再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

連載企画:FESCO十年の歩みを振返って(2)

2007-06-03 07:09:36 | 連載・FESCO十年

1997年、創業の時はいかなる年だったか?

1997年は、12月に京都会議(COP3が開催され、京都議定書が締結された年である。

FESCOの創業は、その半年前の5月末。

それからの10年間は、京都議定書にとっても、FESCOにとっても、平坦なものではなかった。

米国の議定書離脱、イラク戦争の勃発とそれに起因したかのような原油価格の高騰等は、10年前にはまったく予想外の出来事である。

また、中国を筆頭としたBRICS諸国の急速な経済発展が、国際的なエネルギー業界や産業のあり方を一変した。

こうした大きなうねりの中、FESCOの事業環境も大きな影響を受けた。

創業の理念でもある具体的な事業によって、「環境と経済の両立する社会づくりに貢献したい」という私の志は、今や世界的な人類共通の目標となりつつある。

当初から省エネルギーや環境問題では、資源に乏しく、他国にほとんどの資源を依存している日本という国こそが、世界のリーダーシップを取るべきであり、取れる立場にあると主張してきたが、まさに今現実化・具体化するべき時に来ている。

一方、FESCO自体のミクロな事業環境は、大きな誤算を生んでいる。例えば、化石燃料の高騰がコージェネレーションという省エネの「エースで四番」と言われた手法を駆逐し、その結果、省エネ支援サービスの中核であり、収益基盤でもあった「オンサイト事業(自家発代行業)」を見直さざるをえなくなった。電力小売への挑戦も、かなり苦戦を迫られることになった。

ただし、総合的な見地から省エネサービスを提供できる業態になるという方向性は決して間違っていない。むしろ、そのサービスの中身を事業環境に合わせて俊敏に変化させていく必要があるのだろう。