(藪下雅治先生のお写真が手元に見つからず、ネットから拝借し加工しました)
今朝、昔の知り合いから「藪下先生、今年の2月に91才でお亡くなりになってた」と連絡があった。
ホワード勤務時代は年に1度はセミナーでお会いし、毎年年賀状のやり取りを20年近くもしていたが、
閑職に追い込まれ、経営と無関係の立場になった頃からと思うが、お付き合いは絶えてしまっていた。
今から35年も前だが、ホワード株式会社に入社したすぐだと思う。
藪下先生のセミナーに、半年間だったか1年間だったか、月に1回、2泊3日で、
名古屋市中区千種の藪下研究室に行って、主にポケコンを使った計数管理を学んだ。
余談だが、この時使ったポケコンはシャープ製で、一式8万円以上もした。
業務命令でセミナーに参加したので、当然、会社から購入資金が出ると思って、
当時の上司、ホワード東京店店長のTに言ったら「出せない」という。
「なぜですか?」と聞くと、「貴方の勉強のために行くのだから貴方が出しなさい」とのことだ。
(SHAP PC-1501 本体・他にプリンター部がある)
入社(30才で途中入社)したばかりで遠慮もあり、「んなアホな」と思いながらも諦めた。
このポケコン、セミナーが終わったら特に使い道も無く、自宅の倉庫に眠っている。
当時の私は1年間無職だったので蓄えが無く、8万円は大変大きな出費であり痛手だった。
しかしながら藪下先生のセミナーは価値があった。
人生の考え方、仕事への取り組み方、数値の捉え方、自己啓発への取り組み方、
そして数字から必要な数値を導き出す方法、KJ法やABC分析などを学んだのである。
セミナーのあとに受講生全員でスナックに連れて行ってもらったこともある。
そのスナックがそうなのか、藪下先生の好みだったか忘れたが、
藪下先生は日本陸軍の軍歌を何曲も歌い、私も競うように日本海軍の軍歌を歌った記憶がある。
あれはとても楽しかったがセミナーでの写真を探したがどこにも見つからない。
あの頃学んだ事は、その後の仕事でも少なからず役に立ったし、
密かに作っていた幻の「ホワード再建計画書」の骨子作りにも役立った。
ホワードは今は無い。
ひとことで言えば、ホワードは経理の数字管理は出来ていても、
数字から数値を導き出して、経営を根本から見直すことは無かったということだ。
経理が力を持ち過ぎている会社はダメになる。経営者に知恵と想像力が無くてもダメになる。
経理が権力を持ち銀行のほうだけを見、経営全体は真の意味で顧客を見ていなかった。
現場の第一線の社員だけが各個で涙ぐましい奮戦努力をしていたのだ。
きっと心得帖はとても良い冊子で、このブログでもいくつか紹介した。
しかし改めてよく見ると「無断複製・転記を禁ず」とある。
先ほど「ブログでいくつか紹介してもよろしいでしょうか?」と聞くために、
記載された電話番号にかけたら「この電話番号は現在使われておりません」となってしまった。
今まで書いた分はお許しいただこう。(今後は未定)
今夜はお世話になった藪下雅治先生を偲んで黙祷し献杯する。