稿においては、なるべく中長期的、むしろ具体性を失わない程度にできる限り長期的な視点で検討したい。さらには未来のエネルギー技術については、多少は夢のある話も加えたい。

また、今回の大震災により、今後はエネルギーの安定供給やセキュリティについての意識も高まることになり、そのための具体的な政策も重要になってくる。

そして最後に、地球温暖化問題は上記のエネルギー政策の各論点を考える上で、常にベースとなるものであり、可能な限りの整合性が求められる。つまり、これからのエネルギー政策は、温暖化効果ガスの削減にどの程度効果的、効率的に寄与するものなのかが、常に問われることとなる。

以上、この程度の論点整理だけでも、エネルギー政策立案に関わるテーマの広範さと複雑さが分かるが、まずは次回より、それぞれのテーマについての愚見を述べることとしたい。