Luthier日記

弦楽器製作の様子と日々の出来事。

表板はぎ合わせ!

2010-09-25 22:38:56 | 日記
今日は曇り。
気温が上がらず、夜になって今年初のストーブ点火でした。

午前中、昨日書いたウクレレのラフデザインを郵便で送りました。
待ちになったウクレレの合間に19世紀ギターも作って行きます。
今日はギター用の表板のはぎ合わせをしました。
いつも表板を選ぶとき、どれにするか迷います。
さほどストックを持っている訳ではないのですが、乾燥状態や、木目、重さ、樹種など色々考えます。
悩んだ末、欧州産のスプルースにしました。
表裏を軽く鉋がけし、木目を見ます。
2枚重ねてクランプし、はぎ合わせる面を鉋がけ。
いい感じになったら、クランプを外してはぎ合わせる面をくっつけて光にかざしてみます。
真ん中あたりからわずかに光が漏れる感じになった所で接着に入りました。
いつものように、ハタガネでしめて、浮き防止の角材で押さえます。
選ぶ所から初めて、ここまでで一時間くらいでした。

はぎ合わせは時間はあまりかからないのですが、集中力はいります。
今日は甥っ子が工房に来て、作業中にずっと話しかけてきました。
相手をしながらの作業で、いつもよりも時間がかかりました。
でも、楽しく話が出来たのでよかった事にします。

はぎ合わせをすると作業台が占領されるので、ほかの作業が出来ません。
そんな訳で、忙しい時はなかなか出来ない掃除機のフィルター掃除をしました。
工房の掃除機はだいぶ旧式で、紙パックではありません。
フィルター越しにボディーの中にゴミがたまるタイプです。
外に掃除機を持ち出して、ゴミを捨て、フィルターに詰まった木の粉を取り除きました。
掃除が終わってもだいぶ時間が余りましたが、明日は外出の予定があるので早めに終了しました。

今日、ホームページにこの間完成したばかりの小さい19世紀ギターをアップしました。
いろんな角度から、大きい写真で見れます。

今日の写真ははぎ合わせしてクランプ中のものです。

ウクレレラフデザイン!

2010-09-24 23:06:14 | 日記
今日は晴れ。
天気はよかったのですが、寒く感じました。
昨日から急に寒くなった感じです。
ちょうどいい時期がなく、冬になってしまうのでしょうか?

作業は依頼があったウクレレのラフデザインです。
今回のウクレレは、デザインからのゼロスタートです。
まずは、ボディーシェイプを考えました。
普通のよく見るタイプではなく、私の工房の個性も出しつつ、音はウクレレらしい音がねらいです。
依頼主の方が好きな木工作家のイメージも取り込む事になっています。
手持ちの資料と、依頼主の方からいただいた本を見ながら、形を探って行きました。
少し古いタイプのギターやウクレレの感じが好きなので、いい感じのラインが出来るまで何度も書き直します。
ボディーの形が決まったら、ブリッジの位置を決め、スケールを決める順番でラフデザインを書いて行きました。
今日は本を読んだり、資料を見たり、考えたりと、普段とはちょっと違う作業の一日でした。
一応、ラフデザインは出来上がったので、依頼主の方にコピーをお送りしてチェックしてもらいます。
細かいディテールもあるので、この後何度かやり取りしながら最終的な形にして行きます。

ウクレレは実際の加工に入るまでちょっと時間があるので、ネックが仕上がっている19世紀ギターのボディーも始めようと思ってます。
天気がよければ、表板のはぎ合わせから始める予定です。

昨日のギターフェスティバルでバイオリンの演奏を聴いていて、なんでバイオリンの音が大きいのか考えていました。
ボディーはギターの方が大きいのに、音はバイオリンの方がよく聞こえます。
撥弦楽器と擦弦楽器に違いはあるのですが、それにしてもだいぶ音量に差があります。
値段の差もあります。
音が大きければいいと言う物ではありませんが、バイオリンの事も少し勉強しようかと思っています。

今日の写真は書いたラフデザインとボディーの型紙です。

ギター展示してきました!

2010-09-23 22:19:06 | 日記
今日は雨で午後は曇りに。

秋田市のアトリオンで行われた、秋田ギターフェスティバルで楽器を展示してきました。
昨日まで作っていた小さい19世紀ギターとこの間お嫁入りしたギター2本の展示です。
私の制作ペースが遅いので、オーナーの方のご好意で展示させて頂きました。
11時からの展示でしたが、10時頃会場入り。
展示の準備をしてお客様を待ちました。
興味を持って頂いた方もいて、色々とお話しさせて頂きました。
久しぶりにお会いする方もいて、あっという間の時間でした。

展示終了後はギターフェスティバルを鑑賞。
バイオリンとギターの二重奏など、今までにない組み合わせもありいい演奏を聴かせて頂きました。
後半のギターの三重奏もすごくよかったです。
私のモダンタイプのギターで演奏して頂いた方もいて、これまた気合いの入った演奏でした。

今日はギターの展示とギターの演奏を聴いて一日終了でした。

ギターを展示して試奏して頂くと、自分の楽器の音を客観的に聞けて勉強になります。
今回の展示に機会を与えて頂いた、主催者の舟橋さん、有り難うございました。
ギターを見て、触って頂いた皆さん、有り難うございました。

今日の写真は私のギターの展示ブースです。
普通の19世紀ギターと比べると、小さいギターの大きさがわかると思います。

ギターぎりぎり完成!

2010-09-22 23:21:07 | 日記
今日は曇りで少し雨も降る天気。

作業は大詰めです。
まずは、ブリッジピンをフィッティングさせて行きました。
ブリッジピン穴にあわせて、表板にも穴を開けます。
穴が開いたら、リーマーでピンにあうよう穴を広げました。
緩過ぎず、きつ過ぎず、ピッタリフィットにして行きます。
ピンが収まったら、弦を通す溝をブリッジのピン穴に切って行きました。
小さいノコを差し込んで切り込みを入れ、ヤスリで仕上げます。
ブリッジ周りの作業が終わったので、ここで表板をオイルフィニッシュ。
こんどは、ナットを作って行きました。
牛骨を切り出して、ナットの溝にあわせて厚さを調整。
溝にあった所で、弦の溝を切って行きます。
8割くらい切った所で、ギターに弦を張って行きました。
ヘッドに木ペグをさして行きますが、塗装が少し穴に入っているので、リーマーをかけます。
木ペグにペグペースとを塗って、弦を張りました。
つづけて、ナットの溝を調整して弦高を決めて行きます。
溝が決まったら、ナットの高さを調整して、サンディングし磨いて仕上げました。
弦を張ったので、チューニングして音を確認。
弦長518ミリとかなり小さいギターですが、音量は結構ありました。
小さくても、ちゃんとギターの音がします。
最後に、裏板の塗装をセラックで仕上げました。
明日まで乾燥させますが、今日で一応ギター完成。
なんとかギリギリセーフでした。

明日は展示が午前11時から午後2時までです。
秋田ギターフェスティバルは2時開演。
開演前の展示なので、ギターをご覧になりたい方は少し早めにお越し下さい。

難航していた引っ越し先がやっと決まりました。
すぐ近所に見つかりました。
この先、諸手続きや荷造りなど、制作以外の事が忙しくなりそうです。
ちなみに、荷物も自分で運びます。

今日の写真は完成したギターです。
ほんとは表側から写したかったのですが、裏板乾燥中のため裏側です。
表の写真は明日のお楽しみで。

ブリッジ接着!

2010-09-21 23:16:44 | 日記
今日は曇りで、しだいに雨に。
気温は低めだったのですが、涼しいのに慣れて来たのか、作業中は少し暑く感じました。

作業はブリッジ接着からです。
指板の延長からセンターを出し、弦長を設定してブリッジの位置を決めて行きます。
マスキングテープで位置をマークしてブリッジを接着しました。
しばらく手で押さえて、動かなくなった所でクランプ。
モダンタイプのクラッシクギターはピンを使って位置を決めたりしますが、19世紀ギターはピンは使わないので、ずれないよう注意が必要です。
今回のギターは小さいので、ブリッジクランプは使えず、カムクランプで押さえました。
乾燥待ちの間に、ブリッジのひげの先に着ける丸い飾りを作製。
黒檀材を丸く棒状に削って、真ん中にボール盤で穴を開け貝を埋め込みました。
しばらくブリッジを乾燥させたら、サイドバックの塗装に入りました。
いつもはオイルフィニッシュが多いのですが、今回はセラックにしました。
セラックは手間がかかるので、時間がない中厳しいのですが、オイルフィニッシュの発色があまりよくなかったのと、ネックの塗装とバランスがよくなかったので、あえてセラックにしました。
といっても、何回も塗り重ねる時間がないので、ピカピカにはせず、ちょっとマットなし上がりにしました。
最後に丸飾りをブリッジのひげに着けて作業終了でした。

残りは明日だけになってしまいました。
明日は、ブリッジピンをセットし、ナットを作って弦を張り、細部微調整で完成です。

あさっての23日は秋田市のアトリオンで行われる、秋田ギターフェスティバルで今回のギターを含め、19世紀ギター2本を展示予定です。
午前11時から、コンサートの開演前までの展示です。
開演後は展示終了してしまうので、ちょっと早めに来て見て頂ければと思います。
前日まで作っていた、できたてのギターが見れるかもしれません。

今日の写真はブリッジを接着したギターです。
サイドバックも塗装してあります。